追究

2014年10月03日

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクトⅡ 中間報告会

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクトⅡ 中間報告会

平成26年8月28日(木) 星が丘キャンパス15A教室

地元企業と協働し、課題に挑む学生たち。
その成果を中間報告し、より良い提案のヒントを伺いました。

 星が丘キャンパスを拠点とする交流文化学部とビジネス学部の学生たちが6名前後のチームを組み、同じ課題に取り組みながら専門性を深めていく「星が丘モデルプロジェクト」。2013年の9月からスタートし、約1年掛けておこなうプロジェクトでは地元企業の方々にご協力いただき、学生たちはそれぞれ担当の企業から出された課題を解決するための戦略を提案していきます。研究成果を発表する最終報告会が開催されるのは、大学祭2日目の11月2日(日)。この日の発表のために、学生たちは企業訪問、社員の方々へのヒアリング、顧客満足度調査などをおこない準備を進めています。そして、最終報告会約2カ月前の8月28日(木)には中間報告会を開催。スーツ姿の学生たちが企業の方々の前で堂々とプレゼンテーションをおこないました。会場からはたくさんの質問や貴重な意見が飛び交い、学生たちにとって最終報告会に向けてさらに提案内容を深めていく、学びの場となりました。

株式会社ケイ・クリエイト
<情報誌・折込広告などの制作、地域活性化イベントの企画・実施など>

A班
課題:これからの時代に求められる地域情報発信のあり方を考える

 学生たちは稲沢市と一宮市で約70名の方を対象におこなったアンケート結果から、「愛読者は多くいるが、添付されているクーポンはあまり利用されていない」という問題点を発見。課題をクリアにした上で、競合媒体に勝つためには広域を対象とするフリーペーパーではカバーできない地域の情報を発信していくことが必要だと提案しました。具体的には、地域でおこなわれるお祭りなどのイベントを誌面上に掲載することで広告主と消費者をつなげ、「地域の人が地域でお金を落とすきっかけづくりを担う紙面に成長させる」というアイデアを発表しました。徹底したリサーチに取締役会長加藤氏も「アンケート結果がわかりやすくまとめられていて説得力があった」と学生のフットワークの軽さに驚いた様子。社員の方々からも具体的なアドバイスを受け、最終報告会に向けてより具体性のある提案のヒントを得たことでしょう。

B班
課題:ケイ・クリエイトが今後地域に求められる会社になるための戦略の提案

 学生たちは、実際にケイ・クリエイトが発行しているフリーペーパー・くれよんに広告を出しているクライアントにインタビューを実施。整体院と喫茶店の2店舗に出向き、「くれよん」に対する本音を聞き出しました。そこからわかったことは、くれよんに対する地元企業からの厚い信頼。一方で読者の声を集めると、他誌と差別化できていないことがわかりました。そこで紙媒体は消費者にくれよんを愛読してもらうことに特化し、Webは利便性を重視して細やかなサービスを展開していくという、媒体の特性を活かした提案をしました。クライアントの率直な意見は、加藤氏をはじめ、社員の皆さんにとってとても貴重なものになったよう。「まだまだこれから具体的なアイデアになっていくのだと思います。最終報告会を楽しみにしています」と、期待のこもった言葉をいただきました。

港まちづくり協議会
<住民と行政との協働によるまちづくり事業>

A班
課題:社会貢献事業の慢性的な人手不足を解消するための対策の提案

 学生たちはまず、課題を明確に定義づけることからスタート。「社会貢献事業における人材不足」とは何かを話し合い、「NPO団体において、人材不足の解決と人材雇用が増えることはイコールではない」という結論に至りました。活動内容が多岐にわたっているNPO団体は、それぞれ人材に対するニーズも異なるという視点から、すべてに対応するのは困難であることも、話し合いや港まちづくり協議会への訪問を重ねてクリアに。その上でNPO団体の共通する課題である「資金面」「広報面」に関する提案をしました。特に広報面の提案では、NPO団体について市民に知ってもらうことが大切とし、大学が仲介役として、NPO団体と市民や企業をつなぐプランを発表しました。港まちづくり協議会の古橋氏は「社会貢献活動全体に対するスケールの大きな課題ですが、自分たちで定めた切り口を今後どうやって深めていくのか、期待しています」とエールを送りました。

B班
課題:提案公募型事業に応募するつもりで新たな『港まちづくり』事業を提案

 港まちづくり協議会が市民の方々から新たな事業のアイデアを得るチャンスや事業の担い手を呼びこむ機会として位置づけている提案公募型事業に申し込みをするつもりで、学生たちは街の活性化につながるプランを立案。港区民へのヒアリング調査の結果から「防災訓練」に関する事業を発表しました。実際に釜石市の小学校の取り組みを紹介しながら、「小学生を対象にすることで、災害時に復興の中心世代となる30代、40代の保護者を巻き込むことができる」とアピール。愛知県内の小学校を対象に、自分たちのプランを実現できるかという電話調査もおこない、内容の濃いプレゼンテーションをやり遂げました。発表を受け、星が丘モデルプロジェクトのコーディネーターを務めているNPO法人アスクネットの白上氏は、「子どもたちの心に寄り添った防災訓練の内容を精査する必要があると思います」と教育に関わるNPO団体での活動経験を交えてアドバイスを送りました。

株式会社キタガワ工芸
<商業施設内の装飾の企画・設計・製作・施工など>

A班
課題:キタガワ工芸がさらに成長を遂げるためにとるべき戦略の立案

 デザインから生産まで一貫して手がけているキタガワ工芸の強みを最大限に発揮し、企業がより成長するためのプランを提案しました。プラン内容は大きく4つ。「ネット販売の開始」「アンテナショップの開設」「販路の拡大」「木工教室の開始」です。それぞれ、市場ニーズとキタガワ工芸のワンストップ生産の強みを活かしたプランになっており、アンテナショップの開設は、ビジネスパートナーになる企業にも、一般消費者にも、多様なデザインに対応できるキタガワ工芸の魅力を伝える場になるとして発表しました。担当教員である大塚先生は「一つひとつのアイデアは明確になっていますが、さらに提案を深めるためには全体を一つにくくるテーマが必要になります。提案の軸を見つけることで、より深みのある成長戦略に育ててください」と次のステップに進むためのきっかけとなるヒントを提示しました。

B班
課題:女性社員が活躍するために実行可能なプランの提案

 女性社員がキタガワ工芸でイキイキと働ける環境づくりを提案するのがこの班のミッション。「出産・育児時の継続就業意識」や「パートタイムとして働く理由」など、労働に関する女性の意識調査データを読み解き、さらにキタガワ工芸で産休・育休を取得中の女性社員にヒアリングをおこなうことで、プランを成熟させました。学生たちは具体的に仕事と育児の両立を考える女性社員像をモデルとして設定し、女性のニーズに合わせて働き方を提示する仕組みづくりを発表。さらに、働き方について女性社員自身が話し合うプロジェクトチームの発足もあわせて提案しました。北川社長からは「女性社員の活躍が、ダイレクトにキタガワ工芸の発展につながると考えています。皆さんからの提案を、ぜひ実現したいと思います」という力強いお言葉をいただき、学生たちにとって最終報告会に向けての原動力となったことでしょう。