追究

2015年03月25日

生きている図書館

生きている図書館

平成27年2月14日(土) 星が丘キャンパス1号館4階 交流ラウンジ

視野や人生観を広げるイベントをビジネス学部の学生が実施しました。

 「生きている図書館」とは、2000年にデンマークで開催され、世界各国に広がっていったイベント「Living Library(Human Library)」です。その内容は、人が「本」となって「読者」である来訪者たちに話を聞かせるというもの。日常生活ではあまり接点がない「本」に対する偏見やステレオタイプ的な見方に「読者」自身が気づき、多様な視点や生き方について理解を深めることを目的としています。
 この「生きている図書館」を学内で実施しようと行動を起こしたのが、ビジネス学部の学生たち。コミュニケーションを研究する福本ゼミの3年生4人と、ソーシャル・マーケティングを研究する平田ゼミの2年生6人が、それぞれの専門性や特技を活かして分担をし準備を進めました。2月14日(土)のイベント当日は、両ゼミの学生が力を合わせて運営に努めました。

 「本」としてお招きしたのは、肌や髪などが白く透き通るようなアルビノ(先天性白皮症)の大学生、生まれもった性別に捉われないあり方をもつトランスジェンダーの大学生、現役の新聞記者として活躍する女性、不慮の事故で身体に障がいを負った女性、挑戦を重ねてきた元経営者の男性。「読者」として参加した学生たちは、「本」の方々との会話を楽しみながら、さまざまな生き方や価値観にふれました。

「マイノリティ(社会的少数者)であるからこそ、見えてくることもあります。人と違う価値観が理解できることは、人生を豊かにしてくれると感じています」(「本」A)

「相手が大切にしているものと、自分自身が大切にしているもの。その両方を尊重する姿勢が、"自分らしい生き方"につながると思います」(「読者」B)

「一人ひとりが違う人間。違うからこそ、本当の気持ちを伝え合い、理解し合うことが大事」(運営学生C)

 自分自身や社会と真剣に向き合い、笑顔で生きる方々から、"力のある生きた言葉"を数え切れないほど受け取った学生たち。視野を広げるだけではなく、「私は、どう生きたいのか?」と自分の心に問いかけました。主催者である福本ゼミ・平田ゼミの学生たちが「生きている図書館」の目標としたのは、「寛容で多様性のある社会をめざして、新たな出会いの機会を提供し、人への理解、自分自身への理解を深めてもらうこと」。本学の理念である「違いを共に生きる」の心を人との出会いを通して学ぶ学生たちは、人間的に大きく成長し、誰もが自分らしく心豊かに生きることのできる次代を築いていくことでしょう。