ゼミで学ぶ専門テーマ

 西原ゼミでは、現代におけるポピュラー文化(マンガ、アニメ、ドラマ、映画、ミュージカル、その他)を中心的な題材とし、ジェンダーやセクシュアリティの規範の問題や課題を考えます。作品の内容分析や他のメディア・コンテンツとの比較分析をすることで、現代社会の姿、また社会に生きるわたしたちの考え方について考察していきます。

 3年次のゼミでは共同研究として、メディアコンテンツの表現からジェンダーやセクシュアリティの問題について取り組みます。また、フィールドワークもおこなうことで、わたしたちの身近なところにあるメディア表現の問題を考えます。4年次では個人で研究テーマを設定し、研究を進めて卒業論文を執筆します。

ゼミの風景

代メディア社会と、ゼミの専門領域

 西原ゼミでは、メディアに関するさまざまな研究方法に則って、ポピュラー文化のメディア表現を分析し、ジェンダーやセクシュアリティに関する問いを考察していきます。現代社会に生きるわたしたちにとって、娯楽や趣味は大切な存在です。「推し活」という言葉があるように、好きなものがあるからこそ毎日を生きていけるという人もいるでしょう。こうした娯楽や趣味のメディア・コンテンツは「女性向け」「男性向け」というようにジェンダーで区分されるほか、異性愛中心の物語が展開することが少なくありません。それらの表現や内容について分析し、この社会を“より楽しく生きる”ための答えを見つけるのが、西原ゼミでの研究活動です。

専門性を身に付けるために

 ジェンダー研究やセクシュアリティ研究の視座からポピュラー文化とメディア表現を考えるうえで重要なのは、「こんな表現はよろしくない」などの単純な善し悪しで判断しないこと(「よろしくないもの」はもちろんありますが、しかし)。ポピュラー文化には、社会における主流の考え方や規範に沿ったものの見方に通じる表現がある一方で、現代社会で見落とされがちな課題を浮かび上がらせたり、古い価値観を乗り越えようとしたりする表現もあることにも気づきます。

 「女/男」「女らしさ/男らしさ」という二元的な切り分け方には問題がありますが、多くのポピュラー文化にはこうした切り分け方がなされたうえで、高い人気を博すコンテンツがあります。では、そこで支持を集める表現とはなにか? 支持する人びとはなにを重要視しているのか? このゼミでは、わかりやすい答えに陥らないよう、メディア表現を丁寧に分析していきます。

 

ゼミを通して学んでほしいこと

 「好きなもの」に対して問いを立てて研究することに、思わぬ難しさを感じることがあります。しかし、ちょっとでも“もやっ”としたことや知りたいことがあれば、それが自分なりの疑問として膨らませて問いにすることができると思います。ポピュラー文化の問題と楽しさの両面にアプローチし、「問い続けること」と同時に「楽しみを見出すこと」を経験してほしいと願っています。

卒業論文・卒業制作の例

卒業論文

●衣食住に関するCMにおける家族の描かれ方

●男性声優のBL戦略をファンはどのように解釈しているか

●雑誌分析から考える、男性芸人のアイドル化

●バラエティ番組での「性的マイノリティ」タレントの描かれ方

●ディズニー映画における「悪役」の表象の変化:『マレフィセント』を題材に

●女性向けマンガの恋愛観の変化:1990年代と2010年代

 

卒業生の主な進路

 図書館司書、リゾートホテルや旅館などでの企画や接客、一般企業の営業、福祉関係の仕事など幅広い分野に就職しています。