交流

2024年01月18日

ジェンダー・女性学研究所 岐阜県人権擁護委員会大垣協議会来訪

2022年12月11日(月)長久手キャンパス8号棟 ジェンダー・女性学研究所

岐阜県の人権擁護委員会 大垣協議会
不破委員会の皆さまが、ジェンダー研修のために
ご来訪いただきました。

 本学には、男女共同参画社会の実現を目的に開設された「ジェンダー・女性学研究所」があります。性別役割分業の実態を研究し、性に関する差別や人権侵害について情報を収集・発信することで、ジェンダー規範や偏見に囚われない多様性を尊重できる人材育成を目指しています。
 今回、岐阜県の人権擁護委員 大垣協議会 不破委員会の皆さまから、男女共同参画社会の実現や女性活躍、多様性についての研修をおこないたい申し出があり、12月11日(月)長久手キャンパスの8号棟にある同研究所にご来訪いただきました。冒頭、代表者さまからは「まだまだ男性は男らしく、女性は女らしくという意識が根強く残っているなか、時代に合わせてこのような固定概念を払拭していきたい。ぜひ専門家からジェンダーについて学ばせていただきたい」とご挨拶されました。

 研修会は同研究所の反橋一憲先生が主導で講義を実施。最初に本学と同研究所の紹介をし、特に1995年に開所した同研究所は、共学大学として全国初のジェンダー研究機関であることを強調されました。その後、日本の男女共同参画の現況について述べ、女性の年齢別労働力率の推移や民間企業の管理職における女性の割合、男女の給与格差など、内閣府が発行する『男女共同参画白書(令和5年版)』に掲載されたデータを中心に説明していきました。また反橋先生の専門分野である教育における男女間格差においては、時代が進むごとに大学進学の男女間格差は小さくなってきているが、理系や文系によって男女に差が見られることに注目。この結果を受けて学校では男女平等の理念を教えられているものの、進路指導などでは男女間で異なる取り扱いがされている可能性があることを指摘しました。このことは「⼥性は理系に不向き」という先⼊観が無意識に刷り込まれている⼀例として説明され、不破委員会の皆さまは大きく頷いていらっしゃいました。また、同研究所の今後についても言及。2024年度から「ダイバーシティ共生センター」へ名称変更するとともに、ジェンダーだけでなく、国籍、障がい、人種などの違いによる差別や不平等問題も扱うことを紹介し、男女共同参画社会や多様性を尊重できる社会の実現に向けて、今後も研究や活動を進めていくと話しました。

 最後に質疑応答として「男女平等と言うが、それぞれの特性を生かし合うことが本当の男女平等につながるのではないか?」といった本質的な質問をはじめ「研究所の男女比率は?」、「大学の講義でもジェンダー関連のものはあるのか?」など、幅広い質問が飛び交いました。
 不破委員会の皆さまからは「普段、ジェンダーや女性活躍などの研究に携わっている方々と触れ合う機会がないので、今回はとてもいい経験になりました。また、性差とは何かをあらためて考えるきっかけになりました」と感想を話していただきました。このような研修会を通して、皆さまの業務に少しでも役立てられることを願っています。