ゼミで学ぶ専門テーマ
このゼミでは、現代社会のさまざまなメディアやポピュラー文化を、社会学の理論と方法によって分析・考察します。社会学は、さまざまな社会現象のなかで共通にはたらく「しくみ」を取り出す学問です。身近な現象は(まさに身近であるがゆえに)距離を取って考えるのは簡単ではありません。しかし、学問的に確立された理論枠組や調査方法を身につけることで、それができるようになります。
現代メディア社会と、ゼミの専門領域
メディア論には「メディアはメッセージ」(M.マクルーハン)という言葉があります。これは「情報内容(通常の意味のメッセージ)より根底的に、メディアの特性そのものがある種のメッセージになっている」という意味です。さらに、そうしたメディアの特性は、固定的ではなく、時代・地域・集団によって変化します。これが、社会学におけるメディアの基本的な考え方です。
専門性を身に付けるために
ゼミでは、社会学のメディア理論や社会調査の方法を、文献の講読や調査の練習を通じて、入門段階から少しずつ身につけていきます。
具体的な学びのプロセスは下記の通りです。
① 文献購読:メディア論や社会学の文献を読み、理論や事象に関する理解を深めます。
② ディスカッション:上記の文献についての意見を交換し、視野を広げます。
③ 調査・分析:メディアの内容分析やインタビュー、参与観察などの調査方法を学んだうえで、あなたが関心のあるメディア文化現象について、テーマを設定して調べていきます。
④ アウトプット:調査・分析した結果をまとめて、卒業論文のかたちで表現・発信します。
ゼミ学生や教員が取り組んできたプロジェクト、研究の成果は下記リンクからご覧ください。
2018年度 メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」
2017年度 学生企画イベント「ジャケットの力とは?-CDの魅力を伝えるジャケットについて考える時間-」
ゼミを通して学んでほしいこと
あなたが立てた「問い」について、社会調査の結果を分析したり、理論枠組から考察したりすることで、自分なりの「答え」を出してもらいます。社会学の視点から考察することで、身近なメディアやさまざまな文化現象の「新たな姿」が浮かび上がってくる…そうした「面白さ」を感じてもらえると思います
卒業論文・卒業制作の例
卒業論文
●ジャニーズ系アイドル誌の過去と現在:『Myojo』と『duet』を対象に
●名古屋・女性スタイルの変遷:『TOKAI SPY GIRL』を中心にみる名古屋嬢ブーム
●趣味としてのコスプレ:コスプレイヤーを通して見る世界
●ガチャをめぐるコミュニケーション:ライブ会場・アニメ聖地・日常の参与観察から
●非アイドルアニメを応援する理由
卒業生の主な進路
卒業してから直接的に論文を書くこと自体は少ないかもしれませんが、「問い」を立てて、調査・分析し、「答え」を出すというゼミで身につけた知的態度は、あらゆる仕事で役に立ちます。
具体的な就職先としてはさまざまな業種がありますが、映像制作(株式会社クリーク・アンド・リバー社)やテーマパーク(長島観光開発株式会社)など、メディア文化に関わる企業に就職した学生がいます。