躍動

2024年05月21日

土木学会中部支部研究発表会で優秀講演者賞を受賞。 2年間かけて取り組んだ研究内容を発表しました。

vol.106

人間情報学部人間情報学科 4年 新井萌未さん(2023年度)

 2024年3月に開催された令和5年度 土木学会中部支部研究発表会における交通流セッションで人間情報学部 人間情報学科 感性工学専攻 新井萌未さん(森博子ゼミ)が優秀講演者賞を受賞しました。理系大学生・院生の出場が多いなか健闘し見事受賞を果たしました。今回は新井さんに受賞を振り返ってお話を伺いました。

先輩の研究の実験参加者としての協力がきっかけに

 2年生の頃、部活動の先輩の卒業論文に実験参加者として協力したことをきっかけに、ドライビングシミュレータを使って自動車に関する安全性について研究をしてみたいと思いました。自動車運転免許を取得後、他車両とすれ違う際や前後での走行に不安やストレスを感じたことから、「他車両の存在によるドライバーの心理的負荷」をテーマに研究したいと考えました。
 研究内容の希望が早い時期で決まっていたため、ゼミ選びの段階で先生へ相談し、アドバイスを貰いながら、2年かけて卒業研究に取り組みました。3年生前期には研究内容を計画し、後期で実験とデータ分析。しかし、想定した走行ができなかったため、VRの走行環境を再構築することに。自分でVRやプログラムを修正しようとするものの、上手く構築できず、先生に支援を依頼したり、メーカーに問い合わせたり、参考書を見返したり...と走行環境の修正には苦労しました。そのおかげもあって、4年次の実験はスムーズに進み、研究をまとめることができました。

早い時期から研究に取り組んだからこそ、緻密な研究内容へ

 今回発表した内容は「他車両の存在がドライバーに及ぼす心理的・生理的影響の検討」についてです。対向車が来る場面、先行車がいる場面、後続車がいる場面で、ドライビングシミュレータを使って、どのような負荷がかかるか、心拍数、心理アンケート、運転操作量の3つの方面から実験・分析しました。結果として、心理的負荷が高い場面と運転操作量の関係を明らかにしました。
 11月末に発表の申込みをしてから、資料作成から発表の練習まで、先生にアドバイスをいただきながら取り組み、当日を迎えました。時間内に簡潔に発表することを意識して練習したため、当日は余裕を持って発表できました。質疑応答の際には、心理的負荷として用いている指標の程度や土木との関係性について質問されましたが、しっかり答えることができたと思います。内容も精査した上で発表したので、そういった部分も評価していただき、うれしかったです。

■学会での発表の様子

■本学のドライビングシミュレータの前で

学長・副学長へ受賞を報告しました

 また、今回の表彰を本学の島田学長、斎藤副学長に報告しました。研究内容をはじめ、研究から得られた結果、今後の進路についてもお話ししました。学長から「今回のテーマから派生して、他に研究してみたいことは」と質問があり、「対向車が来ることを事前に通知することで心理的負荷にどう影響を与えるのか調べてみたいです」と回答しました。最後には学長より「また勉強したいと思ったときには大学院でも学ぶことができますし、期待しています。卒業後も一生懸命頑張ってください」とエールを送っていただきました。