荒川 徹/あらかわ とおる

メッセージ

メディアプロデュース専攻へようこそ!

これまでこの大学で、映像制作の初心者から映像業界に就職するゼミ生までの学習を助けてきましたが、「大学生で変わらず大事なことは何だろう」と、あらためて考えてみました。そうすると、メディア制作に携わる学生にとって、カメラの使い方をマスターしたり、優れた映像作品を見ていることは重要とはいえ、それだけではない。やはり「読書」がもっとも重要な基礎になる、と繰り返し思います。

小説において構築された世界の動き、体系的に編まれた思考、書き残された歴史の声といったものは、言葉を通じて、心に多様な構造を作り上げ、そこから長年に渡って、自分の思考が動きだしていきます。すぐに役に立つものではなくても、10年、20年ぐらい経ってから、突然生きた知識になることもある。言葉を聞けること、語れること、組み立てられること、それが様々な仕事に結びつくこともあるかもしれません。

新しいカメラやレンズの情報が次々に舞い込んでくる日々ですが、本も現実に立ち向かう機材のようなものだと考えて過ごしています。どうぞよろしくお願いします。

担当授業科目

アカデミックスキルズ
研究法概説
映像制作基礎
映像制作a
映像制作b
映像論
現代アート論
演習Ⅰa
演習Ⅰb
演習Ⅱa
演習Ⅱb
卒業プロジェクト

研究課題・活動など

視聴覚芸術(映像・美術・音楽など)の研究に取り組んでいます。特に芸術だと考えられていないものまで含む、芸術作品の構造を分析し、そのシステムを、環境を含む全体から理解することを目的としています。ミュージックヴィデオ研究が最新のテーマです。

略歴

1984年、福島県生まれ。多摩美術大学美術学部芸術学科を経て、2015年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員ののち、現職。著作に『ドナルド・ジャッド 風景とミニマリズム』(水声社、2019年、第30回吉田秀和賞受賞)、共著に『映像と文化 知覚の問いに向かって』(藝術学舎、2016年)など。