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概要

大学案内2016 第2版

子どもの目の前で、同じ数のおはじきを2列並べて、2列が同じ数であることを確認させます。片方の列だけ一つひとつの間隔を拡げます。そして、2列は同じ数か、違う数か子どもにたずねます。4 歳以前の子どもは、拡げた列の方が、数が多くなった、などと答えます。4~5 歳を過ぎる頃から、どちらも同じ数と答えることができるようになります。子どもの知的発達実験の例個別知能検査の一種単に「知能指数(IQ)」を測定するだけでなく、領域ごとの得手・不得手など「知的発達のバランス」も見ることができます。授業ではこのような知能検査や性格検査を実際に使用して、その使用法、解釈法などを学んでいきます。また、クリニカルレポート(心理検査報告書)の書き方についての指導も受けます。心理検査は刃物と同じで、使い方によっては危険も伴いますが、適切に使えば非常に有用なものです。それを体験的に学習して心理査定への理解を深めます。幼い子どもはどのようなステップを経て言葉を話し、数や量の概念を持つようになるのか。障がいのある子どもや成人は、発達のどの段階でどのようなつまずきがあったのか。人が年老いていくとき、心理的な変化がどう現れるのか。高齢者に特有なものの考え方はどのような心理的作用によるものか…。こうした人の成長と生涯にわたるさまざまな変化について実験・観察を通して探究するのが「発達心理学領域」です。幼稚園や保育園、障がい児・障がい者施設、老人ホームなどで人と直接関わって実験や調査をおこない、人の成長や変化のプロセスを解明します。発達心理学を学び、幼児や高齢者、障がい児・障がい者に対する見方が変わる学生も少なくありません。これは、決して自分とは異なる存在ではなく、自分と同じ成長の過程をたどる同じ人間だということを改めて知るからです。こうした自覚は、より深い人間理解へとつながり、学びの幅を広げます。実験や観察を通して得られた研究成果は、子どもの発達段階に合わせた教育・指導カリキュラムの開発や、療育やカウンセリングの手法など、幼児教育や学校教育の現場で活かされています。また、障がい者や高齢者にも使いやすい機器の設計など、人間工学の応用分野でも活かされています。人間の成長と変化のプロセスを実践的に探ります。自分自身も含めた人間への洞察力を深めます。PICK UPPICK UP箱庭心理学には、相談者の内面を理解するために、さまざまな検査方法が存在します。その一つが「箱庭」。これは相談者が、箱に敷き詰められた砂の上に、ミニチュアの人形、家、木などを配置させていく検査方法で、完成された箱庭は、言葉では伝えきれない相談者の内面を表すといわれています。心理学部では、演習で学生がカウンセラー役と相談者役に分かれて箱庭の作品づくりを体験。心の課題を多角的に捉え、多軸で考えると、時代と自分が見えてきます。不登校や精神障がい、発達障がいなどの心の問題に取り組む臨床心理士は教育、医療、福祉、司法、産業などの領域で活躍しています。「臨床心理学領域」では臨床心理士が実際におこなう心理療法・カウンセリング・心理検査を体験的に学んだり、事例研究をおこなったりします。また、臨床心理士をめざすための大学院、心理臨床相談室も整備されています。人の心の問題には社会のあり方も影響するため、臨床心理学を学ぶことは時代を知ることにもつながります。同時に、臨床心理学的かかわりを深めるには、心が傷ついた人に寄り添う自分自身の心を知ることも重視されます。このように「臨床心理学領域」では、社会から自分の心まで幅広い視野を持ち、人間について深く学んでいくことになります。実践的な知識を、臨床の現場から学びます。臨床心理学領域発達心理学領域心理学部 心理学科115