追究

2015年04月13日

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクト I

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクトI

企業訪問:平成27年2月18日(水) 名古屋テレビ塔
目標設定:平成27年2月19日(木) 星が丘キャンパス

学生たちが学部の枠をこえて学び合い、実社会の課題解決に向けて企業と協働します。

 星が丘キャンパスを拠点とする交流文化学部とビジネス学部が連携し、地域や企業の人々との協働に取り組む「星が丘モデルプロジェクト」。学部や大学の枠をこえ、実社会に即した学びを深めていく、実践的な教育プログラムです。2014年度の星が丘モデルプロジェクトには、両学部の2年生27人が参加。協力企業である上根精機工業株式会社、名古屋テレビ塔株式会社、株式会社山彦から提示された課題に対し、グループにわかれて解決策の考案、企業や地域、社会の発展につながる提案をおこないます。
 春休み期間である2月、集中講義「星が丘モデルプロジェクト I 」が4日間にわたって開講されました。グループの結束を強め、一人ひとりが主体的に課題解決に取り組めるよう、ミーティングやマナー研修などを実施。2月18日(水)には各企業でのグループ調査訪問、19日(木)にはチーム目標の設定、課題への取り組み発表をおこない、11月の最終報告会への方向性を定めました。

【名古屋テレビ塔株式会社へのグループ調査訪問】

企業やまちの現状をヒアリングし、課題解決に向けて一歩を踏み出しました。

 1954年、日本初の集約電波塔として誕生した、名古屋テレビ塔。60年にわたって名古屋のシンボルとして親しまれ、「国の登録有形文化財」「恋人の聖地」などの認定も受けています。2011年には、地上デジタルテレビ放送への完全移行を経て、アナログ放送の電波塔という本来の役割を終えました。今後、名古屋テレビ塔を中心としたエリアのまちづくりをどうおこなっていくのか。名古屋テレビ塔をどう活用し、新たな価値を生み出すのか。行政や企業、民間団体、地域住民の間で話し合いが進められています。
 そうした中、運営会社である名古屋テレビ塔株式会社が、星が丘モデルプロジェクトにご協力くださり、学生たちにも提案のチャンスを与えてくださいました。提示されたお題は2つ。「テレビ塔を中心としたまちづくり戦略について ~外部環境に着目したアプローチ~」と「テレビ塔の提供価値を増大するために ~内部環境に着目したアプローチ~」です。

 2月18日(水)、グループ調査訪問をした学生たちは、社員の方々から名古屋テレビ塔の現状や課題について詳しく話を伺いました。
 「まちづくりで重視するのは"賑わい"ですか? それとも"人と人とのつながり"ですか?」「どんな人たちをターゲットに想定していますか?」「社内での情報共有やスタッフ教育などをどのようにおこなっていますか?」と、次々と質問を投げかけた学生たち。その熱意に応えるように、社員の方々は「再開発が進む名古屋駅エリアや栄エリアの現状を知り、その上で『名古屋テレビ塔はどんな役割を果たしていくべきなのか』を自由に考えてもらいたいと、学生の皆さんに期待しています」とエールを送り、「名古屋の魅力を発信する観光の拠点にしたい」「さまざまな世代の人が集まる社交場にしたい」など名古屋テレビ塔への思いを語ってくださいました。

 また、社員の方のご厚意で、展望台だけではなく、ウエディングをはじめ各種イベントに利用されているフロア、各テレビ局のアナログ放送機器が置かれていた空きフロアを見学。学生たちは名古屋テレビ塔の魅力を体感しながら、プロジェクトを進めるために必要な情報を収集しました。「提示された課題の解決に向けて、自分たちのアイデアをカタチにしていこう!」と決意をあらたにし、次の春から始まるサブゼミへのモチベーションを高めました。
 今回のグループ調査訪問を通して企業への理解を深めることはもちろん、企業で働くこと、社会に貢献することの意義も学び、今後、学生たちは一回りも二回りも大きく成長していくでしょう。

【チーム目標の設定】

プロジェクトを本格的に進めるため、グループごとに目標や志を共有しました。

 4日間の「星が丘モデルプロジェクトⅠ」の最終日におこなわれたのは、これから約9カ月にわたるプロジェクトの計画を立てること。チーム目標を設定し、企業から出された課題への取り組み方を6グループそれぞれが話し合いました。
 前日におこなったグループ調査訪問でのヒアリングを振り返り、学生たちは活発に意見交換。交流文化学部、ビジネス学部の担当教員や、チューター役を務めるNPO法人アスクネットの方々のアドバイスをもとに、議論を深めていきました。その内容を「課題」「ヒアリングで気づいたこと」「4月からのサブゼミまでにおこなうこと」の3点に要約し、模造紙に書き出しました。そして、集中講義の締めくくりとして、各グループがプレゼンテーション。11月の最終報告会に向けて仲間と走り抜く思いを固めました。

各グループの課題と目標
上根精機工業株式会社〈事業内容:精米関連機器の製造・販売〉

A班「販売戦略に関して ~上根精機をとりまく経営環境を分析し、全国に販路を拡大するための戦略を立案~」

 精米関連機器を取り扱う上根精機工業株式会社の"最終消費者"とは誰なのか。その人たちが求める"米の付加価値"とは何か。その問いを明らかにすることが戦略立案の第一歩だと考えたA班は、米の生産から消費までの流れ、同業他社の動きを調査していくと、プロジェクトの道筋を明確にしました。

B班「商品化に関して ~『顧客価値』をキーワードにした商品開発戦略を立案~」

 上根精機工業株式会社の「顧客に寄り添った商品提案」をヒアリング調査で知ったB班。米の生産者に向けて発信している情報の内容や、消費者の食に対する意識を調査していくことを決めました。「調査結果を分析し、自社製品の販売比率を高めるためのアプローチを考案します!」と力強く語りました。

名古屋テレビ塔株式会社〈事業内容:テレビ塔の管理・運営、観光事業、まちづくり〉

A班「テレビ塔を中心としたまちづくり戦略について ~外部環境に着目したアプローチ~」

 「名古屋テレビ塔でのイベント」「近隣住民や企業とのつながり」「広報・PR」の3点に着目したA班は、インターンシップをおこなって"現場"で課題を見つけ、解決策を考えていくことを重視。さまざまな人と交流を深めながら、名古屋テレビ塔を中心としたエリアのまちづくりを追究していきます。

B班「テレビ塔の提供価値を増大するために ~内部環境に着目したアプローチ~」

 B班はグループ調査訪問で「スタッフの意識を統一すること」「名古屋テレビ塔のコンセプトを明確にすること」などの課題を理解。現場でおこなわれているマナー研修への参加やスタッフへのヒアリングなどを通して、名古屋テレビ塔の内部から"付加価値の創出"を考えたいと意欲に満ちていました。

株式会社山彦〈事業内容:食品スーパーマーケット「生鮮館やまひこ」を展開〉

A班「『生鮮館やまひこ』が、地域になくてはならないスーパーとして存続していくためにとるべき戦略の検討」

 地域の特色に合わせた店づくりに力を注ぐ「生鮮館やまひこ」の魅力を学んだA班。すでにおこなわれている経営戦略の内容と成果を明らかにし、さらに、従業員や顧客へのヒアリング調査に取り組むことを計画しました。現場での気づきや実感を大切にし、実社会に即した提案をめざしていきます。

B班「脱デフレ時代において、『生鮮館やまひこ』が低価格訴求をめざすべきか否かを考え、成長戦略を策定」

 「生鮮館やまひこ」の"美味安心"な商品や生鮮食品へのこだわりの強さを感じ取ったB班は、「低価格訴求をめざすべきではない!」と主張。競合他社の分析、商品の差別化を図る方法の検討などをおこなっていき、他のスーパーマーケットとは違う"らしさ"を成長戦略につなげたいと考えています。