追究

2021年09月09日

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

2021年7月26日(月) 長久手キャンパス 8号棟5階 製図室1

新たなピクニックを提案せよ。その課題に、
1年生たちが仲間と共に、挑みました。

 本学の建築・インテリアデザイン専攻は、建築・インテリアデザインの基礎から応用まで学ぶことができ、一級建築士やインテリアプランナー、インテリアコーディネーターの資格取得もめざすことができます。そして、空間づくりやまちづくりの学びを通じて、歴史・文化・環境・経済といったその背景を知り、考察することで、広く社会を捉える視点も養います。また、学生同士、そして学生と教員のコミュニケーションを大切にしています。柱や壁がほとんどない空間で、全学年の学生が集い、作業できる「製図室」があり、準備室には助教や助手が常駐して、授業や課題について気軽に相談できる環境が整っています。さらに、グループ作業をする授業も多く用意されており、1年次から共同作業を通じて意見を交わしあい、より良いものを生み出す力を養っています。

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

 その代表的な授業の一つが「ベーシックデザインA」です。入学したばかりの1年生が受講する授業で、授業の締めくくりにあたる第3課題は、学籍番号順に割り振られた4人程のグループで取り組みます。テーマは「ピクニックデザイン」です。新しい切り口を持ったピクニックを考え、道具を用意し、場所を選定して、実際にピクニックを行ったうえで、プレゼンテーションをして、自らの企画を提案するという課題です。2021年7月26日(月)には、自分たちが考えた新しいピクニックについて提案する講評会を実施しました。学生たちは、自らの企画案をまとめたパネルを表示し、ピクニックのためにつくった道具を見せながら、自分たちのアイデアを発表していきました。

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

建築・インテリアデザイン専攻 ベーシックデザインA 講評会

 発表では、「0円ピクニック」というコンセプトのもと、道具をすべて廃材や古着などで作って実施したピクニックや、ビニール傘を組み合わせてテントのようなものをつくり、ドーム状の空間で開催したピクニック、過剰な排除アートに警鐘を鳴らしたいと表現したピクニックなど、多彩なピクニックが提案され、発表を聞く学生たちは、仲間が披露するさまざまな切り口に、多くの刺激を受けている様子でした。
 発表が終わると、一つひとつの作品に対し、「ベーシックデザインA」を担当する3名の教員が講評しました。例えば「着眼点は面白いけれど、コンセプトと表現に乖離を感じる」「既存のものを利用して新たなものを生み出したことは良かったけれど、もうひと工夫あったら」「コンセプトに適した場の設定が良かった」などとコメント。提案をより良くするためのヒントを丁寧に授けました。
 すべての審査を終えた3名の教員は、「この授業を通じて、コンセプトと表現次第で、同じテーマでもさまざまな提案ができることを感じてもらいたかった。そのうえで、“デザインは楽しい”と実感を胸に、次の課題につなげてもらえれば」と学生たちにエールを贈り、「引き続き、みなさんの学びをサポートしていきたい」と語りました。
 さらに授業の最後には、3名の教員による厳正なる審査の結果、最優秀作品が決定。「江戸時代にもしもピクニックがあったなら」と想像を膨らませ、衣装・小道具・空間など、細部にわたって「江戸時代のピクニック」を表現したグループが選ばれました。
 「ベーシックデザインA」の共同作業を通じ、仲間と協力しあう楽しさを知り、デザインの可能性を実感することができた学生たち。これから本格化する授業を通じて、表現する力や伝える力を磨き、その過程で自らの人間性も養っていくことでしょう。本専攻では実践的な学びの場を数多く用意し、学生たちの成長を力強く後押ししていきます。