愛知淑徳大学 2009年 前期公開講座





プロフィール
演者:今井 勉(いまい つとむ) 平家琵琶検校、生田流筝曲・三弦・胡弓教授、財団法人国風音楽会会長

昭和33年江南市で誕生、4歳で司業横井みつゑ師に師事して筝曲・三弦・胡弓を学び、12歳で三品検校正保に師事して平曲・筝曲・三弦を学ぶ。
愛知県立名古屋盲学校を卒業後、土居崎検校正富にも師事し、昭和61年に国風音楽会より勾当の官を、続いて平成4年に検校の官を受け、平成8年より国風音楽会会長に就任。平成11年には名古屋市芸術奨励賞を受ける。

主な平曲演奏歴
平成12年にNHK の芸術花舞台、同年2月にパリの平家物語の世界展・ケルンの平曲鑑賞会、平成13年に大阪国立文楽劇場の邦楽鑑賞会、同年7月にメルボルン大学の国際語り物研究会世界大会、平成14年に国立劇場の琵琶の会など、国内外で活躍。

解説:尾崎正忠(おざき まさただ) 荻野検校顕彰会代表

昭和5年名古屋市で生まれ、愛知県公立高等学校教諭・教頭・校長、名古屋女子大学職員などを歴任。
関係分野の著書に『荻野検校』がある。

第14回平曲鑑賞会―「宇治川」の語りと名古屋の盲人伝承―
申込期間= 2/16(月) 〜5/25(月)

科目コード H09-A01 曜日 土曜日 受講料 3,000円 定員 200人
開講日 6/13(全1回) 時間 14:00〜15:30

授業概要
 
   平曲は「平家物語」を琵琶の音にのせて語る芸能で、当道座の盲人芸能家によって伝承されてきました。明治4年に当道座が解散して平曲の伝承が途絶えた後も、名古屋では独自の組織を作って、その伝統を守ってきました。
 今日では、全国でただ一人の盲人伝承者・今井 勉氏による「宇治川」の語りを鑑賞し、盲人伝承による平曲がなぜ名古屋に残ったのか、その背景を探ります。
授業計画
 
第一部 平曲に親しむ
平曲を鑑賞する前に、本日の語りを例に、平曲の演奏方法と曲節の構成を解説します。
第二部 平曲演奏
演者:国風音楽会会長 今井検校勉
演目:「宇治川」(『平家物語』第9巻2後段)
第三部
解説「名古屋の盲人伝承」
解説者:尾崎正忠
(1)名古屋の平曲
  『 尾張名所図絵付録』の七ツ寺弁天講の図で、江戸期の名古屋で平曲が盛んであった様子を示します。
(2)荻野検校について
  京の職屋敷では、宝暦期に平曲の伝承が途絶える危機に直面していました。この伝承の危機を救ったのが荻野検校(当時は勾当)でした。後、名古屋へ移り、安永5年に平曲譜本『平家正節』を完成させました。
(3)『平家正節』以降の平曲伝承
  荻野検校は『平家正節』完成後も名古屋に留まり、後継者の育成に努めたため、その後の平曲は名古屋が伝承の中心地になりました。
明治4年に当道座が解散した後も、名古屋では荻野の芸脈が守られ、今日に至っています。
第四部 質疑応答
皆さまからのご質問にお答えいたします。
テキスト名・テキスト代
  プリント・プログラム(無料)
教室
  2号館(記念会堂) 講堂
車通学不可
 
本講座は、荻野検校顕彰会との共催となります。荻野検校顕彰会会員の方へは、後日顕彰会より別途ご案内が届きますので、そちらのご案内に沿ってお申し込みください。
本講座に限り、学生(本学を含む全ての大学院・大学・短期大学の在籍生)の受講料は無料です。お申し込みの際に学校名、学年、学籍番号等をお知らせください。なお、当日は学生証をご持参いただきます。
 
受講生のみなさまへ

平曲は物語の場面に応じてさまざまに異なる曲節で語ります。どんな場面で・誰が登場して・どんな状況を語っているのか、物語のストーリーが判っていますと、楽しく鑑賞することができます。
『平家物語』第9巻2 「宇治川」を読んで、どんな合戦であったか、理解したうえでご参加くださるとより一層お楽しみいただけるかと思います。