ゼミで学ぶ専門テーマ

 阿部ゼミは、デザインと創造的な実験制作をテーマにしています。特に、ポスターやイラストや写真など「グラフィック」と呼ばれる領域、編集や本や文字に関わる「エディトリアル」の領域、短編アニメや実験映画など「映像」の領域、漫画表現など「キャラクター」に関わる領域が中心です。これらの領域のどれか一つだけというより、領域を横断するような制作に関心がある人に向いています。メディア論や記号論といった理論を学んで、デザインとその歴史を分析し、論文を執筆したいという人も歓迎します。

代メディア社会と、ゼミの専門領域

 このゼミには、プロのデザイナーや表現者を目指す人も多く在籍していますが、そのためだけのゼミではありません。私たちの生活は、映像やイメージといったメディアに取り囲まれています。そのような世界で、情報を受け取って反応を返すだけの消費者に閉じ込められず、自らメディアを使って「意味」を作り出せる人になることが、このゼミの目的です。そうした創造性は、現代社会を生きる全ての人に必要な基礎能力だと考えています。

専門性を身に付けるために

 阿部ゼミの最大の特徴は、取り組むテーマや目標をゼミ生が自分で決め、実現に向かって自力で作り進めるスタイルだという点です。教員は、学生一人一人が持ち込んだテーマに対して、企画書による事前チェック、やりたいことを整理するためのカウンセリング、参考作品の紹介、本人の技術力や表現力に応じた軌道修正の提案といったアドバイスを行います。各自が作品を完成させたうえで、それを公開するために、ゼミ全体でグループワークをして、一つのカタログ制作や展覧会の実現などに取り組むこともあります。他者とコミュニケーションしながら作品を作ったり、自分自身の実力を客観的に知るための機会として、社会連携プロジェクトや公募への出品も積極的に支援しています。

【ゼミ学生の受賞】下記のリンクからご覧いただけます。

突き詰めたいことを、理論・実技の双方から学び、極めることができる。そんな贅沢な学修環境で、もっと「好き」という気持ちを追究したい

 

ゼミを通して学んでほしいこと

 「やってみたい」を出発点にして未知のことに挑み、できるようになるという経験をして欲しいです。最初はどこから手をつけて良いのかわからなかった大きなチャレンジを、手に負える小さい問題に分解して一つ一つ克服し、試作品を素早く何度も作って完成度を上げ、自分の中での発見、発明を繰り返して欲しいです。そのようにプロセスからフィードバックを受けて自らを育てる力こそ、これからの社会で重要な「創造性」だと思っています。