追究

2015年01月09日

大塚ゼミ第9回研究報告会 グループ研究発表会

大塚ゼミ第9回研究報告会 グループ研究発表会

平成26年11月1日(土) 星が丘キャンパス 1号館5階15A教室

学生たちが企業や自治体の皆様と共同研究。
実社会のさまざまな課題と向き合った成果を発表しました。

 マーケティングを専門とする、ビジネス学部・大塚ゼミの学生たち。プレゼンテーション、ディベート、他のゼミとの討論会、他大学とのディベート大会、産学連携プロジェクト......。大塚英揮先生の指導のもと数多くの実践を重ねながら、実社会で活きる知識や力を身につけ、ビジネスパーソンへとたくましく成長しています。その学びを第三者に披露する場として毎年、「大塚ゼミ研究報告会」を開催。協働した企業の方々、ビジネス現場で活躍する大塚ゼミの卒業生たち、保護者の方々など、さまざまな視点からの意見やアドバイスを聞くことができ、学生にとっては視野を広げ、知識や考察をさらに深める貴重な機会となっています。
 今年は3年生11人が4つのグループに分かれて、約10カ月間、企業や自治体の皆様との共同研究に挑戦。発表会では、ヒアリング調査、アンケート調査、イベントの企画・運営などを通して根拠あるデータや情報を自分たちの手で掴み、まとめ上げた研究成果を堂々と発表しました。ここではその内容をダイジェストで紹介します。

グループ1

名古屋木材株式会社との共同研究
「圧縮木材の普及」

 高い強度や柔軟性、材質感、重量感などを備えた、圧縮木材。住宅のフローリング、机や椅子、ボールペン、食器類などに活用されています。この木材をより広く普及させたいと考えた3人の学生たちは、名古屋木材株式会社のご協力のもと、圧縮木材の柔軟性に着目した商品・木のしおりの開発やプロモーションの検証などに力を注ぎました。今回の研究発表会では、日本最大級の異業種交流展示会・メッセナゴヤでの新商品の販売や来場者へのヒアリング調査をどう実施するか、具体的なプランなどを説明。その発表を聞いた卒業生は「“木の良さ”そのものを伝える方法は考えていますか?」と、後輩たちが研究を深めるヒントとなる質問を投げかけました。学生は「プラスチックなど異素材との比較データも用意し、木の優位性を効果的にアピールしたいと思います」と答えながら、さらに多角的に考察していく手がかりを得ました。

グループ2

勝川駅前通商店街振興組合との共同研究
「勝川駅前通商店街を今後も存続させるためには」

 名古屋市に隣接する春日井市にある、活気にあふれる商業エリア、勝川駅前通商店街。その存続のための具体案の提案を通し、日本各地にある商店街の活性化に役立つ研究成果を得ようと、2人の学生たちが行動を起こしました。勝川駅前通商店街振興組合の方々にサポートしていただきながら、まずおこなったのは、商店主へのヒアリング調査。商店街の現状と問題点を明らかにした上で、転居してきた新住民に向けた「勝川紹介マップ」や、新旧の商店主が話し合い、まちの伝統を継承していく仕組みづくりを考案しました。そして、住民へのアンケートからマップの効果を検証するなど、実地調査を重ねました。大塚先生は「一過性の提案ではないことをより強く伝えられるよう、説得力のあるプレゼンテーションのストーリーを描こう」とアドバイス。学生たちは真剣にメモを取り、“聞き手の心に届く伝え方”の重要性をあらためて学びました。

グループ3

大和屋守口漬総本家との共同研究
「大和屋守口漬総本家の活性化~守口漬を事例として~」

 世界一長い大根としてギネス世界記録に認定された守口大根は、愛知県の伝統野菜です。この大根を使った漬物をつくり続ける大和屋守口漬総本家と協働し、3人の学生たちが守口漬のさらなる普及につながる提案に取り組みました。「若者をギフト市場に取り込む」「外国人向けプロモーションを考える」という2本柱の施策を考え、62パターンの食べ合わせ実験から美味しい組み合わせを3種厳選し、それを体験できる試食会を実施。また、守口漬を紹介する英語版・中国語版・韓国語版のリーフレットも作成。さらに、学生や留学生に対するアンケート調査をおこない、若者がギフトを贈る新たな機会や、国・エリア別のプロモーションが必要であることを明らかにしました。発表会には大和屋守口漬総本家の方もご参加くださり「販路開拓の新たなアイデアをいただき、感謝しています」とニッコリ。学生たちも実社会とつながる学びのチャンスをいただいたことに深く感謝し、向学心をいっそう高めました。

グループ4

長久手市役所との共同研究
「オープンデータを活かしたまちづくり戦略」

 東海3県の住みよさランキング1位という調査データがあり、注目されている長久手市。このまちに暮らす人々が実際に“住みよさ”を実感するにはどうすればいいか、3人の学生たちが長久手市役所との共同研究に励みました。着目したのは「市の人口の中でも特に増加傾向にある“子育て世代”の抱える問題をいかに解決するか」。オープンデータという営利・非営利を問わず、誰もが自由に再利用可能な形で公開する公共データを活用し、公共施設や商業施設に関する情報共有のよりよい仕組みを考案しました。その前提として、長久手市民へのアンケート調査、オープンデータの活用を推進する福井県・鯖江市役所へのヒアリング調査も実施。長久手市役所の方は「昨年からオープンデータの活用について模索し始め、10月から避難所に関する情報をオープンデータとして公開を始めました。今回の共同研究の成果を活かし、今後も市民の皆さんに役立つ情報提供を積極的におこないます」とコメント。学生たちは実際のニーズに即した提案を通し、現代社会を見据える眼を養いました。