追究

2024年03月22日

建築・インテリアデザイン専攻 卒業プロジェクト展2024最終審査会

2月9日(金)10日(土)長久手キャンパス 8号棟5階 製図室1・2 ミニギャラリー
プレゼンテーションルーム

4年間の総仕上げとして、卒業設計や制作、論文に挑戦。
自身の研究プロジェクトを発表しました。

 創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻では、建築・インテリアの設計やデザインだけでなく、歴史・文化・環境・経済といった、さまざまな背景も学修します。4年間の学びを通じて、理論の修得だけでなく、多くの建築設計課題に取り組み、空間づくりやまちづくりなどに必要な知識・技術を身につけています。その集大成となるのが、4年次の「卒業プロジェクト」です。ゼミ教員の指導のもと、学生が研究テーマを設定し、論文執筆や設計、制作などに取り組みます。

 2024年2月9日(金)~15日(木)を会期として、学生が個人・共同で手がけた作品や模型、論文を展示する「卒業プロジェクト展2024」を開催しました。2月9日(金)には、「制作最終審査会」「論文最終審査会」、翌10日(土)には「設計最終審査会」がおこなわれ、学生たちはポスターセッションやプレゼンテーションを通して、4年間の学びの成果を発表しました。今回はそれぞれの審査会の様子をレポートします。

制作最終審査会

 「制作最終審査会」は17作品を対象とした「ポスターセッション」と、教員投票で選出された5名の学生が挑戦した二次審査「スライド発表」の二部構成でおこなわれました。
 一次審査は、学生がパネルや制作物の前に立ち、先生方がブースを順にまわって採点する方式です。模型をはじめ、インテリア作品、絵本、屋台、ゲーム、取り組み事例など、各自で設定したテーマの作品が並びました。学生たちは、制作に至った背景やコンセプト、ポイントなどを先生方に伝えます。「この作品は何の課題解決につながるか」「この教材のターゲットはなにか」といった質問に学生たちは熱心に答えていました。

 その後、二次審査では一次審査を通過した学生がプレゼンテーション。5分間の発表と質疑応答が設けられ、最終的に投票により決定しました。UAD賞(卒業制作最優秀賞)に、門脇 妃南さんの「三谷温泉平野屋リブランディングデザイン ~豊かさの可視化~」、優秀賞に沼田 花歩さんの「1 Shelter/1 Team」、稲垣 若葉さんの「うるささうな行燈」、清水 万祐子さんの「色覚の壁を越えて楽しむ絵本」が選ばれました。うち上位2作品が「優秀作品展2024」に出展されることになりました。

論文最終審査会

 論文最終審査会では、研究内容をまとめた資料をモニターに投影しながら、5分間のプレゼンテーションをおこないました。まちづくりをはじめ、欄間の変化、定住空間などさまざまなテーマの研究論文を発表し、学生たちは実験やインタビュー、アンケート調査、フィールドワークなどをもとに考察し、研究内容を先生方に伝えました。発表後は、先生方から研究内容を掘り下げる質問があり、学生たちは自分たちの言葉で回答や補足説明をおこないます。「実験でこの結果がわかっただけでも相当おもしろい」「この調査結果を対象地域にぜひフィードバックしてほしい」といった研究を評価する発言もあり、ほっとした表情でコメントに聞き入る学生の姿も見受けられました。
 そして、全員の発表が終了すると、先生方による審査がおこなわれ、UAD賞(卒業論文最優秀賞)には、森 亮太さんの「形而工房・松本政雄の建築デザイン思想とベルシャトーシリーズの建築的特徴に関する基礎的研究」、優秀賞に酒井 祥央さんの「避難確保計画の策定・実行課題とその改善支援策に関する研究~愛知県弥富市の高齢者施設を事例として~」、長谷川 知優さんの「せん断力を負担するあと施工アンカーに関する解析モデルの作成~異なるメッシュ割による解析~」が選ばれました。また、論文からは受賞した3編が「優秀作品展2024」に出展されることになりました。

設計最終審査会

 設計最終審査会は二部構成で実施され、一次審査はポスターセッション形式、二次審査では教員投票によって選出された6名の学生がスライド発表をおこないました。
 一次審査の会場には、都市計画をはじめ、学校、図書館、裁判所、住宅など多彩な38の作品が並びます。学生たちはパネルや作品の前に立ち、作品のコンセプト、敷地情報、その土地が持つ課題、設計計画を発表し、作品をアピールしました。「この建築の外とのつながりは」「なぜ幾何学をモチーフにしているのか」など、教員から質問が投げかけられ、学生たちは設計のコンセプトを絡めながら、自分の言葉で説明をしていました。最初は緊張した面持ちでしたが、発表の回数を重ねるにつれ、質問で聞かれたことを混ぜながら発表内容を改良し、自信を持って話す学生の姿も見られました。

 全員の発表が終わり、教員投票によって選ばれた6名の学生が二次審査へ。3分間の発表と5分間の質疑応答を経て、さらに30分間の各教員による議論がおこなわれました。発表や質疑応答で聞けなかったことをさらに深堀りする形での質問もあり、学生たちは的確に回答していきました。

 教員投票によってUAD賞(卒業設計最優秀賞)に、牧 嘉乃さんの「山を建てる -山的設計手法による裁判所の計画-」、優秀賞に川上 晴香さんの「まちの自由通路 ~近鉄弥富駅-JR・名鉄弥富駅 駅周辺計画~」、牧野 有紗さんの「求道」が選ばれました。これらと他複数の作品が「優秀作品展2024」に展示されることになりました。

 最後に先生方から総評があり、学生を労うコメントが送られました。清水先生から「考え抜いて取り組んだ卒業研究は、自分に向き合った証拠です。みなさんは建築家の一歩を踏み出しました。一人の建築家として、今回考えたテーマを卒業後もずっと持ち続けてほしいです」と4年間の学びを終える学生たちにエールを送りました。