追究

2014年05月22日

交流文化学部 交流文化学科専門教育科目「観光文化9(観光交流論)」 情報収集力・発信力を学ぶ

交流文化学部 交流文化学科専門教育科目「観光文化9(観光交流論)」 情報収集力・発信力を学ぶ

地域情報を発信する雑誌編集長やアナウンサーに、
観光の仕事に必要な「情報を活用するチカラ」を学びました。

 日本が成長戦略のひとつとして掲げている「観光立国・地域活性化」。国内外の人々が各地域を行き交うことは文化的、経済的な効果をもたらし、地域を、日本全体を、より元気にします。そしていまや、自治体や旅行業界にとどまらず、あらゆる業界で働く人、地域で暮らすすべての人が観光の担い手となっています。こうした新たな観点から「観光」を追究するのが、交流文化学科専門教育科目「観光文化9(観光交流論)」。担当教員の林大策先生は、地域の人が主体的にまちづくりを考えるとともに、地域を訪れる側の人たちも、地域の人とともに地域の魅力を作り上げていく「観光交流」という新しい観光や旅の事例を取り上げ、学生と共に日本の観光を深く考察しています。5月15日(木)、22日(木)におこなった授業のテーマは「情報収集力・発信力を学ぶ」。地域情報を発信する雑誌編集長とアナウンサーをゲストスピーカーとしてお招きし、林先生が質問を投げかけながら講演を進行。受講した交流文化学部の学生たちは、貴重なお話の数々に熱心に耳を傾けました。
メディア業界の第一線で活躍するお二人に共通していたのは、インプット能力の高さ。学生は、情報を得るためには、自ら行動を起こして人と関わり合い、経験を重ねることが大切だと実感していました。「観光」の現場においても、情報収集力と情報発信力は問われます。この授業で重要性が伝えられた「情報を活用するチカラ」を、今後の学修や研究、国内外でのさまざまな活動を通して一人ひとりが身につけていくことでしょう。

5月15日:ゲストスピーカー
株式会社ゲイン KELLy編集長 山田賢治さん

ターゲットを意識して情報と向き合うことから、人を惹きつける「おもしろい雑誌」が生まれます。

 「地域情報発信」を軸に雑誌編集、イベントやカフェの企画・運営など、さまざまな事業に取り組む株式会社ゲイン。その主力雑誌である女性雑誌『月刊KELLy』の編集長である山田賢治さんは、仕事風景の写真を見せながら「情報を伝えることでムーブメントを生み出す」雑誌づくりの魅力を語りました。
昨年1年間の『KELLy』の特集内容をクイズ形式で紹介し、山田さんは雑誌編集のポイントを「ターゲットを明確に捉えること」と明言。「『KELLy』のメイン読者として設定しているのは、28歳の女性。不特定多数の人を対象にしたテレビやウェブよりも、雑誌はターゲットの志向やライフスタイルなど細かいところまで設定し、独自性の高い"尖ったモノ"を制作できます。かつて、雑誌から"ちょいワル"などの言葉が生まれたように、尖った雑誌は新たな文化をつくることができる。そんな誇りを持って日々の仕事に取り組んでいます」と語りました。
質問タイムには、学生が「女性をターゲットにした雑誌を、男性としてどう制作しているのですか?」と聞くと、山田さんは「女性の目線に立って雑誌を編集する一方で、男性として"こんな28歳の女性は素敵だな"と思うことを情報として発信しています。街に出て、人に会って、"自分のフィルター"を通した情報には、説得力があります。何事も、まずは自分の感性を軸に情報を取捨選択した上で、視野を広げていくことが大切ではないでしょうか」と回答。学生はフィールドワークや地域活動、海外研修などを通して学んだ「さまざまな場所に足を運び、人と言葉を交わすこと」の大切さをあらためて実感しました。

5月22日:ゲストスピーカー
東海テレビ放送株式会社 アナウンサー 宮沢桃子さん

さまざまな「違い」を持つ人々との交流が、「生きのいい情報」との出会いにつながります。

 平日の9時50分から生放送で放映している地域情報番組「スイッチ!」の司会・進行を務める、東海テレビ放送のアナウンサー、宮沢桃子さん。テレビ番組制作の裏側、雑誌と連動して展開しているファッション企画、東海エリアでのロケなどについて、写真を見せながらエピソードを交えて紹介しました。
学生が特に目を輝かせて受講したのが、宮沢さんによる「アナウンサー講座」。間違いやすい助数詞やアクセントを披露すると、驚きの声をあげながら話し言葉を学びました。「アナウンス原稿を読むとき、事前にその内容を理解していないと、"伝わる言葉"を話すことはできません。アナウンサーとして日頃から心がけているのは、"鮮度の良い情報"を入手し、知見を広げること。世代や職種などさまざまな"違い"をこえて人に出会い、言葉を交わすことを大切にしています。今までに30カ国以上を旅しましたよ」と宮沢さん。自ら行動し、経験を通して得た情報の「強さ」、観光業界の仕事にも通じる情報収集の重要性を語りました。
講演の締めくくりとして、「この授業は質問力を磨くことをひとつの目標にしています。疑問を持ち、解決することで、情報収集力・発信力を鍛えましょう」という林先生の言葉に応えるように、学生は積極的に宮沢さんに質問。笑顔を絶やさず的確に答える宮沢さんの姿からも、対話を重ねた経験が、情報収集力・発信力の向上につながることを、学生は学び取っていました。