生き方や価値観をも変え得る無限に広がる「文学の力」を伝えられる教員になりたい。
“読書が好き”という単純な理由が、国文学科の志望動機でした。しかし、国文学の学びを進めるうちに、内容を理解し、ストーリーを楽しむだけが本の読み方ではないのだと実感。時代背景を軸に読む、作家の生い立ちをもとに読む、ほかの作品と比較して読むなど、切り口を変えて読み込むことで、同じ作品がまったく異なる表情を持つという文学の奥深さに引き込まれました。そしていつしか、教科としての国語ではなく、人間の生き方にも影響を与え得る「文学の力」を、教員として伝えたいという思いが募るように。一つひとつの作品を読み解くことで養われた思考の柔軟性は、多様な価値観を持つ生徒達と向き合う教育の現場でも役立っています。
卒業生 Q&A
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学科での学びを通じて印象に残っている体験は?
友人と時間を忘れて作品の解釈について意見交換をし、発表の準備をしたこと。教室、図書館、ファストフード店、公園のベンチなど時間ごとに場所を移して、皆で納得がいくまで話しあいました。
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在学中、卒業研究のテーマは何でしたか?
ゼミナールでは、江戸川乱歩の『蟲』という作品について研究し、卒業論文を作成。人間は、他者から見られているか否かによって欲求の制御力が変わるという視点を柱に、作品を読み解きました。
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就職活動での苦労や心に残っていることは?
4年次に受けた教員採用試験が不合格だったこと。自信があった分、とても落ち込みましたが、試験対策講座や合格体験発表会など、大学の手厚いサポートのおかげで1年後に合格することができました。