交流

2026年02月25日

愛知淑徳大学開学50周年記念講演会 地域に根差し「違いを共に生きる」

2025年10月12日(日) 長久手キャンパス ミニシアター

CCCで一歩を踏み出し、みんなが共に輝く未来へ。
多様な視点で「共創」を考える講演会を開催しました。

 愛知淑徳大学開学50周年記念事業として、10月12日(日)、コミュニティ・コラボレーションセンター(以下、CCC)が講演会を開催しました。今回は、同志社大学社会学部教授の永田祐先生による基調講演「大学と地域が共創する未来」と、シンポジウム「共創する未来に向けた愛知淑徳大学CCCへの期待」の2本立てです。シンポジウムでは卒業生や企業・自治体の方々の計4名がシンポジストを務め、共生社会に向けたさまざまな活動、学生へのエール、CCCへの期待などが語られました。会場のミニシアターには学生や教職員、卒業生、地域の方々など約80名が集まりました。

 開会に先立ち登壇した五島幸一学長は「CCCは2006年に開設されました。単なるボランティアセンターではなく、本学の理念『違いを共に生きる』のもと、地域との結びつき、異なる世代や社会とのつながりを強める『コミュニティ・コラボレーション』の役割を担ってきました。今後も大学と地域をつなぎ、交流を図り、学生のさまざまな分野での活躍を推進していきたいと思います」と力強い挨拶をなさいました。

 講演会の座長は、CCCセンター長の榎裕美先生。基調講演とシンポジウムの統括として「共創する未来に向かっていきます」とCCCが果たす使命をあらためて表明するとともに、「CCCは発足当初から企業、NPO、自治体、他大学など地域のさまざまな方々と協働し、本当に大きく成長しました。来年2026年は、CCC開設20周年。これからも一歩一歩、みんなで進みたいと思います」と晴れやかな笑顔で誓いの言葉を述べられました。
 会場のすべての人が共に考え、さまざまな視点で学び合いながら、共創する未来を見つめたCCC講演会。以下に、基調講演とシンポジウムの内容をダイジェストでレポートします。

基調講演「大学と地域が共創する未来」

 永田祐先生は社会福祉学を専門とし、地域福祉や地域包括ケアの推進について研究されています。約20年前に本学専任講師を務め、CCCを開設に導いた功労者のお一人です。今回の基調講演では、CCC誕生の経緯、今後のCCCや学生への期待などを語ってくださいました。
 2005年頃、CCCの構想が学内で検討された際、永田先生は「大学・学生と地域との双方向のかかわり合い」「きょうどう(協働・協同・共同)」といったことを軸にしたセンターづくりを提案。地域の多様なコミュニティと学生をつなぎ、よりよい未来を「共創」する拠点となるよう「コミュニティ・コラボレーションセンター」と名付けたそうです。その背景にあったのが、永田先生の学生時代のご経験です。生活介助のボランティア活動を通して「たくさんの人と助け合って生きることが幸せ」「地域はさまざまな人が協力しながらつくるもの」と実感され、その思いが社会福祉学者の原点であり、CCCの立ち上げにおいても起点となったことを語ってくださいました。
 またCCCは、地域の多様なコミュニティとのつながりを結ぶだけでなく、学生一人ひとりをわが子のように迎え、それぞれの輝く個性や力を認めて、挑戦を全力で応援する場所としてすべての学生に開かれています。そうした教育センターとして歩み続けることを「CCCの20年の答え合わせ」と表現して称賛された永田先生。開設当初からコーディネーターを務めるCCC事務主任・秋田有加里さんをはじめ、学生と親身に向き合うスタッフの存在の大きさにも言及しました。
 最後に、永田先生は学生へのメッセージとして、「違いを共に生きる」を実践するために大切なことをお話しくださいました。「私たちは『違い』を共に生きることが苦手かもしれない」と前置きした上で、「きっかけの勇気を出して他者とかかわろうとすること」「『半径数メートルの世界』を大事にしつつ、そこから一歩を踏み出すこと」の必要性を強調。「何となく」「やってみたい」といったちょっとした心の動きが新しい一歩になり、その小さな「点」がいくつもつながって、人生を豊かにしていくと永田先生は学生に語りかけました。「なんだか楽しそうと思ったら、やってみるといいです。CCCでいろんな一歩を踏み出して、たくさんの『点』をつくってください。多様な人と出会い、多様な経験をして『違いを共に生きる』ことを体感してほしい」と激励の言葉を贈ってくださいました。

シンポジウム「共創する未来に向けた愛知淑徳大学CCCへの期待」

■近藤 みなみさん〈卒業生〉

認定NPO法人アジア車いす交流センター(WAFCA)事務局次長
文化創造学部 文化創造学科 多元文化専攻(現・交流文化学部)2012年度卒業

 本学で国際協力を学び、卒業後はタイで日本語教師として経験を積んだ近藤さん。現在は、車いすの提供を通じてアジアの障がい児の自立や生活の質の向上に貢献するWAFCAにて、ファンドレイザーとして国際協力に携わっています。ファンドレイザーとは、活動に必要な資金調達をおこなう専門職。近藤さんは、子どもたちの「移動の自由」から自立まで寄り添い、未来を広げる、その活動を共に進めていく「仲間」を増やすための仕事に取り組んでいます。そうした今の活躍につながったのが、学生時代の一歩だったと振り返りました。ゼミ活動でタイの子どもたちと交流し、CCCで地域貢献活動に励むなど、海外や地域で多くの経験を重ね「国際協力の分野で自分にできること」を模索したそうです。また、「学生を大切にしてくださるCCCの秋田さん、学生の活動を歓迎してくださる地域の皆さんと出会い、『人から大切にしてもらえている』と実感できました」と語った近藤さん。そのあたたかな実感がパワーとなって、自分も人を大切にできる、人と互いに支え合えるという、共生社会の真髄に触れるようなお話をしてくださいました。

■小川 麗さん〈卒業生〉

名古屋大学医学部附属病院 栄養管理部 管理栄養士/
愛知淑徳大学大学院 健康栄養科学研究科 修士課程2年
健康医療科学部 健康栄養学科(現・食健康科学部 健康栄養学科)2020年度卒業

 管理栄養士として病院で働く小川さんは、臨床栄養学の専門性を深めるため、大学院での研鑽にも励んでいます。在学中はボランティアサークルあじゅあすに所属し、CCCを活用して地域活動に積極的にチャレンジ。知的障がいのある弟さんがいる小川さんは福祉にも関心を寄せ、障がいのある方々や地域の子どもたちとの交流を楽しみました。その経験が、多様な患者さんやご家族とかかわる管理栄養士の仕事にも活かされていると語った小川さん。「現在、管理栄養士として小児科を担当しています。毎日の食事は治療の一環だけでなく、安心して楽しみたいものでもあります。さまざまなハンディキャップを抱えた子やご家族に寄り添い、それぞれの不安を受け止めたいと思っています」と話してくださいました。そして後輩である学生たちへ、「CCCでいろんな分野の活動に参加し、そこでいろいろな人とのかかわり方を学ぶと、社会で役立つと思います。人との出会いや交流を大切にする学生生活にしてください」と応援の言葉を届けてくださいました。

■國友 淳子さん

トヨタ自動車株式会社 社会貢献部 地域貢献室 室長

 「地域を支える一員」という企業姿勢や、「従業員の成長のために」という目標のもと、トヨタ自動車は1993年からトヨタボランティアセンターを立ち上げ、幅広い活動に力を注がれています。CCCとの連携活動も活発におこなわれ、児童養護施設の子どもたちに向けたお楽しみイベントの企画・実施、里山保全や資源の有効活用に貢献する活動、規格外野菜を活用した商品のパッケージづくりなど、その取り組みは多岐にわたります。國友さんはこれまでの連携活動を振り返りながら、「学生の皆さんの発想・着眼点が自由で多彩であること、アイデアをしっかりとカタチにする行動力やフットワークの軽さに、いつも驚かされます。これからも一緒に活動していけたらと思います」とあたたかな言葉をくださいました。また、「地域活動に取り組むことが、従業員にとっても成長の機会になります」と國友さん。地域で多様な人とかかわる経験が、業務においても人との「違い」を認め合い、力を出し合うことに役立ち、ひいては大きな成果にもつながると語りました。

■名久井 洋一さん

長久手市 観光商工課 課長

 本学がキャンパスを構える長久手市。子育て世代が多く移り住み、住民の平均年齢が日本で最も若い"日本一若いまち"としても知られています。誰もが役割や存在価値を感じられるまちづくりを進める「たつせがある課」の発足、小学校区ごとの「地域共生ステーション」の整備、用途を限定しない自由な施設「リニモテラス」の運営など、市民のイキイキとした暮らしや人と人のつながりを大切にした、共生社会を見据えた取り組みが活発です。本学やCCCとの協働も多分野でおこなわれ、学生たちをいつもあたたかく歓迎してくださっています。名久井さんは「若者がチャレンジできるまち、新しいこと・やりたいことができるまちをめざす長久手市に、新しい刺激をもたらしてほしい」とCCCへの期待を語られました。さらに、学生たちに向けては、「自分たちが『おもしろい』と感じて行動することが大切です。学生時代に取り組んだことが自分の根っこになりますから、CCCでたくさんの経験を重ねてください」と熱いエールを投げかけてくださいました。