追究

2019年11月12日

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

2019年9月11日(水) 長久手キャンパス 421教室・422教室

追手門学院大学のライティングセンターと
本学のライティングサポートデスク(WSD)が
共同で研修を実施しました。

 愛知淑徳大学は学生が円滑に高校から大学の学修に移行できるよう、「初年次教育」、とりわけ自分の考えを論理的に説明する「日本語ライティング技術」の向上に力を入れています。その一環として、日本語文章作成の疑問や悩みの窓口として学生たちを支援しているのが「ライティングサポートデスク(通称:WSD)」です。ここではライティングを専門とするアドバイザー(教員)や研修を受けたチューター(大学院生や学部上級生)が、原則1対1で学生の相談に応じています。相談の対象となる文章は授業のレポートや進学・留学・就職関連の書類、スピーチ原稿など実にさまざま。2018年度には約6,900人の学生が相談に訪れ、より良い文章作成のためのヒントをアドバイザーやチューターから得ています。
 このライティングサポートデスクの存在を知り、「ぜひチューターの合同研修をおこないたい」とお声がけいただいたのが、大阪にある追手門学院大学のライティングセンター。本学の教員と協同し、2019年9月11日(水)、追手門学院大学の学生12名・本学の学生18名が参加する合同研修が実施されました。

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

 午前中は互いのライティング支援に関する理解を深めるためのプレゼンテーションが実施されました。追手門学院大学のライティングセンターについてのプレゼンテーションはチューターの金城匠さんが担当。「文章を直すのではなく、良い書き手を育成すること」を目標としていることや「定期的に教授陣が講師として書く技術を伝授する定例セミナーを実施していること」などを語り、途中動画も活用しながら追手門学院大学のライティングセンターについて解説していきました。本学のライティングサポートデスクのプレゼンテーションは佐藤優美さんが担当。相談者とチューターが相談しあってより良い文章を作成していくライティングサポートデスクの指導方針や利用者数などを紹介しながら、ライティングサポートデスクの全体像を紹介していきました。

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

 お昼休憩をはさみ、午後からは互いの文章作成支援(セッション)の模擬体験を実施。学生たちは事前に作成した作文を題材に、相手大学のチューターからアドバイスをもらっていきました。追手門学院大学が愛知淑徳大学に課したのは「提示された絵について題名をつけ、題名をつけた背景やその絵について説明をする文章を書きなさい」という課題。愛知淑徳大学の学生たちは想像力が必要な課題に熱心に取り組み、セッションでは「どうしてその題名をつけたのですか?」「この文章の中で、自分が一番言いたいと思ったところはどこですか?」という追手門学院大学のチューターの問いかけに一つひとつていねいに回答していきました。反対に、愛知淑徳大学が追手門学院大学に課したのは「高等学校の制服を廃止すべきか否か、意見を述べよ」という課題。追手門学院大学の学生は、愛知淑徳大学が用意した「セッションサポートツール」に準じた質問に答えながら、文章の構成などをいま一度確認しつつ、より良い文章の作成に挑んでいきました。

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

2019年度 追手門学院大学・愛知淑徳大学合同研修

 互いのセッションが終了した後は、セッションを通じてどんな気づきが得られたのか、付箋や模造紙を使って振り返りを実施しました。さらに、会の最後にはチームで話し合った振り返りを2分程度で発表。「相談者の意見をすぐに否定せず、相手の立場に立って支援することが大事だとわかった」「相手がどんな悩みを持っているのか、ていねいに聞き出すことが大切だと実感した」などといった意見が発表され、全員で今日の学びを共有していきました。
 追手門学院大学の学生にとっても、本学の学生にとっても、互いの違いや共通する「支援の根幹」に触れることができた今回の合同研修。交流することで得られた学びや刺激をそれぞれの現場に持ち帰り、より一層充実した学修支援を実施していくことでしょう。