追究

2014年01月24日

文学部 教育学科 第5回 浅田ゼミ演奏会

文学部 教育学科 第5回 浅田ゼミ演奏会

音楽を通して豊かな表現力や感性を磨いている文学部 教育学科の浅田ゼミ。音楽と学校教育や子どもたちの成長の関わりをテーマに学び、教育者として、社会人として求められる人間力の向上をめざしています。もちろん声楽や楽器演奏など、音楽技術の向上も大きな目標のひとつ。その学びの集大成として、1月24日(金)に演奏会が開かれました。5回目を迎える今年は、名東文化小劇場でおこなわれ、訪れた教育学科の学生や教員、浅田ゼミのゼミ生のご家族や友人の皆さんに感謝の気持ちを込めて、学びの成果が披露されました。

ゼミ生一人ひとりが助け合い、目標に向かって練習を重ね、演奏会をつくり上げました。

 第1部、第2部では学校教育に欠かせないピアノ演奏と管楽七重奏がおこなわれました。学生たちは誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々を二人一組になって連弾。二人だからこそ奏でられる多くの音が重なりあい、ひとつの音楽として観客に届けられました。観客は笑顔を浮かべ、曲の世界観を楽しんでいるようでした。
第3部では4年生による共同研究の成果が発表されました。研究のテーマは新美南吉の「手ぶくろを買いに」です。生誕100周年を迎えたばかりであり、また学校教育で教材として取り上げられていることから多くの人に馴染みがあるという理由で選ばれました。新美南吉や物語についての考察が3人の学生によって口述発表され、その後、音楽劇がおこなわれました。子ぎつねや母ぎつね役の学生が、一つひとつのセリフを大切に観客に語りかけ、ゼミ生全員での合唱では、物語のテーマである親子愛を、音楽の力を借りて優しくも力強く訴えていきました。そして、最後にはひとつの曲を演奏者がリレー形式で演奏する「踊れ!ヨーロッパ」と題されたピアノ曲が披露され、会場からは暖かな手拍子が送られました。
音楽の持つ優しい力とゼミ生同士の絆の強さが伝わった演奏会は、ゼミ生や観客の笑顔を生み出す素敵な時間となりました。学生たちにとって、ひとつの演奏会をつくり上げた経験は、次のステップへ力強く進む原動力となることでしょう。

浅田ゼミ代表 文学部 教育学科 4年 吉田篤史さん

 この発表会のために、音楽が得意なメンバーはそうではないメンバーを自主的にフォローし、ゼミ生同士助けあいながら練習を重ねてきました。ベストな演奏ができるように、お客さまに楽しんでもらえるようにと、全員が同じ気持ちで今日まで努力を続けられたことは、大きな誇りです。音楽を通して学んだ仲間と心をひとつにする力は、教育現場や社会で活躍するときに大きな強みになると思います。私も小学校教諭として、子どもたちに得手不得手にかかわらず、ひとつの目標に向かって努力することの大切さを伝えていきたいと思います。

文学部 教育学科 浅田まり子准教授

 音楽はまるで人生のようだと思います。自分を律し正確にリズムを刻むこと、相手を思いやり素敵なハーモニーを生み出すこと、決して努力を怠らずひとつの音楽をつくり上げて観客に届けること。これらは音楽に求められる要素です。そして社会で活躍するときに必要な力だと思います。音楽を通して、社会を力強く生き抜く力を身につけた学生が、自分自身も楽しみながら、音楽の持つ力を子どもたちに伝えてくれたら......。教師を育てる教育者として、これ以上の喜びはありません。学生はきっと、社会で大いに活躍してくれることだろうと、期待しています。