追究

2016年03月14日

メディアプロデュース学部 萩原ゼミ プロジェクト成果発表会「Parallel」

メディアプロデュース学部 萩原ゼミ プロジェクト成果発表会「Parallel」

平成28年2月9日(火)~14日(日) 愛知芸術文化センター 地下2階 アートスペースX

メディア表現の枠を越え、新たなアート作品の創造をめざす萩原ゼミが、成果発表会を開催しました。

 メディアアート、映像制作を学び研究している萩原ゼミ。そのゼミに所属する3年生の4人の学生が、1年間チームを組み、映像メディアを使ったアート作品の制作に取り組みました。そして、2月9日(火)から14日(日)までの6日間、「Parallel」と題した成果発表会を、愛知芸術文化センター アートスペースXにおいて開催。会場には4つのアート作品のほか、昨年10月11日(日)に愛知県篠島でおこなわれた「篠島おんべ鯛奉納祭ライティングプロジェクト“ひかりの作品展SIGNAL”」の活動アーカイブ映像も上映し、多くの来場者を楽しませました。学生たちにとってこの展示会の開催は、一年間の活動を振り返り、個々の成長や、チームとして協力し合う大切さなどを実感できる、意味ある挑戦となったことでしょう。

Heart Rate

映像の中の人物がうちわをあおぐと、現実世界の風鈴が鳴る。映像の人物が目を閉じると現実世界のレコードが流れる――。映像と現実世界がリンクした、不思議な異空間が体験できる作品です。

Unicode Emoji

携帯電話で使われる絵文字が、イエロー、グリーン、ピンクなど、さまざまな色で壁に映し出されます。光の三原色の原理を利用し、色を足したり引いたりして投影する表現方法を活用しています。

MEMORING -メモリング-

“過去の思い出を指輪に封じ込めて持ち歩く”をコンセプトに制作しました。円錐の台座が回転し、指輪に埋め込まれた連続した静止画が、明滅した光によっていきいきと動き出します。

いっせーの影絵

一列に並んだ投光器をストロボ点灯させ、ダンサーのシルエットが踊り出す影絵アニメ。篠島でおこなわれたライティングプロジェクト「ひかりの作品展SIGNAL」に出展した作品です。

■萩原ゼミ プロジェクト成果発表会「Parallel」にて展示されました「MEMORING-メモリング-」が、KDCC北九州デジタルクリエイターズコンテストで入選しました!

メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科
メディアコミュニケーション専修 3年

小木曽 護さん

 「MEMORING -メモリング-」では、モーターと基盤を収める台座の制作を担当しました。ゼロから設計図を自分で起こし、3Dプリンターで制作しました。ゼロから苦労してつくった作品を、展示会で多くの人に見てもらうことができて、さまざまなアドバイスをいただけました。その助言を生かし、今後この作品をさらにブラッシュアップさせていきます。

山口 悠希さん

 思い入れのある作品は「Unicode Emoji」です。影をつくり出すための板は、かなりこだわりました。素材は何を使うか、どうやって形を切り出すか、制作期間中は毎日、試行錯誤。また、映し出される影の配置は何度もテストを繰り返して調整しました。細部にまで気を遣って作品をつくりあげた経験を今後の制作活動に生かします。

鈴木 智捺さん

 ポスターやパンフレットなどのデザインを担当しました。展覧会のイメージに合わせて光と影をモチーフに。印刷会社とやり取りしてつくった今回のパンフレットは、多くの人に興味をもってもらえ、デザインも素敵だねと声をかけていただきました。グラフィックデザインの奥深さや魅力をますます感じ、さらに極めていきたいと思えるきっかけとなりました。

佐野 史織さん

 メディア装置のプログラミングを担当しました。初めての経験でしたので、専門的な部分が難しく、独学で調べたり先生に相談したりと努力しました。パソコンでプログラムを書き、機械に記憶させ作動させるという一連の流れには、繊細さと正確性が必要となります。苦労もしましたが、プログラミングの醍醐味を味わうことができました。

メディアプロデュース学科 メディアコミュニケーション専修
萩原健一先生

 今回の展覧会では、3年生がプログラミングや電子工作の技術を駆使して作品をつくり上げました。しかし、それらの技術は、作品を実現させるための手段でしかありません。私の指導では、「コンピュータの中と外」、「機械的なものと物理的・物質的なもの」を結び付け、アート作品としてつくり出すという発想を大切にしています。今回のプロジェクトで学生たちには、まずは映像装置の原理やメディアの歴史などを学んでもらい、そこから自分たちで新しい映像表現を創造するというプロセスを経て、作品づくりに取り組んでもらいました。その作品を広く一般の方々に作品を見ていただける「成果発表展」は、社会とつながることができる最良の場です。専門外からのまったく違う意見などを直接いただくことができるので、学生たちにとってもよい経験になったと思います。このプロジェクトを通じて身につけた力をぜひ、今後待っている卒業制作や進路選択の場面で、大いに発揮してもらいたいと、期待しています。