追究

2016年01月26日

愛知淑徳学園創立110周年・愛知淑徳大学開設40周年記念行事 グローバルカルチャー・コミュニケーション研究科主催シンポジウム「大学とNGOとのパートナーシップ形成の可能性」

愛知淑徳学園創立110周年・愛知淑徳大学開設40周年記念行事 グローバルカルチャー・コミュニケーション研究科主催シンポジウム「大学とNGOとのパートナーシップ形成の可能性」

平成27年12月9日(水) 星が丘キャンパス 25A

大学が地域と連携し、国際協力活動に貢献するには。
その可能性を探るシンポジウムが開催されました。

 12月9日(水)、グローバルカルチャー・コミュニケーション研究科主催の愛知淑徳学園創立110周年・愛知淑徳大学開設40周年記念行事、シンポジウム「大学とNGOとのパートナーシップ形成の可能性」を星が丘キャンパスで開催しました。このシンポジウムは、規模の異なる2つのNPO・NGO団体の方々に活動報告をしていただき、そのお話の中から、大学がNPO・NGO団体とどのように関わることができるかを考える検討会。報告者として「認定NPO ムラのミライ」の竹内ゆみ子氏と「公益財団法人 オイスカ中部日本研修センター」の小杉裕一郎氏の2名をお招きしました。さらにコメンテーターとして「認定NPO 名古屋NGOセンター」の西井和裕氏にご協力いただき、愛知淑徳大学グローバルカルチャー・コミュニケーション研究科のブイ・チ・トルン教授の進行の元、NGO団体と大学との連携の可能性をさぐりました。
 まずは「ムラのミライ」の竹内氏がインドの人々と一緒になって取り組んだ植林活動や水力発電の設置活動について紹介しました。その活動の中で竹内氏は現地の村長に「子どもたちは街に出てしまうと、村に帰ってこなくなる。この問題をどうやって解決したらいいだろう」と問われたことを紹介。この言葉がきっかけで、自分たちの活動拠点である岐阜県高山市もインドの村と同じ若者離れの問題に直面していることにあらためて気づかされたといいます。そこから「ムラのミライ」は高山市の活性化にも力を入れるようになり、いまでは地元のNPO団体を支援する活動をおこなっていると、地域に根ざしたNPO法人としての存在意義を伝えました。
 次に登壇したのは、「オイスカ中部日本研修センター」の小杉氏。「人材育成を通して国際社会に貢献する」というオイスカの活動指針を紹介し、日本で植林について学んだ青年たちが自国に戻り、植林活動を支えている様子を伝えました。その上で小杉氏は「国際協力は、敷居が高いと感じる若者も多くいるかもしれませんがそんなことはありません」と語りかけ、オイスカが力を入れているベルマーク運動や大手スーパーとコラボレーションした募金活動、日本で学ぶ海外研修生をサポートするボランティア活動などを紹介。身近に国際協力につながる活動がたくさんあることを説明し、勇気を出してまずは行動してみることの大切さを伝えました。
 2つの活動報告を受け、コメンテーターの名古屋NGOセンターの西井氏は、「ムラのミライは規模が小さい団体であるからこそ、フェイス・トゥ・フェイスの支援をおこなっていることが印象的でした。それに対し、オイスカの活動は日本や世界各国の植林をおこなうという大規模なもの。それぞれの団体の強みを活かして活動している一方、国内への目の向け方もそれぞれの団体の特色がでているように感じました」とコメント。進行役のブイ教授はそのコメントを受け、「強みや団体の性格を活かして活動を続けている皆さんが、大学に求めることは何ですか?」と話を進めました。小杉氏は「今の時代、NGO団体は国際協力のプロフェッショナルであることが求められます。社会からの期待に応えるためには、大学が持っている学術的な情報が必要です。互いに手を取り合うことで、国際協力がより良いものになっていくと思います」と発言。竹内氏は「若者が少ない高山市にとって、大学生が遊びに来てくれるだけで町の活性化につながります。若者の行動力に大いに期待します」と語りました。西井氏は「新しく立ち上がるNPO・NGO団体が少ないことが今の悩みです。次代を担う皆さんには、ぜひ、新しい活動の場を自ら創りあげてほしいと思っています」とメッセージしました。それぞれの立場から大学と社会との連携を探った今回のシンポジウムから大学の担うべき役割が見えてきました。