躍動

2014年11月20日

大学4年間の学びが実を結び、学外のコンペティションで高い評価を受けました。

vol.32

メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 都市環境デザイン専修 4年(2014年度)

街全体をひとつのアイコンとして提案。
授業の学びが街をつなぐ時に活かされました。


 清水ゼミで学内のコンペティションを経験し、学外にでて自分たちの強みを知りたかったこと、以前から愛知建築士会主催のコンペティションに興味を持っていたこと。その2つが、今回、愛知建築士会主催の学生コンペ「icon@蒲郡」に参加したきっかけです。自主コンペは初めてのことでしたが、まずは敷地を確認することからはじめようと、蒲郡商工会の方々や審査員の方々と蒲郡の街を見学。そこで私たちの心を掴んだのは、海辺の素晴らしい景観、そして、徒歩圏内に温泉が4つもあるという、蒲郡が持つ潜在的な魅力でした。この魅力を最大限に活かす提案がしたい。蒲郡の良さを発信することで、地元の人が自分たちの街の素晴らしさを再発見して欲しい。私たちの提案の中核を担う、コンセプトが見えてきました。
 私たちがめざしたのは、蒲郡の街にイメージをつくること。街全体をアイコンと捉え、誰もが蒲郡と聞けば「温泉とヨットの街」と思い浮かべてもらえることを理想としました。具体的な提案のヒントとなったのは、2年次から『空間設計』の授業でおこなってきた建築設計の経験です。そこで動線やアクセスの大切さを身にしみて感じていた私たちは、街全体を一つにつなげるにはどうすればいいか、じっくりとアイデアを練っていきました。「海の駅」というヨットハーバーを設計し、4つの温泉をつなげ、陸路には蒲郡の特産である蜜柑の木の廃材を活用したベンチなどを設置。海を感じながら休憩できるスペースを提案しました。

コンペティションを通して、魅力を伝えることの大切さを学び、
次につながる大きな自信を得ることができました。


 第二次公開審査に勝ち進んだのは、6チーム。それぞれ5分間のプレゼンテーションと8分間の質疑応答で自分たちの提案をアピールしました。私たちが意識したのは、街全体をアイコンと捉えたことを、いかに分かりやすく伝えられるかどうかということ。プレゼンテーションを聞く人にとって、どんな表現方法だとイメージが膨らみやすいか、相手の立場に立って考えていきました。そして、旅行雑誌からヒントを得て、ヨットハーバーを利用した2泊3日と3泊4日の旅行プランを組み立てて発表に取り入れました。「現在、朝の10時です。皆さんは蒲郡駅にいます」と、発表を聞いてくださる方が、実際に蒲郡を旅行している気分になれるよう発表の言葉にも気をつけました。はじめて私たちの作品を見る人たちに、いかに魅力を伝えるかを考え、工夫する力が、今回のコンペティションへの参加で磨かれたと思います。試行錯誤を繰り返し迎えたプレゼンテーション当日は、模型づくりを手伝ってくれた後輩たちが応援に駆けつけてくれました。優秀賞の受賞はもちろんですが、後輩たちの「自分たちも先輩たちのようにコンペティションに挑戦してみたい」という言葉も、私たちに充実感を与えてくれました。
 建物と暮らしの関係性やまちづくりなど、建築をハード面だけでなくソフト面からも見つめた4年間の成果が、ひとつの結果として実を結び、大きな自信となりました。このコンペティションで学んだ「相手に魅力を伝える力」を、卒業制作でも発揮し、さらに社会に出てからも相手の立場に立って考えられる視点を持ち続けていきたいと思っています。