追究
2026年05月29日
人間情報学部 森ゼミ 講演会 あいちITS大学セミナー

2026年5月11日(月) 長久手キャンパス 11号棟3階11312教室
ITS分野の第一線で活躍する専門家をお招きし、
安全運転支援技術や自動運転についてお話しいただきました。
⼈間情報学部の森博子ゼミでは、運転行動分析を中心に、ドライビングシミュレータを用いた実験的研究から、空間デザインやユニバーサルデザインといった実社会への応用まで、幅広く学んでいます。
2026年5月11日、長久手キャンパスで「あいちITS大学セミナー」が開催されました。このセミナーは愛知県ITS推進協議会が主催するもので、大学生のITS(Intelligent Transport Systems高度道路交通システム)に対する認知度向上と、次世代を担う人材育成を目的としています。当日は、ITS分野の第一線で活躍されている三菱自動車工業株式会社の伊藤政義様を講師としてお招きし、「ITS の技術動向~安全運転支援技術から自動運転へ~」をテーマにお話しいただきました。本講演には森ゼミの学生が参加し、ITSを取り巻く最新動向や今後の展望について理解を深める貴重な機会となりました。


はじめに伊藤様は、ITSの概要について説明。道路交通に関する総合的な情報通信システムであり、現在活用されているETCや、GPSを用いてバスの現在地や遅延情報を把握できる「バスロケーションシステム」など、ITSが日常生活の中で広く活用されていると紹介されました。一方で、現在の日本では交通渋滞や交通事故、バス・タクシーのドライバー不足といった課題があることを指摘し、ITSを活用して事故・渋滞ゼロの実現や環境負荷の低減、高齢者が住みやすい社会の構築をめざす必要があると話します。


続けて、伊藤様は1991年から国土交通省が主導し、自動車メーカーと連携して推進している「先進安全自動車(ASV)プロジェクト」を紹介しました。この取り組みにより、国内の交通事故による死傷者数は年々減少している点、世界視野でのSDGsの目標として「道路交通事故による死傷者数の半減」が掲げられている点に触れ、さらなる改善に向けた取り組みが必要だと課題を示されました。
さらに、伊藤様によると交通事故発生には「人」「車」「道路環境」の3つの要因があり、そのうち「人」に起因するものが9割以上とのこと。具体的には認知ミスや判断ミスが挙げられ、これらを補完・防止するため、カメラやレーザーを用いた認知センサー、高度なアルゴリズムによる判断、そして自動ブレーキやハンドル制御を組み合わせた予防安全技術の開発が進められていると話します。また現在は、衝突事故発生時に自動で緊急通報をおこなう「車両緊急通報システム」など移動体通信技術を活用した安全技術開発・搭載されていると紹介されました。


続けて、話題は自動運転のレベル分けに。自動運転のレベルは6段階に分けられ、運転の主体や走行領域が定義されています。近年では高度な自動運転技術が徐々に普及していると説明されました。
最後に伊藤様は、路線バスにも搭載が進んでいる、運転手の体調急変を検知してクルマを停止させる「EDSS(異常時運転停止システム)」を紹介されました。そして、万が一の事態に備え、乗客自身もこのシステムの存在と使い方を知っておいてほしいと呼びかけ、締めくくられました。

講演会後には、自動運転レベルの定義について熱心に質問する学生の姿も見られ、自動運転技術への理解をより一層深めることができたようでした。
運転行動分析やユニバーサルデザインなどを学ぶ学生にとって、専門家から得られた知見は、最新の技術動向や現場の課題を深く知る機会となりました。参加した学生からは、「最新の技術を用いて交通事故をどのように減らすのかという具体的なアプローチに興味を持ちました」「通学で利用するバスのEDSSについて初めて知り、身近な交通にも安全を支える技術があることに関心を持ちました」「ITSの話を聞き、交通事故を減らすシステム開発に関わりたいと感じました」 といった感想が寄せられました。本学は今後も、学生たちが常に最先端の知見に触れ、学びを深められる環境を提供し続けていきます。












