建築環境学A 第1回 授業概要

授業の概要

建築環境学では、人間にとって最も身近な建築空間の建築環境を対象に、居住者が健康・安全かつ程よく快適に過ごすためには、どのような建築環境を、どのような環境調整手法でつくるべきなのかについて学ぶ。前期の「建築環境学 I(熱・空気)」では、熱・空気環境の形成はどのような物理現象によるのか、物理現象を上手に導いて人間にとって程よい熱・空気環境ををつくりだす建物デザインや環境調整手法はどのようなものなのか、熱・空気環境の物理的状態に対して人間の生理的・心理的な反応はどうなるのか等について身の回りの実例や、実験の具体的な例を挙げながら解説する。また、建築の中で使われるエネルギー、建築物の省エネルギー性能の評価法についても解説する。

授業の目標

「建築環境学を建築デザインに活かす」ことができること、そのための熱・空気環境に関する基礎知識(一級建築士試験で要求される範囲を含む)および、建築物の省エネルギー性能の評価法の基礎知識を習得することを目標とする。

内容(予定)

【熱】建築環境学とは?
【熱】熱・温度とは?
【熱】生命活動と人体の熱収支
【熱】建築空間の暑さ・寒さ
【熱】ヒト・建物を取り囲む外界気候
【熱】気象データ、地球と太陽
【熱】太陽位置と地表に届く太陽エネルギー(1)(2)
【熱】建築と熱の流れのデザイン(1)(2)
【空気】室内の空気環境(1):湿気と結露
【空気】室内の空気環境(2):空気を汚染する物質
【空気】室内の空気環境(3):換気の原理と方法
【全体】くらしとエネルギー:建築と持続可能な社会
【全体】レポートの発表会

授業方法

配布資料:資料を毎回配布します。
授業で必要なもの:関数電卓(必須)、三角定規、カッター・接着剤など
テキスト:「生活環境学 改訂版」岩田利枝ほか、井上書院
参考図書

  • 「設計のための建築環境学 みつける・つくる・バイオクライマティックデザイン」日本建築学会編、彰国社
  • 「図解テキスト 建築環境工学(第二版)」加藤信介ほか、彰国社

成績評価方法

成績評価:定期試験:80%、必須レポート:20%  …の総合点で評価します。

A+:90点以上A:80〜89点
B:70〜79点
C:60〜69点
F(単位不認定):59点以下

出席状況:全15回の授業のうち、欠席が「6回以上」で学期末試験の受験が不可になり、成績評価は失格となります。
学期末定期試験
2020年7月30日(木)2限(11時10分〜12時10分、60分間)
持ち込み可:自筆ノート、関数電卓、文具筆記用具
持ち込み不可:テキスト、配付プリント、携帯電話・スマートフォン等

必須レポートについて

テーマ:心地の良い理想の住環境を持つ建築空間または建築の提案

内容:
『自分が』住みたい居心地の良い住宅建築または空間を提案する
ひとつの空間、戸建て、集合住宅等「住まう」建物・空間であれば可
心地良くすごす・住まうための建築的工夫・要素、仕掛け、機器などを組込む。特定の季節に限定しても良い。
朝昼夜、春夏秋冬と時間・季節ごとに対応する工夫を考えてみよう。
こんな風だったらイイな、こんなのあったらイイな…
自分が住まうことを想像して、自分が心地良く感じる環境を創造する。
授業で扱った内容や、自分でいろいろな文献等を調べて参考にしてください。

  • 発表:内容の良かった人には、後日、発表してもらいます(10名程度)。発表した人は、総合評価に発表点を加点します。
  • 締切:2020年7月2日(木)17時まで(厳守)
  • 提出物:A3用紙1枚、横使い
    手書き、パソコン、切り貼りなど自由
    「分かりやすく伝える」ことを意識すること
    用紙の右上に「学籍番号 氏名」をハッキリと記入してください
  • 提出方法:2通りあります
    推奨:CapusSquareからPDFをアップロード(PDFデータのみ)
    8号棟5階852または準備室へ提出(手書き、印刷物を提出)
  • 注意点: Wikipdeia、Web等だけでなく、紙の本・文献も必ず調べて、同じ事柄でも多角的に調べること。
    図版・文章を用いて第三者に伝える…ことを意識して書くこと
    自分の考え・意見、考察を必ず書くこと。
  • 採点項目:アイディアや効果、心地良さが分かりやすく表現されているか。
    『自分』が心地良く思う点、こだわりの点をしっかり述べる。
    心地良く過ごすために様々な工夫が熟慮されているか。
    自分にとって心地良さを感じるポイント、それをどう実現したかが表現されているか。

※ 引用と明記しないでWebや文献の内容を丸写し(コピー・ペースト)すること、引用元を明記しない図版の転載等は厳禁とします。

  • 点数:20点満点(総合評価に加算します)
    レポートの指導をいたします
    レポートの書き方が分からない、文献の調べ方が分からない等があれば授業の後などに、研究室(8号棟852室)に相談に来てください。

建築環境学とは?