追究

2017年05月16日

文学部 授業風景 国文学演習(1)上代b

文学部 授業風景 国文学演習(1)上代b

各分野の文学をひもとく専門ゼミナール。
卒業研究に向けて、物語を解釈する力を養います。

 愛知淑徳大学の国文学科では、日本の近・現代文学や古典文学、中国文学などさまざまな文学をひもとく中で、読解力はもちろん、作家の心情を推し量る考察力や相手にわかりやすく発表するプレゼンテーション能力、物事を正確に解釈し端的にまとめる論理的思考力などを鍛えています。3年次からはそれぞれの興味を追究するために、少人数のゼミナールが開講され、専門的知識も養います。そして4年次には専門ゼミナールに所属しながら自らの研究テーマをまとめる卒業論文執筆に取り組みます。今回は3年次からはじまる専門ゼミナールのひとつ、中野謙一ゼミを取り上げ、その授業内容を紹介します。

3年後期「古事記 下巻の輪読」

文学部 授業風景 国文学演習(1)上代b

文学部 授業風景 国文学演習(1)上代b

 中野ゼミの専門は「上代の文学」。上代とは主に文学史上で使われる言葉で、一般的には文献が残されている日本で最も早い時代、奈良時代とその前後を指します。3年次は日本最古の文献である「古事記」の下巻を学生たちが章ごとに輪読。本居宣長の古事記伝など、過去の注釈を参考に学生たちが一人ひとりその内容や語釈(言葉の解釈)をまとめて発表。どのようにしてその解釈に行き着いたのか、学生同士、質疑応答や意見交換を重ねて、理解を深めていきます。ときには、文献の複製を観察して理解を深めることも。この日は、ほぼ同じ登場人物にも関わらず、物語の内容が大きく異なる「日本書紀」の複製版を見て、意見交換。紙までも再現された当時の文献を見ることで、漢字の活用法の違いなど、さまざまな気づきが得られ、ディスカッションが大いに盛り上がりました。

文学部 授業風景 国文学演習(1)上代b

文学部 授業風景 国文学演習(1)上代b

 ゼミでの学びを通じて「まずは正確な事務処理ができるようになってほしい」と語る中野先生。どの文献の、どこを根拠とした解釈なのか、自らの意見を伝えるためにはどんな情報が必要で、その情報はいかにして得ることができるのか。物事を正確に捉え、正確に伝えるために必要な検索能力や探究心など、文学を読み解きながら身につくものが、社会で活躍できる力となります。