追究

2015年09月28日

メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 都市環境デザイン専修 藤本壮介展 未来の未来

メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 都市環境デザイン専修藤本壮介展 未来の未来

平成27年7月25日(土)~8月9日(日)
長久手キャンパス8号棟5階 プレゼンテーションルーム

都市環境デザイン専修の学生35名が、展覧会づくりに挑戦! 力を注ぎました。

 7月25日(土)~8月9日(日)の16日間、普段は教室として使われているプレゼンテーションルームで「藤本壮介展 未来の未来」を開催しました。会場の設計、施工、設営、運営を担当したのが、都市環境デザイン専修の3年生35名。4月~6月に東京・乃木坂の「TOTO ギャラリー間」で開催された藤本氏の建築展を愛知巡回展として再構築しました。今年で16回目を迎えるこのプロジェクトは設計や模型づくりだけでなく、実際に第一線で活躍する建築家の展覧会を完成させる経験から、学生たちの仲間と協力する力やアイデアをカタチにする力を鍛えている都市環境デザイン専修の伝統行事です。ここではこの建築展がどのように創りあげられたのか、ダイジェストでお伝えします。

アイデアワークで実感する、チームワークと発信力の大切さ。

1st Stage 事前研修

東京・乃木坂にある「TOTOギャラリー間」で開催された「藤本壮介展 未来の未来」を一部の学生が観覧。模型の多さに驚きつつも、学内の限られたスペースでどのように表現するか、イメージをふくらませました。

2nd Stage 研究パネル発表会

メンバーが6つの班に分かれて、それぞれ3作品ずつ藤本氏の過去の建築を研究・分析しました。そして、A1パネルにまとめてプレゼンテーション。各班がまとめた18枚のパネルは会場横の通路に展示しました。

3rd Stage 会場プラン考案

作家研究をおこなった6つの班ごとに会場プランを計画し、プレゼンテーション。まつぼっくりなどに人形を配した藤本氏の模型が、具体的な作品へと発展する過程を来場者に伝えようと各班が工夫をこらしました。

4th Stage 全体像の決定

6月中旬、コンペティション形式で各班のアイデアを精査し、最終的に残ったのはジグザクに配置された壁と、その壁にあけた大きな穴で模型同士の関係性を表現した案。このプランを軸に最終案をまとめました。

5th Stage 設営準備

6月の下旬から受付や来場者の荷物置き場などをつくる「家具班」や来場者を会場まで誘導するための看板をつくる「サイン班」など、作業別にメンバーを6つの班に再編成。設営に向けて準備を進めました。

6th Stage 宣伝活動

Web班が藤本壮介展のオリジナルホームページを作成。SNSと連動した来場者参加型の企画を考えて発信したり、会場ができあがるまでの様子をレポートしたり、さまざまな方法で広く展覧会の開催をPRしました。

7th Stage 構内アプローチ

サイン班が大学の入口から会場まで誘導する看板を構内に設置。藤本氏の模型に登場する人型をキービジュアルに。さまざまなポーズの人のシルエットを構内に設置し、来場者を楽しく会場まで導きました。

8th Stage 会場設営

開催の約1週間前から本格的に会場設営がスタート。会場プランの核となる無数の壁を設置していく中で、急遽調整が必要になっていく場所も。全員で知恵を出し合い、臨機応変に対応して会場を完成させました。

9th Stage 展覧会 スタート

7月25日(土)、ついに展覧会の開幕を迎えました。学生たちは達成感でいっぱい。互いに努力を称え合いました。開催初日の25日(土)と翌日の26日は、大学のオープンキャンパスも開催され、高校生や保護者の方も来場。この展示会を大学生がつくったと知った高校生たちは驚きの声をあげていました。
また、最終日には藤本壮介氏が来場。「壁に空いた大きな穴から見える模型は、直接見た時とまたひと味違いますね。おもしろい体験ができる空間ができあがっていて驚きました」と最大級の称賛を送り、その後、座談会形式で学生たちと建築について意見交換をしました。

見どころPICKUP

展示スペース

会場内にさまざまな角度の開口部をつくって、面積やカタチの異なる空間をいくつも創造。その結果、「さっきいた場所を別の角度から見ると、全く違う場所に見える」という不思議な体験ができる展示スペースとなりました。

ポスターパネルゾーン

藤本氏のアイデアワークを体感的に知ることができる展示スペースを過ぎると現れるのが、「ポスターパネルゾーン」。藤本氏の建築に感覚的に触れた後、しっかりと作品についてひもとくことができるスペースは、来場者から好評を得ました。

ホームページ

お帰りになるお客様に、紙でつくった小さな人形をプレゼント。この人形が写り込んだ日常のシーンを写真に収めてSNSにアップすると、その写真は学生が作成したホームページに自動的に掲載。参加型の企画は人気を博しました。

Interview

仲間とともにより良い展覧会を追求し続けた経験から、大きな自信を手にしました。

 わたしたち全体計画班はメンバー35名で考えた会場プランを元に設計図を制作し、具体的に何センチの壁を設置すればいいのか、どんな角度の開口部をつくったらいいのか、何度も検討を重ねてよりよい会場づくりをめざしました。シミュレーションのためにつくった「スタディ模型」はざっと30以上。模型をつくってはメンバー同士意見交換して連日夜遅くまでミリ単位の調整を繰り返しました。苦労したのは図面と実際の会場の誤差を埋めること。設計図や模型を制作するだけでなく、自分たちの手で施工し、会場を一つひとつ組み立てたからこそ学んだ建築の難しさです。そして第一線で活躍する藤本壮介さんの展覧会を一から考えて完成させたからこそ、「仲間と力を合わせれば、素晴らしい展覧会を創りあげることができる」と、自信も手にすることができました。この経験を次へのステップに進む力に変えて、前進していきたいと思います。