追究

2015年01月15日

交流文化学部×ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクト最終報告会

交流文化学部×ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクト最終報告会

平成26年11月2日(日) 星が丘キャンパス 1号館5階15B教室

学部の枠をこえ、学生たちが企業やNPOと協働。
課題解決に向けて、全力で走り抜きました。

 星が丘キャンパスを拠点とする交流文化学部とビジネス学部の学生が取り組む「星が丘モデルプロジェクト」。協力企業・団体から提示された課題に対し、実社会に即した問題解決や企業・団体の発展につながる提案をおこなう活動です。2013-2014年度の星が丘モデルプロジェクトには、両学部の学生39名が参加。昨年9月から6つのグループに分かれ、株式会社キタガワ工芸、港まちづくり協議会、株式会社ケイ・クリエイトとの協働に力を注いできました。学生たちは日々の授業やゼミ活動で修得した知識やスキルを活かし、ヒアリング調査やアンケート調査、ディスカッションなどを実践。自ら考え、仲間と意見を交わし、行動を起こして、協力企業・団体の課題解決に向けた提案をまとめ上げました。
 そして、活動の成果を披露する最終報告会が、約1年後の11月2日(日)に開催されました。企業・団体の方々や各学部の教員、チューターとして学生たちをサポートしたNPO法人アスクネットの方々が見守る中、グループごとに力強くプレゼンテーション。自分たちの足で現場を訪れ、実社会に即したデータや生の声を集め、分析、考察した結果を、説得力のあるプランとしてカタチにしました。発表後、学生たちは仲間と共に達成感を噛みしめながら、向学心をさらに強くしました。
 星が丘モデルプロジェクトを通し、ビジネスの現場や地域社会の課題を見つめ、具体的な解決策を提案した学生たち。「社会で自分を活かし、働くこと」「地域社会の一員として行動を起こすこと」への考え深め、次代を担う人へと着実に成長していくでしょう。

各グループの最終報告

株式会社キタガワ工芸
〈事業内容:商業施設内の装飾の企画・設計・製作・施工など〉
A班「さらなる成長を遂げていくための戦略立案、提案」

 時代の変化を素早くキャッチし、改革をしながら新しい物をつくり出すキタガワ工芸の企業姿勢に着目し、企業向け事業だけではなく一般消費者向け事業の強化を提案。販路拡大や地域密着型の新規事業でビジネスチャンスを広げ、それを継続的な成長の力にしようと考えました。具体的には、オーダーメイドや高品質という強みを広く伝えるための「アンテナショップの開設」、一般消費者向けの拡大にともなう「家具のブランド化」、ハウジングセンターでの「DIYイベントの開催」を考案。北川社長からは「各提案のコストを算出すると、より現実的な提案になったと思います。社内で実践していくにあたり、今後も学生の皆さんに協力していただけると幸いです」と、新たな取り組みの原動力となるコメントをいただきました。

B班「目指せ、女性活躍企業!」

 「女性が働きやすい会社」「女性が活躍できる会社」になるにはどうすればいいか。その課題について「業務の引き継ぎや緊急時の対応をスムーズにするための情報共有の工夫」「職場環境を向上させるための女性プロジェクトチームの発足」「女性が働きやすい企業であることを対外的にアピールすること」という3つの対策を提案しました。そのベースとなったのが、従業員へのヒアリング。調査・分析を重ねた結果、男女ともに仕事と育児・介護の両立がしやすい企業になることが、これからの時代において重要であるという考えに至りました。キタガワ工芸経営企画室の水口様からは「学生の皆さんとプロジェクトに取り組み、企業に勤める女性として、自分自身の働き方も見つめ直すことができました」とのコメントもいただき、高い評価を得ることができました。

港まちづくり協議会
〈事業内容:住民と行政との協働によるまちづくり事業〉
A班「NPOの人材不足をどう解消するか」

 さまざまなNPOが抱える問題の中でも「共通の問題点」の解決を、人材不足解消のための基盤にしよう――こうした考えのもとヒアリング調査をおこない、多くのNPOが大きく分けて「資金」「広報」という2つの課題に悩んでいることを明らかにしました。その上で提案したのが、仕事のスキルを無償でNPOなどに提供する活動「プロボノ」の拡充と、大学がNPOの窓口となること。企業・個人や大学、学生をより活用することにより、NPOの人材不足の根本を解決すると結論づけました。港まちづくり協議会の古橋氏は「課題解決に向かう学生の皆さんの発想や行動力に感心しました。"ピンチはチャンスになる"という希望を感じる提案でした」と学生たちの健闘を称え、地域活性化には若者のパワーが必要であることを語りました。

B班「みなとまちビジョンブックをベースに提案公募型事業のアイデア創出」

 名古屋市港区のまちづくりに関する新規事業の提案に挑みました。ヒアリング調査の結果、住民の方々の災害への不安や防災対策への関心が高いことが判明。そこで「防災知識が身につく学生による防災イベント~自分の身は自分で守ろう~」を発案し、岩手県釜石市の事例を参考に、小学生と保護者を対象とした防災イベントを考えました。その内容は、災害救援や防災力向上などを専門とするNPOによる地震に関する講座、避難シミュレーションゲーム、非常食づくり、参加者同士の話し合い。詳細な広報手段や事業の運営体制、収支計画も発表すると、港まちづくり協議会の古橋氏から「ぜひ提案公募型事業に応募して実現してください」とコメント。地域のニーズに即した提案が評価され、学生たちは晴れやかな笑顔を浮かべました。

株式会社ケイ・クリエイト
〈事業内容:情報誌・折込広告などの制作、地域活性化イベントの企画・実施など〉
A班「これからの時代に求められる地域情報発信のあり方を考える」

 ケイ・クリエイトが発行する地域密着型フリーペーパー『くれよん』を核とし、地域情報発信のあり方を考えました。目標としたのは2つ、「『くれよん』のターゲットを広げ、より多くの人に愛されるツールにすること」「地域の方々、企業や店舗、ケイ・クリエイトの関係を強め、より活用される『くれよん』にすること」。デートプラン、女子会プランなど若者向けの特集を組み、表紙のデザインも一新するなど具体的に提案。さらに、需要予測や混雑時対応など各店舗のニーズに合う情報を提供する、WEBと連動したスケジュールシステムも考案しました。池戸社長からは「学生の皆さんが多角的な視点で考え、新たなアイデアを提示してくださり、感謝しています」と継続して協働していきたいとの意向が語られました。

B班「地域に必要とされるメディア企業へのロードマップ」

 読者(地域の方々)、企業・店舗、ケイ・クリエイト、この3者の双方向的な関係を強化し、一宮のまちを活性化させたいと考えた学生たち。ケイ・クリエイトが導入を検討しているポイントカードシステムを活用し、地域密着型フリーペーパー『くれよん』からの新規来店者をリピーターへとつなげていく提案をしました。「全店一覧ページ」「新規店特集ページ」をつくって情報をより的確に発信し、さらにデータベース構築の必要性も訴求。ポイントカードをICカードにして顧客情報などを一括管理することにより、読者と企業・店舗それぞれにメリットがもたらされることを説明しました。池戸社長は「全社員にもプレゼンテーションしてほしい、素晴らしい内容」と絶賛し、学生たちは確かな手ごたえを感じました。