交流

2015年12月28日

第9回 教育学会主催 学遊フェスティバル

第9回 教育学会主催 学遊フェスティバル

平成27年11月1日(日) 長久手キャンパス 10号棟1階・多目的運動場

仲間と協力し、子どもたちに気づきを与える力を
学生たちはイベント運営を通じて身につけました。

 清々しい秋晴れとなった11月1日(日)、大学祭で盛り上がる長久手キャンパスで、教育学会主催の「第9回 学遊フェスティバル」を開催しました。学遊フェスティバルは教育学科が新設された2007年から続く伝統行事です。教育学科の1・2年生の有志約150名が中心となり、大学近隣に住むご家族や実習でお世話になった小学校の子どもたちを楽しいイベントの数々でもてなしました。

 6つのブースを用意し、「テコの原理」や「楽器を使った合奏」など、子どもたちが小学校で習う教科の学びを活かした遊びを提供。今年はそれぞれのブースを「〇〇の国」と称し、子どもたちが親しみやすいように工夫しました。学生たちは子どもたちが楽しみながら学びのおもしろさに気づくイベントを企画・運営し、イベントを安全に実行する力、仲間と協力してひとつのイベントを創りあげる力、大勢の子どもたちと一度に関わる力など、教育現場で欠かせない総合力を高めることができました。

おもちゃの国(図工ブース)

 入り口には約40名の学生が手分けをしてつくった大きなお城と兵隊のオブジェが装飾され、雰囲気たっぷり。ブース内では子どもたちが学生のアドバイスを受けながら、牛乳パックや紙コップなど身近なものを利用しておもちゃづくりに熱中。学生たちは授業を思い出しながらケガがないようにしっかりと子どもたちをサポートしました。

かなでるの国(音楽ブース)

 「家に持ち帰って、ぜひ遊んでもらいたい」と音楽ブースの学生たちが用意したのは、おはじきや豆を紙コップに入れて作るマラカスとペットボトルのふたを利用したホイッスル。子どもたちは手作りのマラカスやホイッスルを片手に同じブースで開催した演奏会に参加し、学生たちが奏でる音楽に合わせてリズムを取って楽しみました。

うごくの国(体育)

 やりなげやボーリングなど身体を動かすゲームを用意。高記録をマークした子どもたちの名前をランキング形式にして張り出すなど、子どもたちのやる気を刺激するアイデアが散りばめられていました。子どもと一緒に汗を流していた女子学生は「子どもの身体能力に合わせたゲームができるように、授業で学んだ知識を活かしています」とニッコリ。

ふしぎの国(理科)

 「例年親子連れの方が多いことから、理科ブースでは大人も楽しめる“知恵の輪”なども用意しました」と今年ならではのブースの魅力を語ってくれた女子学生。子どもたちと一緒にスーパーボール作りをしたり、皿回しに挑戦したり、ゲームをしながら小学校で学んだ勉強がどのように活かされているのかをわかりやすく解説しました。

おもいやりの国(特別支援)

 小学校の「特別支援クラス」に通う仲間たちへの理解を深めてほしいという学生たちの思いが込められたこのブース。障がいに関わるさまざまな体験コーナーが用意され、手話のコーナーでは子どもたちが自分の名前を手話で表現できるように、学生たちから一文字一文字、教わりました。真剣に障がいを疑似体験する子どもたちの姿が印象的でした。

昔あそびの国(遊びブース)

 「遊びを通じて、子どもたちに新しい発見をしてほしい」。その思いをカタチにしたのが、昔あそびの国です。ふくわらいや巨大だるま落とし、ポックリなど日本の伝統的な遊びを紹介し、楽しみながら日本の文化を感じてもらいたいと学生たちが企画しました。ゲームの結果は学生がつくったメダルに記載し、子どもたちにプレゼントしました。

仲間の声に耳を傾け、子どもたちのことを第一に考えた半年間。
教師として必要な力を磨くことができた充実の時間でした。

文学部 教育学科 2年 梅村 夏歩さん、芳賀 亮汰さん

 「それぞれのブースでパーツを集めて全ブースを回ったら、ひとつのおもちゃになるようなプレゼント企画を実現したい!」。自分たちのアイデアを仲間に伝えた時、「その企画にはどういう意図があるの?」「おもちゃはいずれゴミにならないだろうか?」とさまざまな意見が寄せられました。その仲間の声に、提案には必ず実行する理由が欠かせないことを気づかされ、あらためて「本当に子どもたちにとって楽しい企画だろうか、危険はともなわないだろうか」と熟考を重ねました。

 最終的に当初のアイデアは実行しないことに決めたのですが、この経験から子どもたちの視点で物事を考え、判断する力を身につけることができました。子どもたちにとって何がベストかと考えぬいた約半年の準備期間は、教師をめざす上で大きな財産になったと実感しています。当日、子どもたちが両親の手を引っ張って「もう一回、遊びに行くよ!」と声を掛けている姿を見た時、本当にうれしかった!! この感動を忘れず、子どもたちの視点で考える力をさらに磨き、教員になる夢を叶えていきたいと思います。