追究

2024年03月15日

建築・インテリアデザイン専攻 空間設計Ⅳ最終講評会&講演会

2024年1月22日(月) 長久手キャンパス8号館5階プレゼンテーションルーム

「制作を通じて得たものを生かしたい」
業界をリードする建築家からのフィードバックを胸に、より高みを目指します。

 創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻の「空間設計Ⅳ」は、3年生が個人やグループで設計課題に挑戦し、最終的に建築計画の図面化、模型化、設計意図のプレゼンテーションをおこなう授業です。3年次までの学びの集大成とも呼べる本授業では、身につけてきた分析力・表現力・課題解決力などを駆使し、対象となる地域や人々に恩恵をもたらす設計プランを考えていきます。最終回の授業では学外からお呼びした建築家の方に学生たちの作品を講評していただく「最終講評会」を実施します。2023年度は「Eureka(エウレカ)」共同主宰の稲垣淳哉氏をお迎えし、最終講評会の審査員を務めていただきました。

 最終講評会に先立ち、稲垣氏の講演会がおこなわれました。稲垣氏は「コレクティブな建築」をテーマに、これまで携わってきた集合住宅や公共施設、古くからの土地に新しく建てた一戸建て住居などの例を挙げながら、建築における内部と外部のつながりなどを紹介されました。業界の第一線で活躍する稲垣氏の貴重な講演に、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

 講演会の後、最終講評会がスタートしました。最終講評会は一次審査「ポスターセッション」と、一次審査で高い評価を得た作品を制作した学生があらためてプレゼンテーションをおこなう「選抜作品講評会」で構成されています。
 学生たちが取り組んだのは、第一課題(個人)「自分の通った小学校の現代化プロジェクト」と第二課題(グループ)「都心の文化交流施設」です。ポスターセッションでは、設計の概要をまとめたポスターや制作した模型や図面をもとに、対象地域の特徴・課題、その課題解決のための工夫などを稲垣氏と審査員を務める先生方に発表します。学生たちは自らの培ってきたスキルを最大限生かし、質疑応答を含めた4分間という限られた時間の中でプレゼンテーションをおこない、先生方からの質問や指摘に真摯に答え、フィードバックを受けると、真剣に聞き入っていました。

 二次審査の選抜作品講評会には、第一課題・第二課題のそれぞれ上位作品が選出され、制作した学生に対し、稲垣氏があらためて講評をおこないました。第一課題で選出された3つの作品に対し「外部との接続を具体的な形で学校の計画に落とし込んでいた」と評価していただき、学生は審査員からあがった疑問に対して回答しながら、次の構想に向けて指摘や意見を受け止めていました。

 第二課題は4作品が選出されました。学生たちはこれまでの制作過程でブラッシュアップした箇所や工夫した場所を自らの言葉で説明しながら、課題と手ごたえを同時に感じているようでした。愛知県岡崎市出身の稲垣氏は「学生が制作した課題を見て、自分の地元に引き寄せて考える機会になりました」と感慨深そうに話し、「今後も設計や建築を続けていってほしい」と学生たちにエールを送りました。

 全ての講評が終わり、優秀作品の結果発表へ。優秀作品には、第一課題から中瀬加南さんの『道の学校』、髙木智織さんの『潤遊小学校』が、第二課題からは『落とし穴』(竹川葵さん、高木智織さん、佐藤彼方さん)、『RESONANCE』(田口廣さん、林柊作さん、大橋俊介さん)の作品がそれぞれ選ばれました。また、稲垣氏が選出する「稲垣賞」には3作品が選ばれ、関連する書籍が送られました。

 第一課題、第二課題ともに優秀作品に選ばれた高木さんは「個人とグループの課題を同時に進行するのは大変でしたが、それぞれ違う魅力を味わえました。今回の制作を通じて得たものを生かしていきたいです」と喜びのコメントを寄せました。集大成となる最終学年への進級を前に、学生にとっては貴重な講評が糧になるはずです。この機会をきっかけに、弾みをつけてそれぞれの目標に向かいます。