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2015年03月23日

教育学会主催 子どものためのミュージカル「眠り姫」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「眠り姫」

平成27年2月12日(木) 長久手文化の家 森のホール

教育学科の4年生がミュージカルをつくり上げ、「思いやりのこころの大切さ」を子どもたちに伝えました。

 小学校の教員には、言葉、音楽、身体運動、造形などの表現力や、指導力、企画力、実践力などのさまざまな力が求められています。教育学科では、こうした力を総合的に養うために「総合表現」の授業を4年次に開講し、教員の指導・支援のもと、総合的な表現活動であるミュージカルづくりを学生主体で学びます。ミュージカルの題材や構成の検討からキャストのトレーニング、演出、美術、照明、振付まで、学生たちが役割分担をしながら互いに力を合わせて取り組みます。
 この授業の履修者が中心となって、子どものためのミュージカル「眠り姫」をつくり上げ、教育学会が主催する活動のひとつとして2月12日(木)に長久手文化の家の大ホールで上演しました。招待したのは、長久手市内の小学校6校の子どもたち。学校教育体験や教育実習、ボランティア活動などでお世話になった感謝の気持ちを伝えたい、その一心で学生たちは準備や練習に励んできました。

 メルヘンの世界観を表現したカラフルな舞台装置や衣装、キャストの伸びやかな歌声やダイナミックなダンス、管楽器や打楽器などによる抒情豊かな演奏、ドラマチックな展開を盛り上げる照明...。ステージには学生たちの約1年間の努力が結集し、壮大なミュージカルが見事につくり上げられました。見どころは、魔女・マレフィセントと人々が素直な気持ちを伝え合い、和解するシーン。思いやりのこころの大切さ」を、学生たちの熱演を通して子どもたちの心に力強く届けました。
 大盛況のうちに閉幕となった、子どもたちのためのミュージカル「眠り姫」。この上演の成功をめざして仲間と互いの個性や能力を活かし合った経験は、教員となる学生たちにとってさらなる成長のきっかけとなり、かけがえのない思い出として一人ひとりの心に熱く刻まれたことでしょう。

オーロラ役(ダブルキャスト)

 「子どもたちが楽しめるミュージカルをつくりたい!」という思いのもと、約60人の仲間が結束し、浅田まり子先生に親身にご指導いただきながら、「眠り姫」に全力を注いできました。演劇、歌、楽器、ダンス、美術、衣装......。それぞれが自分の得意分野で力を発揮し、アイデアを出し合ったからこそ、よりよい舞台表現が追求できたと感じています。また、約1年間にわたる準備や練習を通して、劇中でメッセージしている「思いやりのこころの大切さ」を実感し、コミュニケーションの重要性をあらためて学びました。こうした経験を活かし、教育現場でも教員同士の連携、子どもたちとの心の交流を大切にしたいと考えています。

文学部 教育学科 浅田 まり子 教授

 今年度の「子どものためのミュージカル」においても、学生たち一人ひとりが個性や能力を発揮できるようサポートし、ボイストレーニングなどの指導に努めました。伝えてきたのは、「全員が主役」ということ。みんなで力を合わせて舞台づくりに取り組む過程で、人との調和を学び、協働することの楽しさを実感してほしいと願ってきました。その思いが学生たちに通じたと、今日、舞台上で輝く彼らの姿を見て喜びを感じています。次の春、多くの学生が教員としての第一歩を踏み出します。大学で大きく育んだ思いやりのこころ、そして学ぶこころを忘れずに、子どもたちと向き合いながら自分自身もさらに成長させてほしいと期待しています。