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2016年04月08日

福祉貢献学部 福祉貢献学科 子ども福祉専攻 主催 学術講演会「持続可能な未来をひらく幼児教育 子どもたちとともに活動しよう」

福祉貢献学部 福祉貢献学科 子ども福祉専攻 主催 学術講演会「持続可能な未来をひらく幼児教育 子どもたちとともに活動しよう」

平成28年3月25日(金) 長久手キャンパス512教室

子どもが主役のスウェーデンの保育を、学生たちは
講演会の中のたくさんの事例から学び取りました。

 3月25日(金)、長久手キャンパスで福祉貢献学科 子ども福祉専攻が学術講演会「持続可能な未来をひらく幼児教育 子どもたちとともに活動しよう」を開催しました。スウェーデンからお招きしたのは、ストックホルム大学 子ども若者研究分野の准教授であるイングリッド・エングダール博士です。世界の中でも、最先端を行くと言われるスウェーデンの保育の現状を知ろうと、子ども福祉専攻の学生をはじめ、保育職に就く一般の方々も多く来場。イングリッド博士はスウェーデン保育で取り組まれている「就学前学校カリキュラム」を紹介し、子どもたちの人間力を高めることにつながる「保育のヒント」を受講者に授けました。
 スウェーデンの「就学前学校カリキュラム」の特徴のひとつは、あるテーマについて半年から1年という長期間にわたって実施されること。もう一つの特徴は子どもたちが主体的にプログラムを展開していくこと。たとえば「生命」をテーマにしたプロジェクトでは、はじめは鶏の卵の絵を描くことからスタートします。このきっかけは保育者が与えますが、その先は、子どもたちの自由。この事例では、子どもたちは「卵からヒナが生まれること」に興味を持ち始め、農場に行って、農家の人にその理由をたずねようと考えついて、行動に移しました。プログラムを紹介しながら子どもたちの行動力やダイナミックな発想力を伝えたイングリッド博士は「子どもたちがプロジェクトを通じて学び、提案していく“生命の大切さ”や“差別の醜さ”などは、大人も学ぶべき人間本来がめざすべきことです。このように、子どもたちの人間性を高める教育こそが、人類が発展し続けるために必要な“持続可能な開発のための教育”なのです」と未来を担う子どもたちへの教育の重要性を訴え、講演を締めくくりました。
 講演終了後は質疑応答がおこなわれ、そこから活発なディスカッションに発展。受講者の一人が、日本の保育現場で取り組まれている環境活動などを提示し、その発言を受けてイングリッド博士が類似するスウェーデンの活動を紹介するなど、有意義な時間となりました。学生からの質問もあり、異国の地の最先端の保育に触れ、「保育者としての視野が広がった」「子どもたちの感性を健やかに育てるヒントが得られた」などの感想が寄せられました。