追究

2014年02月20日

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクトⅠ

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクトⅠ

学部の枠をこえ、学生たちが企業・団体との協働に力を尽くします。

 星が丘キャンパスを拠点とする交流文化学部とビジネス学部の学生が学び合い、共に成長をめざす教育プログラム「星が丘キャンパスモデル」。その取り組みのひとつである「星が丘モデルプロジェクト」は、協力企業・団体から提示された課題に対し、実社会に即した問題解決や企業・団体の発展につながる提案をする活動です。

 2013年度の星が丘モデルプロジェクトは、9月に実施したキックオフ・ミーティングを皮切りにスタート。両学部の学生39名が6つのグループに分かれ、協力企業・団体の株式会社ケイ・クリエイト、株式会社キタガワ工芸、港まちづくり協議会の方々と課題について話し合いました。
春休み期間である2月には、4日間にわたって集中講義「星が丘モデルプロジェクトⅠ」が開講されました。一人ひとりが主体性を発揮しながら仲間や協力企業・団体の方々と協働できるよう、ビジネスマナー講座や課題に関するミーティングなどを実施。2月19日には企業訪問、20日には目標設定をおこない、11月の最終報告会までの道筋を明確にしました。

現場の課題を明らかにし、仲間と解決策を探る足掛かりを得ました。

 港まちづくり協議会を訪れたのは、2つのグループ。A班は「社会貢献事業における慢性的な人材不足の理由とその解決策の提案」という課題を、B班は「提案公募型事業に応募するつもりで新たな『港まちづくり』事業を提案」という課題に取り組みます。学生たちは事務所に到着後、協議会の方々と名刺交換をおこない、ビジネスパーソンとしての立ち振舞いも体験的に学びました。
それぞれのグループはまず事務局次長 古橋敬一氏に質問。学生は「グループでの話し合いでNGO団体の慢性的な人手不足は、団体の認知度の低さに関連しているのではないかという意見が出ました。そこで現在、港まちづくり協議会ではどのようなプロモーション活動をおこなっているのか教えていだたきたいと思います」と問いかけました。古橋氏は広報活動に人員を割けず、団体のPRに力を入れられない現状を説明。さらに、港まちづくり協議会が抱える人材不足の問題点や求める人材像、インターンシップに関する考え方、今まで実践した『港まちづくり』事業、街の活性化につながった事例、港区が抱える課題...など多岐にわたる話を伺うことができました。

 ビジネスシーンさながらの本格的な議論ができた学生たちは、最後に感想を発表。「あらかじめイメージしていた答えと違った回答をいただくこともありました。自分たちの意見を伝え、相手意見を引き出す話し合いの大切さを実感しました」と充実感に満ちた表情で古橋氏に伝えました。古橋氏は「学生ならではのアイデアに期待しています。共に考え、悩み、より良い提案につなげていきましょう。ぜひみなさんの若い力を貸してください」とエールを贈ってくださいました。
課題解決のキーワードが次々と飛び出した今回の企業訪問。今後、学生たちは3年次から始まるサブゼミでさらに自分たちの提案を具体化し、プロジェクトを進めていきます。今回の訪問は、企業・団体への理解を深めることはもちろん、社会人として働くことの責任感や意義を感じられる貴重な機会になったことでしょう。

グループごとに活発に意見交換し、プロジェクト実施に向けて目標を再確認しました。

 「星が丘モデルプロジェクトⅠ」の締めくくりとしておこなわれたのが、「チーム意識の向上」と「計画の作成」。グループの目標を仲間と共有し、実践を積み重ねていくための基盤づくりにチーム一丸となって取り組みました。
学生たちが模造紙に書き出したのは、今回の集中講義で得た気づき、グループがめざすゴール、目標実現に必要なもの、今後のプラン。チューター役を務めるNPO法人アスクネットの方々が学生たちの考えを引き出すアドバイスをしてくださり、どのグループも活発に意見を交わしていました。
そして授業やゼミで培ったプレゼンテーション能力を活かし、グループごとに設定した目標を発表。それぞれの思いやビジョンが形となり、プロジェクトの本格始動に向けて確かな一歩が刻まれました。

各グループの課題と目標

■株式会社ケイ・クリエイト〈情報誌・折込広告などの制作、地域活性化イベントの企画・実施など〉
A班 「地域密着型のフリーペーパーを発行している会社として、今後どのように情報発信していくか」

目標:「地域になくてはならない存在」になるための「発信の仕方」を考える!
地域の人々により必要とされる情報誌を生み出すには?この疑問から出発したA班は、「紙媒体」「Web媒体」の両方を活かす情報発信を模索。地域のニーズを把握するためにアンケート調査をおこない、他社のWeb事業などに関する情報も収集・分析する計画です。企業の強みを打ち出す提案に力を注ぐことを明言していました。

B班 「総合メディア企業として、今後、地域で必要とされ続ける会社になるための戦略立案」

目標:読者の「あったらいいな」をカタチにする!
読者である地域の人々が求める情報発信の戦略立案に努めるB班。読者、クライアント、ケイ・クリエイト、この三者のつながりを強くすることを重視しました。総合メディア企業の成功事例や他地域のフリーペーパーの調査、読者へのヒアリング調査などを実施し、社会貢献の視点からも調査をすすめていく計画を立てました。

■株式会社キタガワ工芸〈商業施設内の装飾の企画・設計・製作・施工など〉
A班 「キタガワ工芸がさらに成長を遂げるためにとるべき戦略の立案」

目標:「社長の思い」をカタチにする!
ディスプレイに必要な装飾品の一貫生産というキタガワ工芸の強みを広くアピールすること。社員一人ひとりのモチベーションをさらに高めること。この2つに力点を置き、競合他社について調査していくA班。現実社会に即した提案をめざし、企業の発展や社員の成長を願う社長の思いに応えたいと意欲に満ちていました。

B班 「女性社員が活躍するために実行可能なプランの提案」

目標:めざせ!女性活躍企業!
結婚や出産を経ても働きやすい社内環境を整えることは、女性・男性問わず社員がよりイキイキと仕事に励む活気のある職場作りにつながるはすでしょう。そこでB班は、産休・育休など企業の制度に関する情報を収集するだけでなく、社員の方々へのヒアリング調査も検討。「女性が活躍できる企業」のあり方を明らかにしていく道筋を明確にしました。

■港まちづくり協議会〈住民と行政との協働によるまちづくり事業〉
A班 「社会貢献事業における慢性的な人材不足の理由とその解決策の提案」

目標:まちづくり系事業の人材不足を解決するプロモーション方法を考案する!
人材の確保に苦戦している港まちづくり協議会の現状をふまえ、A班はまず、まちづくり系事業への理解を深めることを重視。「まちづくりの現場で求められている人の特長を、言葉で説明すること」を目標に、協議会が主催するイベントでの実地調査や文献調査に取り組み、求人のミスマッチを防ぐ施策の考案に尽力していきます。

B班 「提案公募型事業に応募するつもりで新たな『港まちづくり』事業を提案」

目標:港に吹く「新しい風」となるプランを提案する!
港区の魅力を掘り起こし、まちづくりに活かしていくことを考えたB班。地域の歴史や文化、自然を知るために、人の住む住宅街や、多くの人が働く企業が集中するエリアなどのフィールドワーク、名古屋みなと祭などのイベントの主催者・参加者へのヒアリング調査をおこない、「地域の人々がもっと笑顔になる」事業の提案をめざしていきます。

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