躍動

2017年02月28日

心に優しく響く、歌のチカラ。音楽を通して人と人をつなぎたい。

vol.51

福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 4年(2016年度)

友人とのフォークデュオ活動の一環として、
名古屋市若年性認知症本人・家族交流会「あゆみの会」オリジナルソングを制作!

福祉を学びながら、地域に出て人と人の輪を広げる

 将来、人の役に立つ仕事に就きたいと考え、福祉を学ぶために愛知淑徳大学 福祉貢献学部に進学しました。高齢者福祉や障がい者福祉など幅広い専門分野を学修するとともに、力を注いできたのが地域活動です。コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)や福祉貢献学会でのボランティア活動、社会貢献活動などに積極的に取り組み、学内外のさまざまな人との交流を大切にしてきました。その活動のひとつが、音楽活動です。
 小学校からの友人である篠田果奈美さんと高校時代にフォークデュオ「たんポップぱぷりか」を結成し、大学進学を機に地元の長野から名古屋に出てからも、高齢者施設や地域のイベントなどで歌ってきました。篠田さんは名古屋市内の他大学に通い、心理学を専攻しています。進む道は異なりますが、音楽を楽しむ心は同じ。ギターを手に一緒に歌い、たくさんの笑顔に出会う素敵な経験を共有してきました。

心に優しく響く、歌のチカラ。音楽を通して人と人をつなぎたい。

心に優しく響く、歌のチカラ。音楽を通して人と人をつなぎたい。

若年性認知症の当事者の皆さんと一緒に、オリジナルソングを制作

 私たちが4年生になった2016年春頃、CCCの先生からの紹介で名古屋市若年性認知症本人・家族交流会「あゆみの会」のイベントで演奏をさせていただきました。そのご縁がきっかけで、「あゆみの会のオリジナルソングをつくってほしい!」と依頼を受け、とても光栄なことだと感謝し、夏頃から制作を始めました。
 認知症というと高齢者がかかる病気のように思われがちですが、18歳から64歳の人が発症する若年性認知症もあり、患者数は全国で約4万人といわれています。あゆみの会の皆さんは若年性認知症の当事者として、病気のことを受け止めながら前向きに活動されていて、お会いするたびに元気なパワーをいただいています。
 オリジナルソングづくりでは、あゆみの会の皆さんと二人三脚。皆さんから「伝えたいことば」「大事にしたいことば」をリストアップしていただくとともに、私たちが思う「あゆみの会の魅力」を歌詞に込めて、覚えやすく歌いやすいメロディーを考えていきました。

心に優しく響く、歌のチカラ。音楽を通して人と人をつなぎたい。

心に優しく響く、歌のチカラ。音楽を通して人と人をつなぎたい。

よりよい明日へ、みんなでともに歩んでいこう

 完成した歌は、「AYUMI〜みんないっしょだよ〜」。初披露の場は2016年11月21日におこなわれた「名古屋市若年性認知症講演会」でした。開会式のステージであゆみの会の皆さんと一緒に歌うと、会場からあたたかな手拍子をいただき、熱い気持ちが胸にこみ上げました。この歌が多くの人の心に響き、若年性認知症の当事者の皆さんへの理解へつながり、支援の輪が広がっていくことを願っています。
 次の春、私も篠田さんも大学を卒業し、それぞれの道へと一歩を踏み出します。4年間で培った福祉の専門性、地域活動で磨いた行動力や柔軟な思考力、そして歌を通してたくさんの人と出会った宝物のような経験を糧に、自分らしく社会に貢献していきたいと考えています。