HOME > 学園長室 > 式辞

式辞

平成29年度 卒業式祝辞

 桜のつぼみもふくらみ、春の息吹が感じられる今日の佳き日、皆さんが卒業という人生の大きな節目を迎えられますこと、心よりお喜び申し上げます。

 皆さんはこれまで何度となく卒業を経験されてきました。
 児童から生徒への旅立ちである小学校からの卒業。自分の将来を見つめ始めた中学校からの卒業。定められた制服と別れ、少し自由な気分となり旅立った高校からの卒業。そして、本日、大学からの卒業の日を迎えました。
 今日の卒業は、今まで児童・生徒・学生と、名は変われど、同世代の仲間たちと共に笑い、共に泣き、共に励まし合い、共に学んだ、16年間にも及ぶ学校での日々に別れを告げ、そこで培い、学んできたことを社会に還元しに行く旅立ちです。
 そして、皆さんを守り支え続けてくれた人たちに感謝をし、これからは支える側、守る側になっていくのだ、との覚悟を抱いた旅立ちでもあります。

 皆さんが旅立つ社会は大きく変わりつつあります。
 かつてどの車にもあった地図帳はなくなり、ナビとなりました。やがて、人工知能の発達により、目的地を設定すれば、自動運転でそこへ行けることも夢ではなくなりました。
 時代は速く大きく変化しています。そんな時代に大切なことは何でしょうか。

 多くの皆さんが生まれた1996年に、高等専門学校の学生が「インターネット会社」を起業し、ホスティングサービスを開始しました。その会社は今では東証1部上場会社へと発展しています。その社長のブログで、今の時代に大切なこととして「変化の中でしっかりと学び続け、色んな経験をすること」をあげています。これは日進月歩のネット業界では当然のことでしょう。しかし、それとともに、次のようにも述べています。「他の考え方を排除せず、寛容かつ柔軟な考え方を持ち続けなければ、この先生き残れないのではないか」
 最先端のインターネット企業の若干40歳の社長が、生き残りに大切なこととしてあげた「他の考え方を排除せず寛容かつ柔軟な考え方」とは、まさに本学の「違いを生きる」理念です。

 もう一つ例をあげます。近年急成長している広告クリエータ集団の会社のホームページに、活躍する社員のブログが紹介されています。その一人が次のように述べています。『ソーシャルメディアの本質は「誰でもメディア」全ては個人につながっているのだから、「人の気持ちを大切に」を基本としています。』
 この「人の気持ちを大切に」も「違いを共に生きる」につながります。

 時代は大きく変化しており、それに遅れることなく対応していくことは勿論大切です。しかし、「違いを共に生きる」は、いつの時代にも変わることなく大切な理念なのです。

 どうぞ皆さん、本学の卒業生であることに自信と誇りを持って、社会に旅立って行って下さい。

 人は様々の出会いと別れを繰り返していきます。そして、その一つ一つがその人の人生を作り上げていきます。
 皆さんは愛知淑徳と出会い、多くの友人、先生、学問と出会いました。そして、新たな出会いを求めて羽ばたいていかれます。

 大学歌の一節のごとく「天の深みへ夢掲げて」旅立って下さい。
 皆さんの洋々たる未来を祝福します。
 おめでとうございます。

 平成30年3月16日

理事長 小林 素文