成長

2013年03月20日

大学の恵まれた環境や人とのつながりを力にして研究に打ち込み、特別研究員としての採用も実現。

vol.16

コミュニケーション学部 コミュニケーション心理学科 OB

愛知淑徳大学での恵まれた環境や人とのつながりが、研究の力になっています。

心理学の4つの専門領域を網羅し、社会で広く役立つ心理学の可能性を確信した大学での学び。より専門的な実験がおこなえる充実した研究施設・設備。熱心に指導してくださる先生方や互いに高め合える仲間・先輩・後輩たち。愛知淑徳大学で心理学を学ぶ環境や人との出会いに恵まれ、現在も大学院で心理学の研究に力を注いでいます。
もともと臨床心理士をめざしてコミュニケーション心理学科(現・心理学部 心理学科)に入学しました。心理学を幅広く学ぶ中で、脳の仕組みの解明に医学的な視点でアプローチするというベーシックな心理学への関心が高まり、研究者の道を志すようになりました。そんな大学時代に出会った研究テーマが、「視覚情報の制御に関する認知神経心理学的検討」です。大学3年~4年の2年間の研究だけでは知識が足りないと感じ、大学院進学を決意。博士前期課程1年から、大学で身につけた心理学に関する多様な知識を活かし、また、各専門領域の先生方の意見を積極的に聞きながら、専門性を深めていきました。そして、研究成果を学会や研究論文を通して発表する中で、さらに突き詰めていくと認知症などの指標にも役立てられるという研究の意義を実感しました。

「人の役に立ちたい。」その思いを大切にして、研究にさらに打ち込みます。

 博士前期課程2年のとき、研究により力を入れたいと意欲が高まり、研究活動をバックアップしていただける日本学術振興会の「特別研究員制度」に応募しました。研究計画や研究実績が厳しく審査され、採用率はわずか約30%という難関でしたが、計画書の添削を先生に何度もしていただくなど万全の準備を進めました。結果、東京大学や京都大学など全国の名だたる大学の院生たちとともに、特別研究員として採用されました。心理学の研究に惹かれたときから積み重ねてきた努力や研究への熱意が大きなチャンスにつながったと実感するとともに、支えてくれるすべての人への感謝の気持ちを強く感じました。
研究への意欲の根底には、「人の役に立ちたい」という思いがあります。心理学は、ひとつのメカニズムを明らかにするにもさまざまなアクセスの仕方があり、逆にひとつのことがわかれば応用がきき、人や社会のために広く役立てることができます。だからこそ好奇心やチャレンジ精神が刺激され、将来的には海外の大学で最先端の研究にふれ、研究者としての力を鍛えたいと考えています。そして日本の心理学研究のレベル向上に貢献し、「人の役に立ちたい」という初志を貫きたいと思います。その一歩として、今後、目標とする研究成果を挙げられるように、より一層研究に情熱を注ぎます。

2011年3月 取材