神谷勇机+石川翔一 1-1 Architects展|講演会を開催しました。

専攻運営のミニギャラリーにて、「1-1 Architects」の作品展を10月17日〜26日に開催。18日には石川翔一氏の講演会を開催しました。講演会には、本専攻の1〜4年生に加え、他大学の学生や社会人の方も多く来聴いただきました。

講演会当日は、おふたりが1-1 Architectsになるまで、1-1 Architectsの魅力的な作品について、今回の展示で考えたこと、考え続けている「境界」のことなどをお話し頂きました。印象的だったのは、石川さんの言葉がとても心地がよく、するすると聴き手の中に入ってきたこと。作品ができるまでのプロセスが皆と共有するかのように語られているため、聴き手が一緒にその作品をつくっているような錯覚、疑似体験に近いものがあったのだと思います。その証拠に…ではありませんが、ふと見ると、学生のノートには大量のメモ書きが。伝わりやすい、伝えることの大切さを学生も実感したことでしょう。

1-1 Architectsでは、お施主さんへのアプローチも大変考えられており、楽しませる、飽きさせないプレゼンテーションを心がけているとのこと。そういった経験の積み重ねが講演会の節々に現れていたようでした。

 

そして、今回の「神谷勇机+石川翔一 1-1 Architects展」の展示で考えたことについて。展示は、普段梱包材として使われる巻きダンボールをギャラリーの床に敷き詰め、所々にこぶのようなものが設けられ、その上に縮尺の違う模型と添景の人が展示されています。展示を見る為にはくつを脱いて足を踏み入れます。特筆すべきはキャプションの少なさ。これは、説明不足という意味ではなく、訪れた人が限られたテキストを咀嚼し、歩き回って発見することそのものが、作品をからめたインスタレーションになっています。その答え合わせをするかのように、講演会で語られたこと。「みなさん巻きダンボールの山は踏んでいましたが、こぶのような山は踏んでいませんでした。」つまり、小さな山は踏めるけど、大きな山は踏めない。深層心理をつくような、何かしらの「境界」がそこに発生していた。と。おふたりが考え続けている「境界」が具現化されたインスタレーションだったと改めて気付いた瞬間でした。

 

そして、講演会後には石川さんを囲んで懇親会を行いました。積極的に質問をする学生。皆にとっては普段接する先生方よりも遥かに自分たちの年齢に近く、親近感を感じつつも、一方で目標のような存在に映っているようでした。

 

せっかくの良い機会ですので、と突然のリクエストにも快く応じていただき、展示作品の前で、模型の表現方法や作り方、考え方についてミニレクチャーをして頂きました。

当時の製作話や、スタディ段階での模型の表現、素材の選択、さらにプロジェクトを進める上で「大切にしているスピード感」や、プレゼンテーションの手法につてもお話頂きました。学生にとっても模型表現や課題を進める上でのスピード感、プレゼンテーション手法は直感的に響く内容で、大変参考になったようでした。個々の課題に生かされることを期待します。

長時間おつきあい頂いた石川さん、ご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございました。

 

展覧会は引続き、10月26日(木)まで開催しております。どなたでもご覧頂けますので、ぜひご来場ください。

|神谷勇机+石川翔一 1-1 Architects展|

開催期間:2017年10月17日(火)〜2017年10月26日(木) 土日休・入場無料
開館時間:10:00 〜18:30
場所  :愛知淑徳大学 長久手キャンパス 8号棟5階ミニギャラリー
〒480-1197 愛知県長久手市片平二丁目9

 

専攻運営ミニギャラリーでは、学生が日常的に優れたデザインと場を共にするため、活躍する建築家・デザイナー・アーティストの模型やパネル作品の展示を定期的に開催しております。

〈お問い合わせ〉
愛知淑徳大学 長久手キャンパス
8号棟5階 建築・インテリアデザイン専攻準備室
TEL 0561-62-4111(内線2840・2848)/FAX 0561-63-1996