追究

2024年01月30日

ジェンダー・女性学研究所講演会「LGBT・性別ってなんだろう?~同じ人はひとりもいない!だれもが自分らしく生きられる社会へ~」

2024年1月5日(金)長久手キャンパス

トランスジェンダー男性当事者を講師としてお招きし、講演会を開催しました。

 ジェンダー・女性学研究所では、講演会やセミナーを開催してジェンダーについての知見を学ぶことができる機会を提供しています。
 2024年1月5日(金)に、「LGBT・性別ってなんだろう?~同じ人はひとりもいない!だれもが自分らしく生きられる社会へ~」と題した講演会を開催し、性的マイノリティや性別の多様性についての理解を深めつつ、本学の理念である「違いを共に生きる」を実現するために必要な知見を得ることを目的としました。

 講師は、NPO法人若者メンタルサポート協会でセクシュアルマイノリティ部門長を務められる辻瑞季様です。辻様は、自身が出生時に女性として性別を割り当てられたトランジェスター男性当事者として、トランスジェンダー当事者の支援を実施されています。講演では、主にご自身のこれまでの経験をお話しいただきました。辻様は幼稚園の頃に自身の性別が男性であることを自覚されました。とはいえ、ほかにご自身と同じような存在の人がいることを知る機会がなかったこともあり、小学校高学年のときに、一度は女性として生きていくことを決意されました。しかし、中高生のころにインターネットが普及して自身と同様の境遇にいる人が存在することを知ると、「自分の生きる方法があったのだ」と思い、周囲にカミングアウトをするようになりました。さらには、性同一性障害が「障がい」として扱われることに対しては「社会の側に障がいがあるのではないか」と疑問を抱かれ、まずは当事者の存在が可視化される必要があるとの考えから、メディアにも積極的に出演されました。
 参加者からは多くの質問が寄せられ、活発な議論が行われました。例えば、修学旅行に参加して入浴時に周囲から身体を見られることになぜ苦痛を感じるのかという質問に対して、辻様からは「身体を見られて、女性として認識されることに苦痛を感じる」という回答がありました。ほかにも、トランスジェンダー当事者に対する社会からの眼差しの変化や、LGBT理解増進法の制定などにも話題が及びました。
 この講演会で、実際に当事者からのお話を聞き、参加者の皆さんは多くのことを学び得ることができた様子でした。ジェンダー・女性学研究所はこれからも、学生・教職員の皆様に有益な学びの場を提供していきます。