健康医療科学部 スポーツ・健康医科学科 池上 康男

池上 康男

健康医療科学部
スポーツ・健康医科学科

“動き”を研究し、スポーツの未来を大きく広げていく。

プロフィール

学歴
  • 1974年3月:名古屋大学理学部物理学科卒業
職歴
  • 1975年5月:名古屋大学総合保健体育科学センター 文部技官
  • 1981年4月:名古屋大学総合保健体育科学センター 講師
  • 1997年4月:名古屋大学総合保健体育科学センター 教授
  • 2010年3月:名古屋大学総合保健体育科学センター センター長
  • 2013年4月現在:愛知淑徳大学健康医療科学部スポーツ・健康医科学科 教授

歩く、走る、跳ぶ、泳ぐ、投げる……さまざまな“動き”の仕組みを解き明かすバイオメカニクス。池上教授は、40年以上にわたってオリンピックや世界陸上などでトップアスリートの“動き”を分析し、各競技の指導に役立つ研究成果を世に送り出してきました。「なぜその動きができるのか、または、できないのか。自分の言葉で論理的に説明できる力が指導者には必要です」と、スポーツの未来を担う若者への期待を込めて語ります。

バイオメカニクスは“動き”を記録することから。

私の専門分野は体育学およびスポーツバイオメカニクスです。バイオメカニクスとは、“動き”を詳細に調べる学問で、まず動きを正確かつ詳細に記録することから始めます。最初は写真や映画撮影により記録をおこなっていましたが、今日では1秒間に何千枚も画像を撮れる高速度ビデオが用いられます。複数のカメラを使うと動きを立体的に3次元でとらえることができます。最も進んだ動きの記録としてモーションキャプチャーなどと呼ばれる装置があり、この装置では身体の各部に小さな反射マーカーを貼りつけ、10台以上のカメラを使って運動中の反射マーカーの動きを自動で、しかも3次元で記録することができます。

分析結果は、競技力の向上や怪我の予防に役立つ。

このような方法で記録された動きを分析し、「時速150kmを超える速球を投げるピッチャーの動きはどこが違うのか」「どうすればフィギュアスケートで4回転のジャンプを成功させることができるのか」といったことを、動きの面(運動学的)と選手が発揮した力や選手に加わる力の面(力学的)から分析しています。優れた選手の動きを詳細に記録、分析することで、スポーツにおいてより高いパフォーマンスを達成するための有力な手掛かりを得ることができます。これらの情報を選手やコーチにフィードバックすることで競技力の向上を目指します。また、動きを詳細に知ることができれば、試合や練習中に発生する怪我の防止にも役立ちます。動きに関して多くの情報が得られることは、スポーツの指導者を志す者を育成する手掛かりにもなります。

大学時代は水泳部。それが研究のきっかけとなった。

私の大学時代の専門は物理でしたが、スポーツバイオメカニクスを志すようになったのは、大学生の時所属していた水泳部の監督で、指導教官でもあった先生が、水泳のバイオメカニクス研究をしていて、その研究を手伝ったのがきっかけでした。その時、手伝いをした分析の対象は1972年のミュンヘンオリンピック100m平泳ぎで見事金メダルを獲得した田口信教選手でした。その頃はまだコンピュータは普及しておらず、分析のレベルは今日とは比べ物にならないものでした。それでも、その当時では革新的であった田口選手の泳法に感心したことを覚えています。

主要著作

  • バイオメカニクス

    バイオメカニクス
    身体運動の科学的基礎

    杏林書院(2004年)
    (PP114-134、PP347-361分担執筆)

  • スポーツバイオメカニクス

    スポーツバイオメカニクス

    朝倉書店(2000年)
    (PP49-52、PP111-114分担執筆)

  • 水泳コーチ教本

    水泳コーチ教本

    大修館書店(1993年)
    (PP41-47分担執筆)

  • スポーツとエネルギー

    スポーツとエネルギー
    -パワーの限界と記録-

    真興交易(株)医書出版部(1991年)
    共訳

  • 新訂水泳指導教本 

    新訂水泳指導教本

    大修館書店(1983年)
    (PP87-97分担執筆)

(2015年7月 取材)