交流

2024年04月11日

建築・インテリアデザイン専攻 清水ゼミ 長久手丁子田の居場所づくりワークショップ

2024年2月26日(日)長久手市丁子田地区

地域住民の意見を取り入れた
コミュニティスペースの施工に挑戦。
地域の場づくりと運営についてお話いただきました。

 建築・インテリアデザイン専攻の清水ゼミでは、建築・都市デザインを通して、現代社会の課題解決に取り組んでいます。自治体と連携してまちづくりや空間づくりなどにも挑戦しています。

 今年度は、長久手市の丁子田(ちょうしだ)地区の活性化に取り組んでおり、2023年12月と2024年1月に地域の方との交流イベントとワークショップを実施。地域の方からいただいた意見を設計計画に反映させ、2月26日から地域住民の方のお家と丁子田集会所のコミュニティスペースの施工を始めました。また、同日には、丁子田集会所で東京都市大学 都市生活学部 コミュニティ形成専攻の坂倉杏介先生による講演会・懇談会もおこなわれ、地域における場づくりと運営の方法についてお話しいただきました。

■建築・インテリアデザイン専攻 清水ゼミ 「長久手市丁子田にこんな場所あったらいいな」ワークショップ の様子> 

 当日は2グループに分かれて施工に挑戦。事前に裁断した木材に釘を打ち、組み立てていきます。それぞれのグループで互いに声を掛けながら、施工を進めていきました。
 地域住民の方のお家では、テーブルとイスを組み立て、ニスを塗装。テーブルは住民の方の意見を取り入れ、使いやすさを重視した形にしています。玄関前の段差には腰を掛けるスペースも施工。木材の寸法が足りなかったり、塗装の乾きに時間がかかったりと工程通りにいかずとも、今できることを話し合い進めていました。このスペースは、「色んな用途に使える空間」をめざしており、今後は住民の方の食事会や健康相談会などで使用する予定です。

■住居前に完成したベンチ


 集会所の屋外スペースでは、ベンチと縁側、掲示板の雨除けを制作。「誰かがいて、話せる場所」をコンセプトに施工に取り組みました。計測した長さの通り裁断し組み立ててみるも長さが合わず、地面の高さがフラットでないことから傾きが生じるなど作業が難航しながらも、その都度アイデアを出し試行錯誤している様子でした。建物前のベンチが完成した際には、通りかかった住民の方に座ってもらい、学生と談笑する姿も。住民の方が気軽に集まり、会話と楽しめるスペースになりました。

■完成した縁側

■集会所前に完成したベンチ

■集会所前に完成したベンチ


 午後からおこなわれた坂倉先生による講演会には地域住民の方も参加。東京都港区の多世代が交流するスペース「芝の家」や世田谷区のコミュニティ「おやまちプロジェクト」を例に挙げながら、場づくりとコミュニティ形成についてお話いただきました。新しいコミュニティスペースが完成しても、次の問題は誰が運営するかということが重要で、ポイントは「学生や教員、地域住民の方だけでなく、関心のある人に関わってもらうこと」だと述べ、「今作っているコミュニティスペースが交差点の前にあり、関心を持ってもらいやすい環境にある」と強みも教えていただきました。また、食事会や健康相談の場として活用したいと意見が出ていることを踏まえ、コーヒーを飲みながら血圧を測れる場など他の事例を紹介。コミュニティナースなど、いい意味でのおせっかいを焼く人を増やすことを提案いただきました。地域住民の方と共に、地域に合った場づくりと人の巻き込み方について考える時間となりました。

 地域活性化という目標を見据えて、地域住民の方と共に考え、設計・施工に挑戦した学生たち。施工して終わりではなく、今後は活用と運営についてまた地域の方と意見を交わすことでしょう。今後も清水ゼミでは、地域をつなぐ場づくりに取り組み、地域の課題解決に貢献していきます。