交流

2026年02月24日

愛知淑徳大学クリニック 健康相談室 医療講演会「糖尿病とともに健康長寿」

2025年12月20日(土) 長久手キャンパス5号棟512教室

糖尿病の予防・改善にお役立ていただける情報を、
地域の皆さまに向けてお伝えしました。

 眼科、耳鼻咽喉科、心療内科・精神科、内科・糖尿病内科・消化器内科、整形外科・リハビリテーション科の5診療科で、地域の皆さまや本学学生の健康を支える愛知淑徳大学クリニック。その関連組織である健康相談室では、健康づくりや病気の予防、医療に関する講演会などをおこない、地域の皆さまの健康の維持や増進に寄与することをめざしています。
 2025年度は12月20日(土)に医療講演会を開催。「糖尿病とともに健康長寿」というテーマのもと、内科・糖尿病内科・消化器内科の医師・管理栄養士として患者さまと日々向き合う4名の先生が講演しました。会場となった長久手キャンパスの大教室がほぼ満席となるほど大勢の方々にご参加いただき、糖尿病に対する地域の皆さまの関心の高さがうかがえました。

 開会に先立ち、健康相談室 室長の植村和正先生が登壇。「糖尿病と診断される方は増えており、愛知淑徳大学クリニックでも多くの患者さまを診ています。糖尿病になっても元気で長生きしていただきたいと考え、今回の講演会を企画しました。糖尿病の食事療法や運動、生活上の注意点は、糖尿病を抱える方だけでなく、どなたにとっても健康に良いことばかり。本日の講演を皆さまの健康に役立てていただけたら幸いです」とお話しされました。

■第1部 お年寄りの糖尿病
愛知淑徳大学クリニック 内科・糖尿病内科・消化器内科 医師
井口 昭久 先生

 愛知淑徳大学クリニックで糖尿病の患者さまの診療にあたられ、約20年になる井口先生。老年医学領域を専門とし、名古屋大学医学部附属病院長を務めた経歴もお持ちです。講演会では、海外の研究データや患者さまとのエピソードなどを交え、高齢者の糖尿病についてわかりやすく解説されました。「血糖値を下げるインスリンの分泌は加齢とともに減り、さらに筋肉量や活動量の低下などからインスリンの効果も得られにくくなるため、高齢になるほど糖尿病の割合が増えていきます」と糖尿病のメカニズムを説明され、糖尿病と認知症の関連についても言及。毎日の食事や運動、服薬などで血糖値を適切にコントロールすることが、健康寿命の延伸にとって大切だと語られました。

■第2部 糖尿病の合併症を防ごう
愛知淑徳大学クリニック 内科・糖尿病内科・消化器内科 医師
三浦 久幸 先生

 「糖尿病の患者さまは、認知症も抱えていることが少なくありません」と日々の診療での実感を語られた三浦先生。糖尿病の慢性合併症について解説されました。その合併症は、主に2種類。脳梗塞や心筋梗塞などにつながる可能性があり、サイレントキラーと呼ばれる「大血管症」と、網膜剥離や腎症、神経障害を起こす「細小血管症」です。さらに、血糖値のコントロールが適切にされていないと、認知症の発症も引き起こす恐れがあるため、糖尿病治療を自己判断でやめないよう注意を促しました。「合併症を予防するためにも、血糖値をはじめ血圧やコレステロールを望ましい範囲にすること、喫煙しないこと、適正体重を保つことが大切です」とアドバイスを送られました。

■第3部 おいしく食べてずっと元気に ~糖尿病と上手に付き合う食べ方~
食健康科学部 教授/愛知淑徳大学クリニック 内科・糖尿病内科・消化器内科 管理栄養士
東山 幸恵 先生

 管理栄養士として患者さまの栄養食事指導をおこなう東山先生は、食生活で気をつけるポイントをわかりやすく解説されました。血糖値が上がる要因、食事と血糖値の関係、栄養バランスの良い食事の大切さ、肥満がインスリンの働きを悪くすることなどを説明した上で、「食事を減らしすぎると低血糖や筋肉量低下などを招くため、食べる量よりもタイミングを考えることが大事です。『野菜や主菜(たんぱく質・脂質)→主食』の順で食べると食後の血糖値が上がりにくくなります」とカーボ(炭水化物)ラストの重要性を強調。さらに、朝食を抜かずしっかりと食べること、夜遅い食事では糖質を減らすこと、よく噛んでゆっくりと食事することが、血糖値の上昇を緩やかにすると語られました。

■第4部 誰でもできる運動で健康長寿
健康相談室 室長/食健康科学部 教授/
愛知淑徳大学クリニック 内科・糖尿病内科・消化器内科 医師
植村 和正 先生

 インスリンの効果を高める、肥満解消、高血圧や脂質異常症の予防・改善、心肺機能の向上、ストレス解消・気分転換など、運動の重要性について語られた植村先生。「ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動を1日20〜30分」「レジスタンス運動(筋トレ)を朝夕5分ずつ」「食後30分〜1時間の運動が血糖値改善に効果的」など運動習慣のヒントを紹介されました。「『毎日10分散歩』といった小さな目標から始めましょう。頑張りが目に見えると達成感につながるので、カレンダーやアプリなどに記録することも運動継続のコツです。やれることから、楽しみながら、無理なく続けることが、健康寿命の延伸にも有効。今日の一歩が、未来を変えます」と激励の言葉も送られました。

■第5部 パネルディスカッション(質疑応答)

 講演会の締めくくりとして、ご参加くださった地域の皆さまからの質問に先生方が丁寧にお答えしました。糖尿病の食事療法・運動療法の取り組み方、食後の楽しみであるお菓子の食べ方、体重管理の注意点など、さまざまな質問が寄せられ、より具体的な情報を共有する時間となりました。