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2022年03月07日

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

(提供:中京テレビ放送株式会社、撮影:富樫佳織)

 社会や企業との連携に積極的に取り組む創造表現学部 メディアプロデュース専攻 富樫佳織ゼミ4年生が、2021年12月17日に三井物産株式会社・中京テレビ放送株式会社との連携によるメタバースでの授業に参加しました。

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

■メタバース授業の様子(提供:中京テレビ放送株式会社)

 今回の試みは、三井物産と中京テレビとの合同事業で実証実験をおこなっている、人口減少地域の高校を対象としたメタバース空間での教育活動です。参加したのは、愛知県豊川市の愛知県立御津高等学校と、新城市の愛知県立新城有教館高等学校、本学 創造表現学部 メディアプロデュース専攻 富樫ゼミの4年生です。
 御津高等学校と新城有教館高等学校がある東三河地域は、十代の人口が減少傾向にあります。今後の教育課題解決の一つとして、距離の離れた高校同士がバーチャル空間でディスカッションやグループワークを伴う授業実施の実証実験を行いました。メタバースのような「デジタル技術を活用した協働学習」、また今回の試みのような「学校の壁を越えた学習」は、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の中でも重要視されています。

 合同授業のテーマは「こんなこと、こんなもの紹介したいな。AICHI! NIPPON!」。内容は、御津高等学校と新城有教館高等学校の高校生が混合のグループを作って、ケニアから来日する高校生に向けて愛知県を満喫するツアープランを考える、というものです。

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

■メタバース授業に参加する高校生
 (提供:中京テレビ放送株式会社)

 富樫ゼミの4年生は、それぞれのグループが外国から来た高校生に向けたツアープランを考える上で、どのような企画が外国人に楽しんでもらえるか、愛知県をアピールするためにどのような視点を持ったら良いかの取材を受け、アドバイスをする役割です。まず、高校生たちはグループで海外から来るゲストのために自分たちでツアープランを練り、その内容についての補足や企画の方向性について、富樫ゼミの4年生の意見をメタバースの空間で質問をしました。Tシャツを着ているアバターが高校生、スーツのアバターが富樫ゼミの4年生です。

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

(提供:中京テレビ放送株式会社、撮影:富樫佳織)

 今回のテーマや試みでは、2020年度、コロナ禍の渦中にゼミがオンラインで行われる中で学生たちが取り組んだ「オンライン・ティザー・トリップ」の経験が活かされました。

オンライン・ティザー・トリップの「AS!LIVE 」記事はこちら

 高校生とのディスカッションでは、「日本にしかない卵かけご飯が食べられる施設を紹介したい」という質問に対し、大学生から「生卵を食べない文化の国もあるけれど、そこは調べた?」といった、国外の人に向けたツアープランを企画する際に重要な相手の文化を調査する必要性や、「海外の人は、ツアーの中で紹介する場所の歴史を説明するとよく理解してくれる」「こちらから一方的に情報を提供するのではなく、相手の国の文化を教えてもらえるテーマを考えるとコミュニケーションが活発になる」など、実際にオンラインでのツアー企画を実践し経験した上でのアドバイスをしました。

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

(提供:中京テレビ放送株式会社、撮影:富樫佳織)

 最後は大きな会場に集合して、高校生たちがゼミ生への取材を元にした企画発表をおこないました。ゼミ生からは「自分たちがアドバイスした内容を持ち帰って、短い時間でグループの企画に上手に反映していて素晴らしいと思った」「普段会ったこともない他の高校の生徒とグループワークで話をまとめられるのはVRだからだと思う」「初対面の大学生に、一人で質問にきた高校生がいた。自分の立場に置き換えると、とても勇気がいることなのでVR空間やアバターならではの、知らない人と話すハードルが下がるという効果があったのではないか」といった意見が出ました。

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

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■授業での最終発表(提供:中京テレビ放送株式会社)

 このメタバースでの授業実践を行った1週間後、中村区にある中京テレビ放送を訪問し、事業担当のビジネス・プロデュース部の市健治部長をはじめとした社員の方々と、メタバース授業を経験した上での意見交換をおこないました。
 ゼミ生たちは「アバターになることでコミュニケーションが楽になるメリットを生かして、 “びっくりマーク”や“笑顔マーク”といった感情を表現する機能があれば参加する学生の親近感が高まるのではないか」「小さなグループでディスカションをする時も簡単に資料などを共有できる仕組みがあると、より具体的な話ができるのではないか」といった提案をしました。

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■中京テレビ放送株式会社・市部長とのディスカッション

 アバターでコミュニケーションをおこなうメリットとしては他に「高校生なのに、初めて会う大学生に堂々と質問をしたり、会話ができるのはすごいことだと感じた」ことから、メタバース空間の教育活動が、普段は質問しづらかったり、人前で話しづらい学生が積極的に学べる場になるため、今後の高校や大学の授業にぜひ取り入れてほしいという意見もお伝えしました。
 ディスカッションの後は、中京テレビ放送の社員さんに社内をご案内していただき、普段親しんでいる番組のスタジオやニュース番組の制作フローを学べる現場見学をし、メディアでの情報発信をプロフェッショナルがどのようにおこなっているかを学びました。

創造表現学部 富樫ゼミが日本初!メタバースでの高大合同授業に参加

■中京テレビ放送株式会社 社内見学の様子

富樫ゼミ4年生が参加したメタバースでの授業の様子は、中京テレビ株式会社の公式動画として配信されています。ぜひご覧ください。
【YouTubeチャンネル「中京テレビSWINGプロジェクト」】
https://www.youtube.com/watch?v=ubSGO2I5FRY

中京テレビ放送株式会社発行プレスリリース
「日本初!?県立高校2校と大学生がバーチャル空間で一緒に授業」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000039863.html