追究

2013年12月14日

愛知淑徳大学 交流文化学会 第1回 研究大会

愛知淑徳大学 交流文化学会 第1回 研究大会

2010年度の学部再編で新設された交流文化学部から、2014年3月、第一期生の卒業生たちが社会へと羽ばたきます。彼らが4年間の学修の集大成として完成させたのが、卒業論文。言語コミュニケーション、言語教育、国際教養、社会貢献、観光に関する独自の研究に一人ひとりが力を注ぎました。
その成果を発表する「研究大会」が、12月14日(土)に星が丘キャンパスで開催されました。外部講師による基調講演の後、交流文化学部の4年生約30人や大学院生などが研究を発表。7会場でおこなわれ、参加者が興味のある発表を自由に聴講してまわることができました。2、3年生たちは、専門性の高い研究内容をわかりやすく伝える先輩に憧れのまなざしを向けながら、自分はどんなテーマを追究していくか考えを広げていたようです。この研究大会は今後、学生たちの学修・研究への高い意欲とともに、交流文化学部の伝統として受け継がれていくことでしょう。

第1部:基調講演

一般社団法人 日本経済団体連合会 社会広報本部長 井上 洋氏
「産業界の求める人材・学生像について」

異なるものを理解し、共感する人が、日本経済を、次代を動かす。

 経済産業政策や教育政策の調査・分析などを専門とする日本経済団体連合会の井上洋氏が登壇し、日本の経済発展を支える人材像に関して講演をおこないました。少子・高齢化を乗り越えるためには政府の適切な政策や大胆な改革だけでなく、変化を起こす「若者の力」が必要だと主張。東日本大震災後の円高、重い法人税負担、高騰する電力料金など近年の経済の動きをわかりやすく解説し、日本企業が持つ世界に誇る技術、ソフトウェア、コンテンツ、サービスなどを海外に広げ、日本経済を成長させるためにもグローバル人材が求められていることを強く語りました。「企業が学生に求める力の中でも必須なのが"異なるものを理解し、共感する力"です。他には、主体性、コミュニケーション能力、実行力、チームワーク・協調性、課題解決能力。これらすべてを大学で身につけるのは大変なことですが、意識して日々学ぶと着実に養われるでしょう」と井上氏。海外留学で現地の人たちと交流し、生きた言語や文化にふれる国際的な経験の価値も伝えました。「何かに関心を持つたびに、それを自分の力にしようと努力を重ねる経験が、社会で役立ちます。ぜひ学生の皆さんには何事にも意欲的にチャレンジしてほしいと期待しています」と井上氏は学生へ激励の言葉を送ってくださいました。

2010年度の学部再編で新設された交流文化学部から、2014年3月、第一期生の卒業生たちが社会へと羽ばたきます。彼らが4年間の学修の集大成として完成させたのが、卒業論文。言語コミュニケーション、言語教育、国際教養、社会貢献、観光に関する独自の研究に一人ひとりが力を注ぎました。
その成果を発表する「研究大会」が、12月14日(土)に星が丘キャンパスで開催されました。外部講師による基調講演の後、交流文化学部の4年生約30人や大学院生などが研究を発表。7会場でおこなわれ、参加者が興味のある発表を自由に聴講してまわることができました。2、3年生たちは、専門性の高い研究内容をわかりやすく伝える先輩に憧れのまなざしを向けながら、自分はどんなテーマを追究していくか考えを広げていたようです。この研究大会は今後、学生たちの学修・研究への高い意欲とともに、交流文化学部の伝統として受け継がれていくことでしょう。

第2部:研究発表

研究発表 PICK UP

交流文化学部 4年<br /><br /> 「一女児3歳7・8ヶ月における日本語の動詞と形容詞」

 あるひとりの女児の1歳のときと3歳のときの自然な会話を記録し、使っている動詞や形容詞を分析。言葉の種類や数がどう増えていったのか、言語発達の過程を探りました。1歳児ではひとつの単語しか発せず総発話数が112回だったのに対し、3歳になると総発話数が2132回になり、動詞の種類も増加。日常生活に必要な単語だけでなく、感情、思考、文化、判断など精神生活面での語彙も習得していました。言葉の発達から、女児が広く物事を捉えられるようになるなど、心の成長を読み解く研究になりました。

交流文化学部 4年「与格構文における前置詞toとforの選択 ―動詞writeに関する研究―」

 「John gave a book to Mary.」「John bought a bag for Mary.」のような第3文型(SVO)に相当する前置詞つき構文は与格構文と呼ばれています。「John gave Mary a book.」「John bought Mary a bag.」のような第4文型(SVOO)に相当する二重目的語構文は、前述の与格構文に書き換えられると言われるが、果たして正しいのか。前置詞がtoの「give型」動詞とforの「buy型」動詞の分類や言語研究のデータベースを用いて分析し、「write」の前置詞が目的語名詞によってどう変化するのかも探りました。

交流文化学部 4年「英語コロケーションとその英語教育への利用」

 「コロケーション」とは、文や句における単語の「よく使われる組み合わせ」「慣用的なつながり」のことであり、その仕組みに関する研究が数多くなされています。英語教育や第二言語の習得にも役立つと示唆する文献が多いことに着目し、英語コロケーションを英語教育にどう利用できるか考察。「英語コミュニケーションⅠ」の教科書をコロケーション学習の視点で分析し、英語教員がコロケーションに敏感になり、基本的な単語の組み合わせを生徒たちにわかりやすく示すことの重要性を伝えました。

交流文化学部 4年「日本人が英語を学ぶ意義」

 世界の共通語といわれる英語を日本人はただ学ばされている状況にあるのではないか? その疑問を投げかけるこの研究では、学生がどのような意識で英語学習に取り組んでいるのかを探りながら、国際社会での英語力による格差、社会公用語として英語が使用される大手企業の現状などを調査しました。英語によって多様な国の人と交流し、新たな価値観を知ると自分の世界が大きく広がる、つまり「英語を学ぶことは、もうひとつドアを開けること」と考察し、主体的な英語学習を促す研究となりました。

交流文化学部 4年「中国語の外来語から見えるもの」

 グローバル化が進む中、世界各国で他国からの外来語が日常的に取り入れられています。中でも中国語はその言語のあり方から外国語の受容に特徴があり、同じ漢字圏である日本からの外来語は他言語の外来語よりも受け入れられ、特別な存在となっています。この研究では、中国における近代と現代の日系外来語を比較し、中国人の日本文化に対する考えを分析。数多くの日本語が中国で受け入れられている現状から、中国の人々が日本を理解しようとする姿勢を読み取り、日中交流の変化を考察しました。

交流文化学部 4年「言語文化研修(英語海外研修)

 2年次の夏、サンディエゴ州立大学で1か月間の語学研修に参加しました。アメリカの西海岸に位置するサンディエゴはロサンゼルスに次ぐ大都市であり、州立大学は世界各国から留学生が集まる総合大学。そこでグループワークなども交えて英語を実践的に習得し、アメリカ文化についても学びました。またホームステイ先ではホストファミリーとの時間を大切にし、英語でのコミュニケーションの楽しさを実感。語学力をもっと伸ばしたいと意欲が高まり、学生生活をより充実させるきっかけになりました。

交流文化学部 4年「お土産による地域ブランディングの可能性」

 観光者向けに販売されているお土産によって、地域ブランドをどう高められるのか、研究しました。実際に名古屋駅のお土産ショップにて愛知・名古屋のお土産商品のラインナップを調査し、さらに地元に根づいたお菓子メーカー経営者へのインタビュー、お土産購入に関するアンケート調査などを実施。その結果から、見せかけの地域性ではなく、その地域の名産品や独自の食文化などを伝えるお土産を広めることが、各地域の魅力のアピールにつながり、地域ブランディングとして機能すると考察しました。