追究
2025年06月04日
ビジネス学部 大塚ゼミ×スパゲッティハウスヨコイ 産学連携キックオフ
2025年度 ビジネス学部 展示会・講演会・発表会 産官学連携

2025年4月10日(木)星が丘55B教室
名古屋のご当地グルメあんかけスパゲッティの老舗店「スパゲッティハウスヨコイ」とのコラボレーションが実現!
愛知淑徳大学のビジネス学部の大塚ゼミは、マーケティングを専門に学ぶゼミナールです。学部での学びを実社会で活用できるスキルやノウハウへと昇華させるために、大塚ゼミでは実践的な活動が中心。体験的に知識を身につけ、スキルを磨いています。
そんな実践的な活動の一つが企業とコラボレーションする産学連携プロジェクトです。毎年、大塚ゼミの2年生が東海エリアの企業と連携し、企業の課題解決につながる企画を提案してきました。2025年度はスパゲッティハウスヨコイ様とコラボレーション。企業と学生たちが意見交換をしたり、実際のメニューや商品を味わったりしながら課題を見つけ出すところからスタートし、約半年間かけてプロジェクトを完遂します。
2月12日(水)に、キックオフミーティングに先立ち、スパゲッティハウスヨコイ様の店舗にて、スパゲッティの調理風景や店内の様子、試食や横井社長からお話を伺い、コラボレーションに対しての意欲を高めました。
そして、4月10日(木)に「キックオフミーティング」が実施され、「あんかけスパゲッティを次世代へ普及するためには」というテーマで大塚ゼミの学生たちが調査・立案したマーケティング案やPR手法、商品案をプレゼンテーションしました。
この日、星ヶ丘キャンパスにお越しくださったのはスパゲッティハウスヨコイの横井社長とヨコイの麺を製造する日本製麻株式会社のボルカノ食品事業部の吉川様。ミーティングに先立ち学生代表者による挨拶が終わると、名刺交換タイムに。スーツ姿に身を包んだ学生たちが礼儀正しく名刺交換する様子は本物のビジネスシーンのようでした。その後、大塚ゼミの3チームによるプレゼンテーションに移りました。プレゼンテーションが終わると横井さんと吉川さんが各チームのテーブルにつき、学生たちと15分間の懇談がおこなわれました。ここで提案された商品の試食や企画に対する具体的なアドバイスがあり、学生たちは横井さん達からのフィードバックを真剣な表情で聞き、企画のブラッシュアップに向けて意欲を高めていました。
各チームの企画案をご紹介します。
チーム:生チョコ
このチームは若い世代の健康意識を調査。「健康や美容のために食生活や栄養バランスを気にしますか」というアンケートでは72%の人が「はい」と答えましたが、一方で「あんかけスパゲッティのカロリーが高いと思うか」というアンケートでは75%の人が「はい」と回答しました。この結果を受け、学生たちは「食意識が高まる 20代のニーズにあんかけスパゲッティは該当しないのではないか」という仮説を立て、ヘルシー思考の新メニューを立案。「大豆麺を使った進化系あんかけスパゲッティ」「トウモロコシ粉を使った大豆麺タコス」「あんかけプリン」の3メニューを提案し、それぞれのメニュー立案に至った市場ニーズや価格設定などを紹介しました。またそれらをキッチンカーで販売することで若い世代への認知度を高めていきますと発表すると横井社長は大きく頷いていました。
プレゼンテーション後の懇談では、タコスとプリンの試食がおこなわれました。タコスソースの辛味はスパゲッティソースに似ていることもあり相性が良く、あんかけプリンは今までにない味ではあるもののクセになりそうな味わいで「今後、深掘りすると面白いかもしれない」と評価をいただきました。大豆麺に関しては、ボルカノの工場で製造可能であれば商品化もあり得るとの回答をいただき、学生たちは今後の展開に期待を高めていました。
チーム:Next Break
このチームは小学生のお子さんを持つ親子をターゲットにパスタについてのアンケートを実施。その結果、お子さんに食べさせるパスタの種類はカルボナーラやナポリタンが多く、あんかけスパゲッティは認知度が低いとわかりました。またパスタを食べさせるときの悩みとして「長い麺で口元や服が汚れやすい」と言った回答にも注目。そこで「食べて学ぶ、作ってミラペン」と題して、お子様向けの新プレートと調理体験による食育活動を提案しました。ミラペンとはあんかけスパゲッティの代表メニュー「ミラカン」のミラと、「ペンネ」のペンを合わせたメニュー名です。スパゲッティのソースの辛みを抑えて甘みのある味わいにし、さらにお子さんでも食べやすいように麺をペンネに変えました。ミラカンの風味を残しつつ子どもに焦点を当てた新メニューとして紹介すると横井さんたちも関心を寄せていました。さらに横井さんが興味を示したのは、調理体験による食育活動です。ヨコイ本店は広いオープンキッチンを有しているため、ランチとディナーの間のお客様が少ない時間帯を活用して食育イベントをおこなうことでファミリー世代への認知を広げるアイデアに横井さんも興味津々でした。
この提案に対し、懇談では横井さんから「体験型イベントはやってみたいと思いつつ、なかなか企画できなかったので夏休みなどにぜひ開催したいですね」と前向きなフィードバックをいただきました。
チーム:ダウンタウン
このチームはターゲットを、あんかけスパゲッティが好きな「ヘビー層」と、まだ食べたことがない「ライト層」に分けて、その両方にアプローチする企画を提案しました。まず「ライト層」に向けては、「あんスパパン」「あんホットドッグ」の2種類の新メニューを考案し、キッチンカーでの販売を考えました。あんかけスパゲッティを食べたことがない人たちに、まず特徴あるソース(あん)の味を知ってもらおうという提案です。ファストフードのように手軽に食べられるようにして認知度を高めます。「ヘビー層」に対しては、「あんスパマップ」を作成して、ヨコイだけにとどまらず他店舗の情報も掲載し、名古屋のソウルフードとしてコアファンに楽しんでもらう作戦です。また他店舗の味も楽しめる「あん比べセット」も用意し、自分好みの味を見つけるというアイデアもありました。
懇談で横井さんは「あんスパマップ」に興味を示し、「あんかけスパゲッティを広めるために同業種の方々と協会を作りたいと常々考えていました。その一歩としてマップ作成はいいアイデアです。マップから得られる店舗情報を若い世代が知りたい情報にするよう工夫して、そこからのマネタイズも考えていきたいですね」と高い評価をいただきました。
最後の総評で、大塚先生はゼミの目的は「将来、稼げる人になること」と話し、そのために企画立案だけでなく、それを動かせる力を身につけることの大切さを話してくださいました。
また、こうして企業の方々が学生たちに真剣に関わってくれることへの感謝の気持ちも伝え、これから企画が実現に向けてブラッシュアップされることに期待を寄せていました。