追究

2017年02月10日

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

担当:山田和夫先生(非常勤講師・愛知工業大学教授)

材料や構造の正しい知識は、建物の安全性の要。
実験を通して体験的に学びを深めます。

 現代の建築の基盤となる構造物には、コンクリートや鉄鋼が使われています。建築を学ぶ学生は、そうした材料について正しい知識を持ち、材料・構造物としての性能を的確に評価できることが望まれます。「建築材料実験」では、コンクリートを構成する細・粗骨材、調合設計方法、セメントの各種性能やコンクリートと鋼の力学性質(密度、圧縮強度、衝撃・引っぱりに対する強さなど)を調べる試験方法を実践的に学びます。
 授業を担当する山田和夫先生は、「皆さんが卒業後、建設会社や住宅メーカーなどに就職した場合、施工管理の仕事を担当することがあるでしょう。そのとき、とても重要になるのが、建築材料の性能を正しく評価するための試験ができるかどうか。特にコンクリートは目的に応じて強度などを調整していく必要がある、『生き物』のような材料です。将来を見据えてしっかりとした知識・技術を身につけ、建築業界で活躍する底力にしてください」と力強く語りました。学生たちは真剣なまなざしで聞き入り、建物の安全性の基盤となる材料や構造について学びを深めています。

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

【実験例】コンクリート試験

 鉄筋コンクリート構造体の品質を確保するために、コンクリート素材のチェックは欠かせません。この「コンクリート試験」では、フレッシュコンクリート(練混ぜ直後から、型枠内に打ち込まれて、凝結・硬化に至るまでの状態にあるコンクリート)をつくり、コンクリート素材の性質を確かめる二つの試験をおこないます。

スランプ試験

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

 凝固する前の生コンクリートの軟らかさや流動性を示す値「スランプ (slump)」を測定するスランプ試験。値が大きくなるほど流動性が高くなります。コンクリートの試料を型に入れて円柱を成形し、型を外した後、その円柱が何cm低くなるかという数値データによって、軟らかさを評価します。

空気量試験

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「建築材料実験」

 セメント、水、砂利、砂、混和材(空気泡減水剤)を混ぜてつくられる、フレッシュコンクリート。その中に含まれる空気泡を測定するのが「空気量試験」です。空気量が多くなると圧縮強度が低くなるため、適切な空気量にすることでコンクリートの強度や耐久性を向上させます。