追究

2017年08月23日

メディアプロデュース学部(現・創造表現学部)石丸ゼミ 長久手スイーツ「血の池タルト」考案・販売

長久手スイーツ「血の池タルト」考案・販売

平成29年5月21日(日) 愛・地球博記念公園(長久手市)

長久手市の新しい名物となるスイーツ「血の池タルト」。
学生が市民の方々と協働して生み出し、地域の魅力とともに広めています。

 「人と人をつなぐコミュニケーションデザイン」を追究する、メディアプロデュース学部(現・創造表現学部)石丸ゼミ。地域と連携した実践的な学びに力を注いでいます。2014年に愛知中央青年会議所や市民の方々と協力して映画制作プロジェクト「百年森映画祭」に取り組み、『未来(100年後)へのとびら』を制作・上映しました。この映画作品のストーリーのカギとなったのが、「ふるさとフード」です。地域活性化につながる新たな郷土料理をつくろうと、映画だけにとどまらず、学生たちは長久手市の郷土食に関するワークショップにも参加しました。その活動を次の代のゼミ生も受け継ぎ、長久手市でフィールドワークを実施。地元の歴史への理解を深めました。

 こうした学びを地域に還元するため、2015年、石丸ゼミの学生たちは「長久手の新名物の開発」に挑みました。市民の方々と「ふるさとフード研究会」を立ち上げ、話し合いを重ねた末、地元産のイチジクを使った「血の池タルト」を考案しました。タルト生地にアーモンドクリームとラズベリーソース、イチジクやイチゴのジャムを乗せた、甘酸っぱいスイーツです。当初、学生たちが自分たちで試作品をつくっていましたが、市内の洋菓子店にご協力いただき、素材や味、食感にこだわったタルトを完成させることができました。商品名の由来である「血の池」は、1583年の小牧・長久手の戦いで徳川家康の軍隊が刀や槍を洗ったとされる池であり、現在は埋め立てられ公園となっています。この地域の歴史や戦国時代に関心を持つきっかけになればと考え、学生たちは人々の興味を引く「血の池タルト」という奇抜なネーミングに決定しました。

長久手スイーツ「血の池タルト」考案・販売

長久手スイーツ「血の池タルト」考案・販売

 2016年、石丸ゼミの学生たちはゼミ内で「血の池タルト」のロゴマークやパッケージデザインのコンペティションを実施。商品化に向けてPRのためのCMやTシャツなども制作しました。そして、長久手名物として本格的に売り出すことをめざし、2017年4月からは愛・地球博記念公園内のカフェで毎月1回の限定販売をスタートさせました。2回目の販売日となった5月21日(日)は、公園内でイベントがあったこともあり、用意した80個がすぐに完売。学生たちや石丸先生は呼び込みに力を入れ、訪れる人々と積極的にコミュニケーションしながら次なるプロモーション方法を模索していました。

長久手スイーツ「血の池タルト」考案・販売

長久手スイーツ「血の池タルト」考案・販売

 今後、学生たちは月一の販売を継続して多くの人の意見を聞きながら、「血の池タルト」を広めるためにSNSなどの活用方法を検討していきます。学生たちは「『血の池タルト』をきっかけに長久手市の歴史や伝統文化などに興味を持ち、まちへの思いが深まっていくといいなと考えています。先輩たちから引き継いだこの活動をさらに発展させ、後輩へと受け継ぎ、長い目で見て地域に貢献していきたいと思います」と話しました。地域の歴史をふまえ、新たな名物をカタチにしようと、実行・検証・改善のプロセスを積み重ねる学生たち。「人と人をつなぐコミュニケーションデザイン」を現場に出て追究し、地域の新しい魅力を未来につないでいくことでしょう。