追究

2016年01月15日

星が丘モデルプロジェクト中間報告会

星が丘モデルプロジェクト中間報告会

平成27年8月27日(木) 星が丘キャンパス15C教室

地域との協働プロジェクト、いよいよ佳境。
各チームが考えた提案を、企業の方々にプレゼンテーションしました。

8月27日(木)、星が丘キャンパスでビジネス学部と交流文化学部の協働教育プログラム「星が丘モデルプロジェクト」の中間発表会を開催しました。このプロジェクトは、学生たちが地域と主体的に関わり、自ら学び、課題を解決する力を育むために2012年から実施している本学の特徴的な学びのひとつです。3回目の実施となった2014年度の星が丘モデルプロジェクトは昨年の9月にスタート。学生たちは6人前後のチームに分かれ、それぞれのチームが地元企業から出された課題に取り組んできました。企業訪問、社員へのヒアリング調査、エンドユーザーへのアンケート調査などを重ね、課題解決のための提案を考え、この日、各企業の社長様やご担当者様の前でプレゼンテーションをしました。大学祭2日目に開催される最終報告会に向け、改善点を洗い出し、方向性を定める大事な発表の場となった中間報告会。ここではその様子を一部レポートいたします。

山彦A班
課題:「地域になくてはならないスーパーとして存続していくためにとるべき戦略は何か」

前回の第一回中間報告会では、ターゲットを「消費者」に絞り込んでいましたが、今回は「周辺企業にとっても、なくてはならないスーパーになるための提案」をした山彦A班。「お盆」「年末年始」「健康」などの5つのキーワードにそって、地産地消につながるフェアの開催を発案しました。東海エリアの企業と、その企業が取り扱う商品を紹介したA班の発表を代表取締役の山田様は高く評価。「初めて知る企業も多く、この提案は我々の財産になると思います」とコメントし、さらに「地産地消は地元密着型のスーパーの果たすべき責任です。一方で全国のおいしいものをお客様に提供したいという思いもあります。消費者へのヒアリングを徹底して、両者の思いを実現できる解決策を模索してください」と提案を深める新たな視点を与えてくださいました。

山彦B班
課題:「脱デフレ時代において、生鮮館やまひこは低価格訴求を目指すべきか否か」

「低価格訴求を目指すべきか?」という問いに対し、「目指すべきではない」と明確に答えを打ち出したうえで「他のスーパーとの差別化を図るべきだ」と主張した山彦B班。高品質化するPB商品に着目し、「消費者は低価格PB商品と高価格PB商品をものによって買い分けている」と消費者の購買行動の変化を伝えました。そして、その高品質PBに当てはまる生鮮館やまひこのPBブランド「美味安心」の魅力を消費者にうまく伝えきれていないのではないかという仮説のもと、「美味安心」の試食販売や従業員への講習会の実施などを提案しました。「高品質PB商品は生き残りのカギとなる」という言葉に強く頷かれた代表取締役の山田様は「皆さんが今後の課題としてあげていた通り、マクロな視点からも“美味安心”に関する提案を期待しています」と、最終報告会を心待ちにされていました。

上根精機工業A班
課題:「日本全国を相手に小さな会社が取り組める販売戦略について」

上根精機工業が全国に販路を拡大するために押し出す商品として「小袋パッカー」を選んだA班は、小袋に分ける対象はお米のままで販売方法を新しくするA案と、小袋に分ける対象をお米以外に変えるB案の2方向の案を発表しました。A案は「お米の語源が“思いを込める”であることから、お米をギフトにする」というアイデア。百貨店などに小袋パッカーを販売し、ギフトとしてのお米を普及するという提案をしました。B案は食事の簡素化などを背景に人気を集めている「フルーツグラノーラ」に着目。東京などに進出している「フルーツグラノーラ」専門店に小袋パッカーを販売し、市場拡大を図ろうと考えたアイデアです。発表後、上根精機工業の水野様は「おもしろいアイデアが飛び出して驚きました。さらにお米を研究して、より良い提案を期待しています」とエールを贈りました。

上根精機工業B班
課題:「自社製品の開発にあたり、どういった手法をとればよいか」

B班は実際に上根精機工業の顧客である米屋に出向き、情報を集めて、提案を考えました。ひとつは「新規技術と既存市場」を掛けあわせて考えた案で、米屋をより親しみのある店にするために、お米チップスやポン菓子を製造する機械をつくり、販売するというもの。もうひとつは「既存技術と新規市場」を掛けあわせて考えた案で、少量の計測機のニーズに応えられる機械などの開発を提案しました。おもしろい着眼点に感心した様子でプレゼンテーションを聞いていた水野様は「いくらぐらいの機械だったら売れるのか、実際にお米屋さんに機械を置くことができるのか、お米屋さんが抱えるどんな課題を解決することができるのか、“売れるまでのストーリー”があると、さらに納得感のある提案になるのではないでしょうか」と、具体的なアドバイスをくださいました。