ゼミで学ぶ専門テーマ

 荒川ゼミは、さまざまな映像を制作する方法、そして映像について考える方法を専門的に学びます。映像表現の歴史は、新しいテクノロジーと創造とが密接にかかわる領域であり、ときには社会という存在を強く映しだします。

 このゼミは、[1]個人から発する表現としての映像制作に始まり、それを表現手段の研究として磨いていくこと、[2]映像作品の詳細な分析を行い、作品としての映像や、映像を生み出して楽しむ文化全体のあり方について深く考察すること、その2つを大きな目標として活動します。

映像は、過ぎ去る瞬間を写真よりも連続的にとらえ、
その変化や広がりを映しだします

代メディア社会と、ゼミの専門領域

 スマートフォンやSNSなどを中心として映像の存在がより身近になり、日常に組みこまれることは、皆さんも体感している新しい時代の変化だと思います。一方で、新しいハリウッド映画が、過去の名作映画を研究しながら制作するなど、古いものを大事にする動きも大きくなっています。このゼミは、そうした現代のメディア社会の流れを多面的に理解し、新しものと古いものの出会いを作りあげるような制作・研究を行っています。

ゼミではデジタルの特性を生かした、
映像の色彩調整に積極的に取り組んでいます

専門性を身に付けるために

 荒川ゼミでは、カメラを用いたデジタル映像の撮影、およびスローモーションなどの表現技法について、実際にやってみながら学ぶことが始まりです。カメラや映像編集などについて、事前に知識がなくても大丈夫です。また、そこで得られた経験をもとに、ミュージックヴィデオや映画・CMなどの既存の作品を、詳細に分析していきます。そこでは、ストーリーや映像スタイルだけではなく、色彩や衣装にこめられた意味など、すべてが重要になってきます。そのような、制作と研究を縦横に横断する態勢によって、映像表現を総合的に身につけつつ、最終的な作品・論文というアウトプットに生かします。

ゼミでの4K動画撮影の実習風景

 

ゼミを通して学んでほしいこと

 スポーツを見ることとプレイすることが違っているように、映像を見ることと作ることも、やはり異なったものです。このゼミは、その違いにも関わらず、そのふたつをなるべく近づけることを学んでほしいと思っています。具体的には、完成した作品から、制作プロセスをさかのぼって分解するように見る、ということです。そうすることで、純粋な受け手の立場から、制作したり考えたりする創造・探求的なプロセスへと自然に進むことができます。

卒業論文・卒業制作の例

 当ゼミは新しく、まだ卒業生がおりませんが、3年のゼミから卒業研究を意識して、それぞれの個性と各自のリサーチに基づいて、テーマ設定をする取り組みを行っています。ミュージックヴィデオや広告映像などの短編映像作品の卒業制作、映画監督や映像文化について考察する卒業論文を準備中です。

卒業生の主な進路

 当ゼミはまだ卒業生がおりませんが、映像・広告・Webなど各種メディア関係の企業の分野への進路を目指し、インターンなど積極的な動きを行っています。映像を丁寧に理解することは、それを作りあげる技術と社会、そしてそこに関わる人間の深い理解につながります。映像文化を総合的に捉える当ゼミは、制作職のみならず、総合職などでも、専門を生かした活躍が期待されます。

アニメーション作品の習作(学生作品)