追究

2024年03月22日

第24回図書館<書評>大賞

2024年1月9日(火)、11日(木)長久手キャンパス図書館

第24回図書館<書評>大賞で、
8名の学生が選ばれ、授賞式がおこなわれました。

 2024年1月9日(火)11日(木)、長久手キャンパスの図書館で第24回図書館<書評>大賞の授賞式がおこなわれました。
 <書評>大賞は質、量ともに優れた本学の図書館資料をより有効に活用し、本学学生の文化的・知的活動のさらなる発展につなげることと、学生の批評能力・文章作成能力の向上を通して、本学の教育活動の質的充実に貢献することを目的として創設されました。

 授賞式の冒頭、図書館長から「授賞式にたくさんの方に来ていただき、ありがとうございます。受賞者の成果を皆さんで祝いたいと思います」と挨拶。「皆さんの書評は大学の宝であり、図書館の広報誌「Lib.let(りぶれっと)」に掲載することで、外部に発信され広まっていくことを期待しています」と述べられました。
 その後、各賞の賞状と副賞の授与がおこなわれ、受賞学生がコメントをしました。

 賞状・副賞の授与と学生からのコメントが終わると選考委員である橋本先生と松田先生から一言ずつ講評をいただきました。橋本先生からは「SNSでの投稿はネタバレ禁止という暗黙の了解がありますが、書評はそんなことを気にせず、具体的に書くことが大切。その人の物事の見方、考え方を通して読み手に本の良さを伝えてほしい」と述べられました。松田先生からは「書評はその本を手に取ってもらうことがゴールです。それを意識して書くのが大切。書評を読むことで、多くの人にその本の魅力が広がっていくことが重要です」と話していただきました。

大賞

創造表現学部 創作表現専攻3年
加藤 遥大さん
「子供は家族にとって邪魔者なのか」

 エドワード・ゴーリー著『うろんな客』について書きました。この本は高校生のときに初めて読んだ本で、小気味良いリズムで楽しく読めました。まさか大賞をいただけるとは思いも寄りませんでした。準大賞を受賞した山本くんは僕の友だちで、この賞に応募したのも彼からの勧めがあってのこと。本当にびっくりしています。

準大賞

教育学研究科 発達教育専攻
子ども発達専修1年
天木 優海さん
「人間であるからには・・」

 吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』について書きました。映画が話題となり、院の先生からも薦められたのがきっかけです。自分がどう生きていくのかなんて、これまで考えたこともありませんでしたが、大学生になってこの本と出合ったことで、自分を見つめ直し、太い芯を持った生き方をしたいと思うようになりました。私の書評がこの本に出合うきっかけになってくれたら嬉しいです。

人間情報学部4年
橋本 桜さん
「静かに心を映し出す」

 今回、初めて書評に応募しました。河野裕著『いなくなれ、群青』を読み、人の欠点に触れる本だと思い、ここ数年は、私も自分の価値観や文章に自信を失いかけていたこともあり、自分と重ね合わせて読みました。書評はこれまで自分が隠していた心をさらけ出して書くことができ、それが評価されたことで自信につながりました。

創造表現学部 創作表現専攻3年
山本 修平さん
「その価値観は誰のもの」

 1年の頃から応募を続け、佳作と準大賞は取れたものの、いつかは大賞を取りたいと思い、今回は村田沙耶香著『しろいろの街の、その骨の体温の』で応募しました。友だちの加藤くんに声を掛け、彼が大賞を取ったのは嬉しくもありましたが、次はもっといい作品を書いて、大賞を取りたいと思います。

佳作

文学部 教育学科2年
杉 春香さん
「芸術の源、こじらせ恋愛エネルギー」

 友だちが図書館に行くというので付いていき、そこで手に取った本がナカムラクニオ著『こじらせ恋愛美術館』。もともと本を読むのも文章を書くのも好きなので、書評を書く事は、とても楽しかったです。次回の書評にも、応募したいと思います。

人間情報学部2年
内海 真菜さん
「様々な視点や価値観で論ずる日本近代文学」

 イザベラ・ディオニシオ著『女を書けない文豪(おとこ)たち:イタリア人が偏愛する日本近現代文学』はSNSでも話題になっていた本。締切間際で急いで応募したので、賞がいただけるとは思わなかったです。書評を書くのは人によって得意、不得意があると思いますが、気軽にチャレンジしてほしいです。

心理学部3年
橋本 拓磨さん
「なぜ日本でキリスト教は広まらないのか」

 遠藤周作著『沈黙』で応募しましたが、これまで書評を一度も書いたことがなく、しかも心理学部の僕が賞を取れるなんて!と震えました。この本は時代小説ですがキリスト教にも触れており、新たな知見を得ることができました。今後も文章力を上げてチャレンジしたいと思っています。

創造表現学部 メディアプロデュース専攻2年
石川 葵さん
「ねこの生涯を読みとく」

 『100万回生きたねこ』を選んだのは、絵本の書評を書いたらおもしろいのではないかという気持ちと、私が本を好きになったきっかけの絵本であることが理由です。絵本は読書の楽しさを知ってもらうためには最適な素材。もし私の書評を読んで興味が湧き、一人でも多くの方が図書館に足を運んでいただけたらうれしいです。