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概要

大学案内2016 第2版

視能訓練士について人間は、外部からの情報の多くを「視覚」から取り込んでいます。そのため視覚機能に異常が生じると、生活する上で深刻な悩みや困難を感じることも少なくありません。しかも「ものが見えにくい」という訴えひとつをとっても、視力の低下、視野の欠損や狭窄※1、色の弁別障害※2、立体視の障害※3など多種多様な症状があります。こうした症状を的確に検査・評価し、適切な対応をするとともに、弱視※4や斜視※5の訓練、視覚障がいのある人々への支援に従事するスペシャリストが「視能訓練士」です。視能訓練士の仕事は、眼に関するいろいろな症状を、各種眼科医療機器を使って検査し、診断・治療に役立てることです。ただ、仕事の範囲は眼科検査だけはありません。乳幼児期の視覚発達が不十分で、未熟な段階に留まっている斜視や弱視の訓練をはじめ、さまざまな眼科の集団検診に参加して視覚機能の早期発見に努めることも、視能訓練士の重要な役割です。チーム医療の一員として、医師による治療方針決定のもとになる検査結果を的確に伝えるなど、医療従事者としての責任が求められます。視能訓練について深く追究し、“医学と科学の眼”を持つ、視覚分野のスペシャリストをめざします。大型弱視鏡乳児や子どもの斜視や両眼の共同性を診断する「大型弱視鏡」。眼が正しい位置にあるかを調べる眼位検査、眼の動きを調べる眼球運動検査、両眼が正しく機能しているかを調べる両眼視機能検査などをおこないます。チトマス・ステレオテスト両眼視機能について検査します。テラー・アキュイティ・カードによる視力検査乳幼児の視力検査法のひとつです。眼底写真撮影直径6mm程度の瞳孔領から眼底を観察し、撮影します。眼底は、人間の体の中で唯一、直接血管の状態を見ることができる部位。そのため眼底を見るだけで、眼の病気だけでなく、糖尿病や高血圧のような全身疾患についての情報を得ることもできます。※1 視野の欠損や狭窄:視界の一部分が欠けて見えなかったり、狭い範囲しか見えていない状態。※2 色の弁別障害:一部の色の違いを区別、識別することが困難な状態。※3 立体視の障害:何らかの障害によって、ある条件下での遠近の判断が正しくできない状態。※4 弱視:乳幼児期の視力の発達が遅れたため眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても正常視力が得られない状態。早期発見により治療が可能。低視覚者(ロービジョン者)とは異なる。※5 斜視:両眼を開いている時に一眼の視線が対象(目標)に合っていない状態。視力の発達や両眼の共同性の獲得に影響する。きょうさく視機能障害の早期発見・早期治療に携わるスペシャリスト。「視能訓練士」の国家試験受験資格が取得可能です。視能訓練士は、視覚機能に関する多種多様な症状を的確に検査・評価し、適切な対応をするとともに、弱視や斜視の訓練、視覚障がいのある人々への支援に従事するスペシャリスト。視覚科学専攻では、卒業と同時に視能訓練士の国家試験受験資格が得られます。視覚とその障がいを理解するためには、「見る」機能そのものを広く知る必要があり、科学的な思考力によって既存の検査を組み合わせるなど柔軟な対応も求められます。このような医療現場で即戦力として活躍するためのスキル、視機能の質を創りあげていくための“科学の眼”、その両方を兼ね備えた真の“視覚のプロフェッショナル”を育成。さらに新しい検査方法や訓練方法についても積極的に研究・開発し、この分野をリードしていくことのできる人材をめざします。カリキュラムポリシーと人材育成像第一線で活躍するエキスパートによる現場に即した講義。チューター制度で学年間のネットワークも生まれます。現場で実際に役立つ知識を身につけ、その知識を発揮できる実践力を備えるために、眼科医や視能訓練士、視覚の基礎科学者、生理学者、心理学者など第一線で活躍するエキスパートが教員として指導します。また、1・2年次を対象に学習上の不安や疑問について、上級生からアドバイスを受けることができる「チューター制度」を導入。上級生にとっても貴重な経験になっています。医療科学に関する基礎的教養を徹底的に学習し、視能訓練士に求められる知識と技術を身につけます。乳幼児から高齢者までのクオリティ・オブ・ビジョンの向上、視機能障害の早期発見など、視能訓練士の仕事内容は多岐にわたります。視覚科学専攻は、こうした社会の実情に対応し、視能訓練士として必要な視覚の生理、心理、認知、発達に関する高度な知識と技能を身につけるためのカリキュラムを編成。臨床医学、栄養学、公衆衛生学など幅広い学問領域にも学びを広げ、近視・遠視に関する模型づくりや擬似体験をはじめ、心理実験や弱視擬似体験、学生同士で視力検査などの練習をおこなう学内実習など体験的に学んでいきます。154 プロフェッション