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2018年06月26日

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて! ―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第1回「スポーツを社会学する」

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて! ―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第1回「スポーツを社会学する」

2018年6月1日(金) 星が丘キャンパス1号館15C教室

オリンピック競技における「平等」「公平」とは?
スポーツルールのジェンダーについて考察を深めました。

 本学のジェンダー・女性学研究所では、今年の6月から7月にかけて第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」を開催。社会学やマスメディアなどさまざまな分野の先生方をお招きし、ジェンダーとスポーツをテーマにご講演いただきます。6月1日(金)におこなわれた初回講座では、関西大学人間健康学部教授・西山哲郎先生に登壇いただきました。演題は「スポーツを社会学する」。「スポーツルールにおけるジェンダー」について、近年のオリンピックで起こった出来事を題材にわかりやすく解説しました。会場には、大勢の学生や地域の方々が集まり、西山先生のお話に熱心に耳を傾けていました。

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて! ―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第1回「スポーツを社会学する」

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて! ―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第1回「スポーツを社会学する」

 西山先生が着目したのは、スポーツルールの変遷。「過去、オリンピックでは多くの種目で女性が出場できませんでしたが、女性の活躍を広げようという時代の流れとともに制度が変わっていきました」とジェンダーの視点から説明し、スポーツの世界で女性がいかにマイノリティな存在であったかを語りました。さらに現在、競技を公平にするために、性別以外にも詳細にカテゴリー分けしようとする動きがあることに言及。例として、柔道の体重別階級のようにバレーボールでは身長制限のある世界大会が開催されていることを挙げました。こうした課題に対して「パラリンピックでは障がいの重さに関わらず、公平な競争ができるようなルールが設定がされています。オリンピックにもパラリンピックのルールを取り入れれば、将来的に障がいの有無や性別に関わらず、すべての人が同じ試合で競うことができるようになるかもしれません」と力強く語った西山先生。"一人ひとりの多様な違い"を越えた競技スポーツの可能性について示唆しました。
 講演会の後半には、コメンテーターとして参加した本学非常勤講師・綾部六郎先生が西山先生に質問を投げかけ、選手の性別を区別する指標などについて語り合いました。その後の質疑応答では、スポーツの定義やルールに関する質問が寄せられ、西山先生は具体例を交えながらていねいに回答。ユニークな疑問や解説もあり、和やかな雰囲気に包まれながら会場全体でジェンダーについての理解を深めていきました。
 スポーツという身近なテーマに沿って、ジェンダーについて考えた本講演会。次回以降も多様な角度からジェンダーとスポーツを見つめ、本学の理念「違いを共に生きる」が実現できる社会のあり方を探究していきます。